200841



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事例担当者のイニシャル[HELP]T,K
事例研究のタイトル[HELP]小学校高学年特別支援学級児童にプロンプトフェイディング法を使って九九を指導する
対象児のプロフィール[HELP]小学校高学年特別支援学級児童 男子
指導者の役割と人数[HELP]T.K
長期目標[HELP]掛け算の九九問題を解く。
短期目標[HELP]掛け算の九九問題を解く。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]掛け算の九九問題を解く
標的行動を取り上げる意義[HELP]本児堂は掛け算の計算をする時には、いつも九九カードを見て計算していた。九九カードを見ないで、計算するようにいうとイライラして怒り出すことが多かった。しかし、進路先が通常の中学校特別支援学級に進学のため、九九をマスターさせておくことは特に重要だと考えた。また、九九をマスターすることで、生活全般に与えるインパクトも大きいと考えた。
事例に関する情報[HELP]本児は1から5の段は比較的よく理解できている。しかし、6から9の段の苦手な計算は次の通りである。
6の段:6×3、6×4、6×6、6×7、6×8、6×9
7の段:7×3、7×4、7×6、7×7、7×8、7×9
8の段:8×3、8×4、8×6、8×7、8×8、8×9
9の段:9×4、9×6、9×7、9×8

上記6から9の段の苦手な計算がどれぐらいできるのかをベースラインで3日間記録をとった。
結果は1日目が8%、2日目が37%、3日目が16%となった。
問題の推定原因[HELP](1)九九のスキルが身についていない
(2)今まで、九九カードを使って計算していたので、九九の計算は九九カードを使うとすぐに解答することができた。
想定される解決策[HELP](1)九九の練習を行う。
(2)ABC分析から、答えがすぐに出ないとイライラして学習意欲が低下する。そこで、九九カードを使って答えの部分だけを予め隠しておいて、詰まったらすぐに答えの一部分をチラッと見せるプロンプトを出す。答え(好子)がすぐに出て、本児の学習意欲を高めるようにする。
選択した原因と解決策[HELP]選択した原因
■今まで、九九カードを使って計算していたので、九九の計算は九九カードを使うとすぐに解答することができた

選択した解決策
■九九カードを使って答えの部分だけを予め隠しておいて、詰まったらすぐに答えの一部分をチラッと見せるプロンプトを出す。答え(好子)がすぐに出て、本児の学習意欲を高めるようにする。
般化を狙う場面[HELP]ランダムに出した九九問題のテスト
指導場面[HELP]算数の最初の10分間(週に3から4回程度)

最初の5分間は6から9の段のテスト、後の5分は指導手続きに書いてあるトレーニングを行った。
指導手続き[HELP]1.本児が苦手な九九22問の九九カードを1枚ずつ提示する。
2.教員は、6×3の九九カード(答えの部分を白カードで隠してある)を見せて、式を読んで答えを回答するように促す。
児童がすぐに正解した場合→「正解!!」と言って児童を賞賛する。
児童が答えに詰まった場合→白カードをずらして、答え「18」の上の部分をチラッと1秒程度提示して、プロンプトを出す。それを見て正答した場合は「正解」と言って褒める。そして、もう1回答えの部分を全部隠してある九九カードを提示して、解答するよう促す。「6×3=18」と児童が正答を言ったら、賞賛して次の問題「6×4」に進む。

プロンプトの出し方:18の上の部分だけを提示して答えられない場合は、18の上半分を見せる。それでも答えられない場合が18の上3分の2を提示する。
利用可能な好子[HELP]パソコンのゲーム、お母さんの賞賛、先生の褒め言葉、100点、お菓子、調理の時間
教材教具など[HELP]九九カード、白カード(答えの部分を隠すためのもの)
記録の取り方[HELP]介入中の記録
算数の授業始めの5分間に6から9の段のテストを行った。このうち、本児童の苦手な次の問題について記録をとった。
6の段:6×3、6×4、6×6、6×7、6×8、6×9
7の段:7×3、7×4、7×6、7×7、7×8、7×9
8の段:8×3、8×4、8×6、8×7、8×8、8×9
9の段:9×4、9×6、9×7、9×8

テスト用紙に書かれた答えが正解なら○、不正解なら×にした。正答率は
正解の問題数÷22問×100で算出した。

般化場面の記録
達成基準に達したら、ランダムに並んだ掛け算45問のテストを行う。テスト用紙に書かれた答えが正解なら○、不正解なら×にした。正答率は
正解の問題数÷45問×100で算出した。
指導期間と達成基準[HELP]ベースライン:3日
指導期間:ベースライン終了から2ヶ月
達成基準:正答率90%以上が7回連続
中止・改善基準:正答率80%以下が7回連続
結果[HELP]ベースラインの結果は1日目が8%、2日目が37%、3日目が16%であった。
介入1の直後に正答率が徐々に上昇した。
冬休み直後は、ベースラインまで記録が下がった。
その後、正答率が上昇し、100%で維持された。

ランダムに提示された九九問題のテストでも100%で維持された。

考察[HELP]答えに詰まると、すぐに答えのプロンプト(ヒント)が提示され、先生の言語賞賛「正解!」が好子になったようである。

答えの一部分をチラッと見せ、徐々にプロンプト(ヒント)をなくしていく支援は効果的だった。

九九の現状のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)九九カードを見ながら
(2)答えを書いてある九九カード
「7×4=28」 (1)答えが分かった(↑)
(2)答えが分かって安心(↑)

九九の現状のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)九九カードなし
(2)プリントに7×4=?
(3)答えを書いてある九九カードなし
「7×4=・・・」 (1)答えが分からない(↓)
(2)白紙:答えがプリントにかけない(↓)
(3)答えがなかなか出てこなくてイライラ(↓)

九九の解決策のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
答えの書いてない7×4カード

分からなかったら答えの一部がチラッと見える

先生が「式を読んだ後、答えを言ってください」
「7×4=28」と言う 答えがすぐに分かった(↑)

先生の「正解!!」(↑)


データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2009/01/31/21:43:41

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