200918



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事例担当者のイニシャル[HELP]T.M
事例研究のタイトル[HELP]肢体不自由の中学部生徒が,1〜10の数字カードから指導者が英語で言った数字を選んで渡すことができる支援
事例の概要[HELP]中学部1年では週2時間英語の授業があり,T.Mがマン・ツー・マンで担当している。
対象生徒は知的障害と肢体不自由を併せ持っているが,簡単な英語の挨拶や歌,身近な単語を繰り返し指導すると暗記して発音することができる。
数字に関しては,数字カードと具体物と音声(日本語)が80%くらいの等価関係が成立している。
対象生徒の意欲的な態度と,保護者からのニーズを汲み取り,刺激等価性の考え方を使って数字カードと音声(日本語),音声(英語)がマッチングできるように指導を展開する。
対象児のプロフィール[HELP]・肢体不自由・知的障害(重複) 
・中学部1年(男子)
・大人の話をよく聞いていて会話に入ってきたり,好きな教師には自分から関わりよく喋る。
平仮名が読めたり,なぞり書きが支援によりできるが視写は難しい。
指導者の役割と人数[HELP]T.M
(一名)
長期目標[HELP]1〜10数字カード,音声(日本語),音声(英語)間がマッチングできる
(以下の等価関係が成立する)。
・1〜10数字カード→音声(日本語)
・1〜10数字カード→音声(英語)
・音声(日本語)→ 1〜10数字カード
・音声(英語) → 1〜10数字カード
・音声(日本語)→ 音声(英語)
・音声(英語) → 音声(日本語)
短期目標[HELP]1〜10の数字カードから,指導者が英語で言った数字を選んで渡すことができる
標的行動(増やしたい行動)[HELP]1〜10の数字カードから,指導者が英語で言った数字を選んで渡すことができる
標的行動(減らしたい行動)[HELP]1〜10の数字カードから,指導者が英語で言った数字を選んで渡すことができる
標的行動を取り上げる意義[HELP]1〜10の数字カードを見て英語で発音することができることにより,具体物とのマッチングにも発展できる。保護者のニーズが高いので意識的に普段の生活の中でも使用することで,コミュニケーションが深まると考える。
刺激等価性の考え方を使うと,生徒の実態が分かりやすく次年度の引き継ぎが有効である。
事例に関する情報[HELP]1〜10の数唱,数字と具体物のマッチングがほぼできる。6と9の区別が難しい。


【事例に関する情報・・指導前】 正答率
ア.1〜10数字カード→音声(日本語) 80%
イ.音声(日本語)→ 1〜10数字カード 80%
ウ.1〜10数字カード→音声(英語)   20%
エ.音声(英語)→ 1〜10数字カード   40%
オ.音声(英語)→音声(日本語)      10%
カ.音声(日本語)→ 音声(英語)      0%
般化を狙う場面[HELP]・担当者以外の教師と
・家庭で保護者と
指導場面[HELP]・週2回(火・木)の英語の授業内で20分程度
指導手続き[HELP]指導前に
・「10人のインディアン」を歌の絵本にあわせて2回歌う。
・1〜10のカードを左から順番に並べて英語で発音 しリピートさせることを2〜3回繰り返す。

【ベースライン】
▼1〜10のカードをランダムに並べて,指導者が英語で発音したカードを取り手渡す。

【指導1】
▼・1,2,3,4,10のカードを生徒の前に横一列に並べて,指導者が英語で発音したカードを取り手渡すように促す。カードは毎回ランダムに並べる。
▼週2回英語の授業で1〜2試行実施する。
▼→正しいカードが取れたら「ピンポーン,Good」等の言葉と握手で誉める。
▼→間違ったカードを取ったときは,正しいカードを指 さし手渡すように促す。
▼ エピソードと組み合わせ(例えば“耳の3はtree”と言って耳を触る等)て正答を教え,発音させる。
▼・正反応率50%が連続3回以上でカードを増やす。

【指導2】
▼・1,2,3,4,5,10のカードを生徒の前に横一列に並べて,指導者が英語で発音したカードを取り手渡すように促す。カードは毎回ランダムに並べる。
▼ 手続きは【指導1】と同じ。
▼・正反応率60%が連続3回以上でカードを増やす。

【指導3】
▼・1〜10のカードを対象生徒の前に縦横三列と一枚 並べて,指導者が英語で発音したカードを指さす。
▼カードの位置は毎回ランダムに並べる。
▼→正しいカードが取れたら「ピンポーン,Good」等の言葉で誉める。
▼→間違ったカードを指したときは,エピソードヒント を出し,正しいカードを指すのを待つ。
▼2回以上間違ったときは正しいカードを指さし手渡すように促し,発音させる。
▼・正反応率100%が連続3回以上で達成とする。
利用可能な好子[HELP]・「すごい」「正解」「ピンポ〜ン」などの誉め言葉
・握手
・達成した時点で携帯電話を使用できる
教材教具など[HELP]1〜10の数字カード
記録の取り方[HELP]・指導者が英語で言った正しい数字を選ぶことができ たら○
・ 間違ったり,プロンプトで選んだカードは×
 

  正答数/ 提示したカード数  × 100 = 正反応率(%)

指導期間と達成基準[HELP] 達成基準
【指導1】 100%以上が3回連続
【指導2】 100%以上が3回連続
【指導3) 100%以上が3回連続

【中止基準】50%以下が5回連続
結果[HELP] ・ベースラインで正答率が100%の数字は1と10であった。
・指導1では,数字とエピソードを組み合わせることで音声と数字がマッチングでき標的行動がみら れるようになった。
・指導2では,スモールステップで1枚カードを増やしたので,最初から標的行動がみられた。
・指導3では,誉め言葉以外に達成したら携帯電話ができる好子を提示すると,大変意欲的に取り組 めた。
【事例に関する情報・・指導語】 正答率
ア.1〜10数字カード→音声(日本語) 70%
イ.音声(日本語)→ 1〜10数字カード 80%
ウ.1〜10数字カード→音声(英語)   80 %
エ.音声(英語)→ 1〜10数字カード   100 %
オ.音声(英語)→音声(日本語)      40 %
カ.音声(日本語)→ 音声(英語)     80%
考察[HELP]・対象生徒は機械的に記憶するのは難しいが,興味あるエピソードと組み合わせると音声と数字がマ ッチングでき,ヒントをフェイドアウトする学習方法が効果的であった。

・音声(英語)と数字カードの関係を学習することで,指導していない他の関係においても等価関係 が成立しつつあると考えられる。


データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2010/01/07/12:27:23

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