200925



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事例担当者のイニシャル[HELP]K A ,H S ,I H
事例研究のタイトル[HELP]小学部 高学年の知的障害(ダウン症)児が,給食時にカードを用いて援助要求することができるための指導
事例の概要[HELP] 活動中,自分にできないことがあると活動を止めて何分も遊んでしまう。教員がことばかけをすると両手を合わせる「おねがい」の動作で援助要求をすることができるが,パンパンと手をたたくようにするので,何をしているのかが分かりにくい。
 そこで,「てつだってください」カードを教員に手渡すことによって援助要求できるようにしたい。また,教員の指さしやことばかけがなくてもスムーズに自分から手渡すことを目指したい。
 
対象児のプロフィール[HELP]小学部6年 女児 ダウン症
S−M社会生活能力検査: 歳 ヶ月(平成20年 月)
           
指導者の役割と人数[HELP]指導者3名(うち担任2名)
長期目標[HELP]自分にできないことがある場合に,「てつだってください」カードを自分から教員に手渡すことができる。
短期目標[HELP]給食時,自分にできないことがある場合に「てつだってください」カードをプロンプト(指さしやことばかけ)なしで自分から教員に手渡すことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]給食時,自分にできないことがある場合に「てつだってください」カードを自分から教員に手渡す。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]給食時,自分にできないことがある場合に袋をひらひらさせて遊んだり、手を叩いて援助要求をする。
標的行動を取り上げる意義[HELP]困った状況で相手に通じる方法で援助要求ができれば,援助してもらえて活動がスムーズに進む。立ち止まって遊んでしまう行動が減らせる。
事例に関する情報[HELP]給食時に本児にできないこと
・パンの袋を開ける。
・ソースやジャムなど小袋の袋を開ける。
選択した原因と解決策[HELP]原因1
 自分のできないことがあると,ひらひらさせて遊ぶ。そのうちに気がついた教員が援助をしてくれて,困った状況は解決される。自分がすぐに食べたいものの場合は,教員の方を見て手を叩くと教員が察して援助をしてくれる。

解決策1
 「てつだってください」カードを机上に提示しておく。
解決策2
  困った時はカードを手渡すことにより援助要求することを教える。
解決策3
  カードを手渡すことができた場合のみ,援助する。
 
般化を狙う場面[HELP]着替えの場面,自立課題時
指導場面[HELP]給食を食べている時
指導手続き[HELP]1 本児の机上にカードを貼っておく。
2 本児が袋を手に取り,ひらひらさせはじめると(食べる意思を示すと)教員Aがカードを教員B に手渡すように教える。
  (はじめは身体的ガイダンスを行う。次に指さしへ移行し,徐々にプロンプトを減らしていく。)
3 教員Bは,袋を開けるなど援助を行う。
利用可能な好子[HELP]食べること,「そう」「上手」などのことばかけ,音の出るおもちゃ
教材教具など[HELP]「てつだってください」カード
記録の取り方[HELP]指導場面:給食を食べる時間
記録事項
 ・正反応:プロンプト(指さし,ことばかけ)なしでカードを手渡せた時
 ・誤反応:プロンプト(身体的ガイダンス,指さし,ことばかけ)をした時
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:2009/10〜2009/12  2ヶ月
達成基準:正反応率が100%で5回連続
結果[HELP]指導を始めて8回目(援助を必要とする場合が含まれる給食1日分を1回と数える)に自分からカードを手渡す行動が出始めた。途中プロンプトを必要とするときもあったが,11回目からは自分からカードを手渡す行動が安定してきた。
考察[HELP] 給食時に,カードを用いて援助要求をすることを教えることで,何分間も袋をひらひらさせて遊ぶことを減らすことができた。
 カードを手渡すと相手に通じ,すぐに援助をしてもらえることが分かり,特に自分の好きなメニューの時にスムーズに食べることができるため,行動が形成されてきたと思われる。「指さしやことばかけがなくても」自分からカードを手渡す行動については,正反応が達成基準に達しているので,今後は「教員が見ていなくても」「教員が離れていても」自分からカードを手渡すことができるように指導を移行する。
 また,着替えの場面でも般化が見られ始め,ボタンのつけはずしやファスナーを閉める時にカードを手渡し,援助要求することができるようになってきた。
 
 
参考にした先行研究や事例など[HELP]本事例研究データベース200819
「高等部、自閉症の生徒がヘルプカードを自分で出せるまでの指導」


データとグラフ:第一系列のタイトル: 給食時に自分からカードを手渡すことができる
Intervention1: 指導手続き1  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2010/01/05/21:56:53

現行ログ/ [1]
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