201011



[TOP]  [検索


事例担当者のイニシャル[HELP]A B C
事例研究のタイトル[HELP]カードを手渡して要求を伝えるための支援
対象児のプロフィール[HELP] 小学部1年 女児 Bさん 知的障害・自閉症
 PEP-R発達検査結果:1歳9ヶ月(平成22年5月)
 発音は曖昧な部分があるが,音声模倣ができる。テレビのCMや歌,周りの人の会話など,耳にしたフレーズを独り言としてしゃべることがよくみられる。
 遊びの時間は,広場で過ごすことが多く,追いかけっこ(逃げる側)を好む。友だちと同じことをしたがり,興味のないおもちゃでも,友だちが持っていると欲しがる。
 日常的な指示(簡単なことばかけ,指さしなど)に従うことができる。写真や絵カードと実物やその場所のマッチングもできる。
指導者の役割と人数[HELP]A B Cの3名
要求時、対象児の近くにいる教員が対応する
長期目標[HELP]自発的にカードを使って,三語文で要求を伝えることができる。
短期目標[HELP]カードを使って,二語文で要求を伝えることができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]カードを手渡して要求する
標的行動(減らしたい行動)[HELP]他の方向を向いて、独り言のように要求する
標的行動を取り上げる意義[HELP] 4月からの指導で,遊びの選択ボードから行きたい場所,欲しい物を選択することや,選択したカードを選択ボードの横に貼ってから遊びに行くことができるようになった。
 しかし,伝える相手のいる・いないに関わらず「わくわくいきます」と独り言のように言ったり,欲しい物(しゃぼんだまや風船など)を相手に伝えきれなかったりすることがみられるようになった。
般化を狙う場面[HELP]担当者以外の人
家庭・施設
遊びの時間以外の時間
指導場面[HELP]遊びの時間
教室
指導手続き[HELP]【ベースライン:カードをボードに貼る】
(1)トランジッションエリアの近くに,遊びの選択ボードを設置して,本児の好む遊びのカードを貼っておく。
(2)遊びの時間に選択ボードから,遊びを選んで,ボードの横に貼るように促す。
(3)カードを貼ったら,遊びに行くことを許可したり,そのカードのおもちゃを渡したりする。

【ステップ1〜2:カードを1枚手渡して要求する】
(1)トランジッションエリアの近くに,遊びの選択ブック(コミュニケーションブック)を準備して,本児がよく選ぶ遊びカード(わくわく・砂場)とトイレカードを貼っておく。
(2)遊びの時間にコミュニケーションブックからカードを選ぶように指さす。
(3)選んだカードを近くにいる教員に手渡すように,別の教員が手を添えながらカードを手渡すのを支援する。
(4)受け取った教員は,カードの名称を読み(「わくわく」など),Mさんが模倣したら誉めて,遊びを許可する。
(5)コミュニケーションブックに好むおもちゃ(しゃぼんだま・ポンポン・なわとびなど)を加える。

【ステップ3〜4:文カードを手渡して二語文(○○いきます)で要求する】
(1)コミュニケーションブックに文カードと,「いきます」カードを準備する。あらかじめ「いきます」カードは文カードに貼っておく。
(2)教員が手を添えながら,「わくわく」などのカードを文カードに貼り,手渡すのを支援する。
(3)文カードを受け取った教員は,「わくわく,いきます」とカードを読み,Mさんが模倣したら誉めて,遊びを許可する。
(4)文カードを自発的に渡せるようになったら,「いきます」カードもコミュニケーションブックに貼っておく。遊びの選択のときに,Mさんが場所カードと「いきます」カードの2種類を文カードに貼るよう指さしで促す。
(5)文カードを受け取った教員は(3)と同様に対応する。
利用可能な好子[HELP]遊びに行けること(広場・砂場)
しゃぼんだま
風船
おもちゃの刀
ポンポン
友だちの持っているもの
教材教具など[HELP]カード
コミュニケーションブック
記録の取り方[HELP](1)自発的にカード・文カードを手渡すことができたか
(2)相手の方を向いていたか
(3)自発的にことばでも要求することができたか
(4)気がついたこと
指導期間と達成基準[HELP]正反応比率(自発的にカードを手渡すことができた)を次の式で算出した
自発的にカードを手渡した回数/全要求回数×100



正反応比率が3日連続で80%以上であるとき,次の段階にステップアップする。
結果[HELP] カードを相手に手渡すという方法に変更して,2日目には自発的に渡せるようになり,安定して渡すことができるようになった。要求するときも相手の方を向いて,カードを渡すこともできるようになった。ことばでの要求はははじめから自発していて,要求方法が変わっても,安定して伝えることができていた。近くに相手(担任)がいない状況でも,ろう下や広場にいる教員に手渡すこともみられるようになった。


正反応比率・相手の方を向いていた割合・ことばで要求した割合
FILE 171_183_2.ppt
春の特別講座2010 ポスター発表資料
記入日時 2010/10/19/15:10:17

現行ログ/ [1]
++徳島ABA研究会++

++マニュアル++
TOP
shiromuku(h)DATA version 4.00