201013
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事例担当者のイニシャル
[HELP]
S.K
事例研究のタイトル
[HELP]
ズボンの前部分をおろして排尿するための支援
事例の概要
[HELP]
トイレで排尿するとき,トイレの入口付近からズボンを膝のあたりまで下ろしながら便器に向かって歩く。ズボンをおろすとき,はじめに後ろ部分に手をかけ,おしりを出してから前部分をおろす。教員が近くにいていなくてもズボンを全て下ろす。おしりを見せて排尿することに抵抗感は見られない。
対象児のプロフィール
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支援学校小学部3年,男子,自閉症
PEP−R発達検査結果:2歳0ヶ月(平成20年7月)
その他の特徴:
・発音が不明瞭。発語はオウム返しになることが多い。
・マナーを理解して行動に移すことは難しい。
指導者の役割と人数
[HELP]
指導者A(担任)
指導者B(担任)
指導者C(補助)
以上3名
長期目標
[HELP]
職員トイレや公共施設のトイレの小便器でズボンの前部分をおろして排尿する
短期目標
[HELP]
小学部トイレの小便器でズボンの前部分をおろして排尿する
標的行動(増やしたい行動)
[HELP]
排尿時,ズボンの前部分をおろす
標的行動(減らしたい行動)
[HELP]
排尿時,ズボンを全ておろす
標的行動を取り上げる意義
[HELP]
成人の身体になったとき,おしりを見せて排尿することがないよう,学校で適切な支援を行い,家庭や地域に出たときの般化をねらう。
事例に関する情報
[HELP]
家庭には洋式トイレしかなく,小便器を利用するのは学校のみ。
学校でも洋式トイレが空いていると排尿時も洋式トイレに座ろうとすることが多い。別の人が洋式トイレを使っていると小便器で排尿する。
洋式トイレで排尿するとき,座って排尿する。排尿後,トイレットペーパーで性器を拭き取っている。トイレットペーパーは一度に大量使う。
教員がおしりを出しているときに口頭と身体的ガイダンスで注意をするが,効果は見られない。
問題の推定原因
[HELP]
1.家には洋式トイレしかないから。
2.おしりを出すことが恥ずかしくないから。
3.足や下着を濡らしたくないから。
4.洋式トイレではズボンと下着を全ておろしているから。
5.小便器で排尿するとき,ズボンの前部分のみおろすことを知らないから。
想定される解決策
[HELP]
1.学校の小便器で使い方を教える。
2.マナーカードでおしりを隠して排尿することが○,おしりを出すことが×と伝える。
3.前部分をおろして排尿しても濡れないよう下着を下げる位置を教える。
4.マナーカードで小便器で排尿するときは,おしりを隠して排尿することを教える。
5.マナーカードでおしりを隠して排尿することが○,おしりを出すことが×と伝える。
5.モデリングでズボンの前部分をおろすことを教える。
選択した原因と解決策
[HELP]
原因5.小便器で排尿するとき,ズボンの前部分のみおろすことを知らないから。
解決策5.マナーカードでおしりを隠して排尿することが○,おしりを出すことが×と伝える。
解決策5.モデリングやことばかけでズボンの前部分をおろすことを教える。
般化を狙う場面
[HELP]
家庭,お店,公共施設,C先生,保護者
指導場面
[HELP]
排尿時,トイレ
指導手続き
[HELP]
【ベースライン】
(1)トイレの入口付近に立ち,特にことばかけや指さしを行わず,様子を見る。
(2)排尿後も特にことばかけは行わない。
【マナーカードを提示しての指導】
(1)対面課題でトイレでの排尿の仕方をマナーカード(イラスト)で伝える。
(2)トイレの小便器のところにマナーカードを貼っておく。
(3)トイレに行ったとき,マナーカードを指さし,ズボンの前部分をおろすことを伝える。
(4)ズボンの前部分のゴムに手をかけるよう本児の横でモデリングする。
(5)ズボンを全ておろそうとしたらズボンの後ろ部分がさがらないように支える。
(6)ズボンの前部分に手をかけ,後ろ部分に手をかけることがなくなってきたら,教員は離れたところから見守るようにする。
利用可能な好子
[HELP]
「そう」「かしこい」ということばかけ。○の印
教材教具など
[HELP]
トイレのマナーカード
記録の取り方
[HELP]
ズボンの前部分をおろして排尿することができたかどうか,プロンプトが必要だったかどうかを次のように点数化して記録する。
3点:ズボンの前をおろして排尿
2点:教員の指さしやことばかけで前をおろして排尿
1点:身体的ガイダンス
0点:おしりを出して排尿
平均点(1日で獲得した得点/排尿した回数)を出してグラフに記入する。
指導期間と達成基準
[HELP]
ベースライン:1週間程度(9月1日〜9月10日)
指導期間:ベースライン終了から1ヶ月(9月13日〜10月13日)
達成基準:ズボンの前部分をおろして排尿すること(平均3点)が連続5日間続いたら達成とする。
結果
[HELP]
グラフ1から「ズボンの前部分をおろして排尿すること」は,ベースラインには0点だったのが,指導開始後1週目には1日平均2点や1点まで増加した。2週目と3週目には,週末を挟んでも平均点が変わることなく安定してきた。 グラフ1に示したとおり,10/2〜10/13の5日間連続で平均点3点(前部分をおろして排尿すること)という結果が見られた。
考察
[HELP]
この結果から,本児はズボンの前部分をおろして小便器で排尿するというトイレでのマナーを理解したことで,排尿時にズボンの前部分をおろして排尿することができるようになったと考えられる。また,今まではズボンや下着をぬらさないように全ておろして排尿していたが,前部分をおろしても下着やズボンが濡れないという経験をすることで,ズボンの前部分をおろすことに抵抗がなくなったのではないかと考える。また,標的行動(増やしたい行動)は家庭や地域での生活場面でも般化の可能性があり,社会的妥当性が高いといえる。
指導前
A:先行条件
B:行動
C:結果
排尿時
小学部トイレ
小便器あり
マナーカードなし
教員のことばかけなし
ズボンを全ておろす
教員Aの注意(↓)
尿が足にかからない(↑)
下着がぬれない(↑)
排尿しやすい(↑)
排尿できる(↑)
指導後
A:先行条件
B:行動
C:結果
排尿時
小学部トイレ
小便器あり
マナーカードあり
教員のことばかけなし
ズボンの前部分をおろす
教員の賞賛(↑)
尿が足にかからない(↑)
下着がぬれない(↑)
排尿できる(↑)
ズボンの前部分をおろして排尿することができた点数
トイレマナーカード
トイレマナーカード2
FILE
173_195_6.ppt
ポスター発表資料
記入日時
2010/11/18/17:04:11
現行ログ
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