201126



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事例担当者のイニシャル[HELP]M.M
事例研究のタイトル[HELP]小学部中学年の知的障害児が、腕に軽く触れて注意喚起をし、遊びの選択カードを渡すことができるための指導
事例の概要[HELP]・教師が自分の方を向いていて、目が合っている場合には、カードを渡すことができる。
・教師が違う方向を向いている場合には、「その場に立ち尽くす」「カードを指さす」「奇声のような声を出す」のような行動をとり、教師と目が合っていない場合にはカードを渡すことができない。
・カードを渡すことができないまま、時間が経過すると(1分以内)、他の人や物が刺激となり遊んだり興味を持ったりするため、自分が何をしていたのか忘れることがある。
(排尿のサイン)
・少しずつではあるが、トイレサイン(下腹部をタッピングする)で尿意を伝えることができつつある。教師が見ている時は、目が合っているのでサインを出し伝えることができるが、教師や介助者 (親や祖父母)が見ていないところでもサインをしていることがある。そのときは、下腹部をタッピングするのみで、人の見えるところに出てきたり、声を出したり、人の体に触れて注意喚起をすることはない為、伝わらないことがある。
・周りの人に注目してほしい時などに、「あー、うっ」等の発声はあるが、声の大きさのコントロールが難しく、大きな声を出して周りの人や家の近所の人たちが驚いてしまうことがある。
対象児のプロフィール[HELP]支援学校小学部3年生、男子、知的障害

指導者の役割と人数[HELP]指導者A:担任
指導者B:フリーの教員
以上2名
長期目標[HELP]腕に軽く触れて注意喚起を行うことができる指導
短期目標[HELP]違う方向を向いている教師の腕に手で軽く触れて注意をひき、カードを渡すことができる。(活動の選択の場面にて)
標的行動(増やしたい行動)[HELP]腕に軽く触れて注意をひき、カードを渡す
標的行動(減らしたい行動)[HELP]奇声を発する ・カードを指さす ・立ち尽くす ・周りの人や物に興味を持つ
標的行動を取り上げる意義[HELP]「着替え・排泄・食事」等の身辺自立を保護者は強く希望されており、本児にとっても最優先課題であると考えられる。肢体に障害をもつHさんにとっては、今後何らかの介助者からの助けを借りて生活するようになると考えられるが、そのサイン(援助要求・終了報告・排尿意志等)を明確に伝えることが身辺自立の為にも重要であると考える。特に、本児が一番「伝えたい」気持ちが強い場面での設定をし、伝えることで自分の好きな活動を楽しむことができるように、この目標を設定した。また、周りの家庭環境の中には、音を聞き取りにくい家族の方や大きな音で驚いてしまうような近所の子ども達がおり、音声でのボリューム調整は複雑なため、軽く腕に触れるという注意喚起の方法をとった。
 また、尿意を上手に伝えることでトイレでの排泄回数が増え、失敗も増えるため、介助者の介助も減る。
問題の推定原因[HELP]1.教師が違う方向を向いている時には、どういう風にカードを渡すか分からないから。
2.教師が何か違う活動をしているため、渡していいのかどうかわからないため
3.カードを渡す意義がわからないから
想定される解決策[HELP]1.初めは身体的支援で関わり、できたら褒める
2.指導者は後ろを向いて待つ(他の活動はやめておく)
3.カードを渡すことができたら、言語賞賛し、すぐに好きな活動ができるようにする。
般化を狙う場面[HELP]教室内での遊びの選択場面にて、違う方向を向いている教師の腕に手で軽く触れて注意をひき、カードを渡すことができる。
指導場面[HELP]なかよしタイム・西ホール
指導手続き[HELP] 児童の活動
(1)席を立つ。
(2)2種類のカードを提示している場所まで移動する。
(3)2種類の活動のカードを見る。
(4)したい方のカードを選び、取る。
(5)教師(T1)の方へ近づく。
(6)違う方向を向いている教師の腕に軽く触れる。
(7)教師(T1)が振り向いたら、カードを渡す。


・スケジュールの児童の顔写真を指差しながら、「今日の先生と遊ぶ活動を選んでくれるのは、Hさんです。」と言う。活動の選択カードが ある場所を指差し、児童と目を合わせる。「渡す人は、〜先生です」と教師T1の写真を指差しながら言う。
・「Hさん、立つ」と声かけを行い、手のひらを上に上げるジェスチャーをする。立った場合は、「そうそう」と賞賛する。
・カードを一つずつ指差して「こちょこちょとおべんとう箱の歌だよ」と言う。取る動作が出ない場合は、身体的支援を行い、手をカード のそばまで持っていく。
・教師が手を差し伸べ、T1にカードを渡せたら、賞賛を行う。
・教師(T1)は児童とは違う方向を見て立つ。教師(T2)が教師(T1)の方を指差し、「渡す」と声かけを行う。初めは、T2が身 体的支援を行い、児童と一緒にT1の教師の手に2度軽く触れ、T1の注目を促しカードを渡すようにする。できるようになったら、支援を減らし、「手に触れる」と声かけを行う。できた場合は、「そう そう、上手だね。わかりました。(こちょこちょまたは、おべんとう箱の歌)をします。」という。
利用可能な好子[HELP]・「上手に渡せたね」の声かけ
・笑顔
・カードを渡せた後の好きな活動(こちょこちょ・いとまきまきの手遊び)
教材教具など[HELP]・活動の選択カード2枚、教師の写真カード(T1)、児童の写真カード、スケジュール
記録の取り方[HELP]教師のプロンプト(声かけ・身体支援)がなく自発的にできたら2点、プロンプト(声かけ)が必要であった場合は1点、身体的支援でできた場合は0点とした。

指導期間と達成基準[HELP]・声かけと指さし支援で、連続3日できた場合は達成とする。

FILE 236_226_1.ppt
記入日時 2011/12/31/16:11:49

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