201213



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事例担当者のイニシャル[HELP]
事例研究のタイトル[HELP]具体物提示スケジュールで,朝の活動ができるための支援
対象児のプロフィール[HELP]小学部2年 男児 Cさん 知的障害
 新版K式発達検査2001:全領域1歳4ヶ月,姿勢・運動2歳,認知・適応1歳5ヶ月,言語・社会0歳10ヶ月(平成23年9月)
指導者の役割と人数[HELP]担任2名
長期目標[HELP]具体物提示のスケジュールで,活動場所に移動することができる。
短期目標[HELP]・具体物提示のスケジュールボックスの1番上にあるスケジュールを取ることができる。
・具体物提示のスケジュールを持って,朝の片付け(タオル・水筒・連絡帳)ができる。
・具体物提示のスケジュールのタンブリンを持って,音楽室に行くことができる。
指導場面[HELP]登校後
指導手続き[HELP](1) 各項目について,エラーレス指導を行う。必要に応じて,プロンプト(ことばかけ・指さし),身体的ガイダンスを行う。
(2)目的地に行き,具体物スケジュールを入れる容器に入れることができたら,賞賛してトランジションを渡す。
記録の取り方[HELP]各項目について,○(一人でできた),△(プロンプトありでできた),×(身体的ガイダンスが必要)を記録する。
指導期間と達成基準[HELP]一人でできた日が5日間連続のとき
結果[HELP]水筒置き場は,はじめは他の子どもや教員の水筒と一緒にプラスチック製のかごに入れる方法だったが,個別の水筒入れを設置することで,一人で入れることができた。プラスチック製ではなく,ダンボール製の方が水筒を入れることに集中しやすかったようだ。また,近くにあった教員の水筒を持ってカチカチと音を鳴らして持っていたことから,教員の水筒はCさんの手の届かない所に置くようにしたことも有効だった。
 タオル入れは,はじめは手洗い場の中央部分,蛇口の近くに設置していたが,スケジュールボックスから見ると,直線では行けない場所にあった。Cさんが具体物スケジュールを持って歩き出し,まず止まるのは直線で行ける「中庭出口」辺りであったため,タオル入れの位置を変更した。Cさんの動線を簡単にしたことが有効だった。また,他の子どものタオル入れとは高さを変えて,視界に入らないようにしたこともよかった。
 かばんの片付けについては,はじめはプラスチック製のかごであれば,水筒置き場と同様にカチカチと音を出して片付けることは難しいと考え,金属製のかごで指導をはじめた。しかし,金属製のかごを持つことをCさんは好まず,持つことさえしなかったため,プラスチック製のかごに変更した。変更後は,かばんを入れたかごを持つことができるようになり,スケジュールボックスの隣にある片付け場所に置くことができた。かばんが入ったかごを持つときに,好きなプラスチック製のかごにしたことで,「持つ」という意欲が出たと考えた。
 着替えエリアに行くことについては,毎回服が落ちる度に不快の感情を出していたCさんが服の入った箱を手で持って着替えエリアに行くことができるようになった。紙製の箱であったため,着替えエリアに行くまでに箱をぶつけて遊ぶことなく,行くことができた。何回か箱を持って行っているうちに,「落とさず行ける」ということが好子となって,行動が身についたと考えた。
考察[HELP]子どもの実態に応じた具体物によるスケジュールの提示方法は大変有効であった。活動で使う物をスケジュールボックスに置くと,Cさんが「次の活動」をわかっているような様子が窺えることもあった。好きな活動であれば,笑顔が見られたり,苦手な活動であればいすに座ろうとしなかったりしたからである。「次の活動」がわかるためのスケジュールは,Cさんが落ち着いて行動するために重要だと再確認できた。
 また、今回の指導では教室の環境整備についても考え直すいい機会となった。「するべき行動」を仕切りで分けたり,スケジュールボックスからの動線を考えたり,Cさんが好む感触の物を除いたりすることで,Cさんにとってわかりやすくシンプルな場所になったことは有効だった。さらに,ことばかけを必要最小限にしたこともCさんのテンションをあげすぎないことができてよかったと感じている。
 今後は、教室内だけでなく,教室外の音楽室や体育館,視聴覚室に一人で行くことができるように支援を続けていきたい。

記入日時 2013/03/11/16:42:46

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