201230



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事例担当者のイニシャル[HELP]K.M
事例研究のタイトル[HELP]小学部低学年自閉症児が、あそびの場面で中止カードに従ってあそぶ場所を選択するための支援
事例の概要[HELP]庭に出て遊ぶことが大好きなのだが、雨天時などどうしても庭に出ることが難しい場合、「だめ〜!」「じゅんばん〜」など大声をあげて30分程度泣き続ける。教師が声をかけるとさらに大声で泣き続け、興奮状態が長引く。
対象児のプロフィール[HELP]支援学校小学部1年生、男子、自閉症
S-M社会生活能力発達検査:3歳0ヶ月
身辺自立3-6、移動2-4、作業3-10、意思交換2-10、集団参加2-7、自己統制2-2

その他の特徴
・視線が合いづらい。
・行動がルーティン化しやすい。

指導者の役割と人数[HELP]指導者A:K.M(担任)
指導者B:T.K(担任)
長期目標[HELP]不測の状況下において、中止されたあそびカードを見て、1分以内にそれ以外のあそびカードを選んで教師に手渡す。
短期目標[HELP]中止された庭カードを見て、1分以内にそれ以外のあそびカードを選んで教師に手渡す。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]中止された庭カードを見て、1分以内にそれ以外のあそびカードを選んで教師に手渡す。 
標的行動(減らしたい行動)[HELP]中止された庭カードを見たとき、「じゅんばん〜!」と叫び、30分程度大声をあげて泣く。
標的行動を取り上げる意義[HELP]日常のスケジュールでの中止カードは、落ち着いて受け入れることができる。中止されたスケジュールの活動を指さし、「ありません」と言いながら次の活動に移行することができる。
本児が泣き止み、落ち着くまで見守ると声をかけるときよりも落ち着くスピードが速い。
本児が落ち着いた頃を見計らい、教師が声をかけずにタイマー音を鳴らすと、「鳴りました」とスケジュールを確認しに行くことができることもある。
般化を狙う場面[HELP]給食の場面で、おかわりが中止されたとき、「ごちそうさま」カードを取り、教師に手渡すことができる。
指導場面[HELP]あそびの時間、教室のスケジュールボード前
指導手続き[HELP]【ベースライン】
(1)中止されたあそびカードを見たとき、椅子に座るよう身体
  的ガイダンスを行う。
(2)A児が落ち着くまで、教師は少し離れた場所から見守る。
(3)泣き止み、落ち着いた頃に、トランジッションカードを無言
  で手渡す。

【介入1】
(1)A児が中止されたあそびカードを見たとき、指導者はスケジュールボード
  から2m離れた椅子に座るよう身体的ガイダンスを行う。
(2)指導者は、タイマーを1分にセットし、机上に置く。
(3)指導者は、A児から1m離れた背後から見守る。
(4)タイマーが鳴ったら、指導者はA児をスケジュールボード前に行くようガイ
  ダンスする。
(5)プロンプターがA児の背後から身体的ガイダンスを行い、PECSブックの
  あそびシートから、中止された庭カード以外のカードをとる。
(6)指導者は、A児からカードを受け取ると、5秒以内にスナック菓子を手渡
  す。
(7)A児がカードを指導者に手渡せないときは、プロンプターが背後から身体
  的ガイダンスを行う。

利用可能な好子[HELP]スナック菓子(ハッピーターン、ベビースターラーメンなど)
チョコレート菓子
教材教具など[HELP]PECSブック
庭カード
中止カード
庭以外のあそびカード(ほんのへや、ビデオコーナー、にしホール)
記録の取り方[HELP]1点:タイマーが鳴ったら、1分以内に中止された以外のあそび
   カードを自発的に選んで教師に手渡した。

0点:タイマーが鳴っても、1分以内に中止された以外のあそび
   カードを選ばない。
 
指導期間と達成基準[HELP]達成基準
2点が3回連続

中止基準
0点が5回連続
結果[HELP]【ベースライン】
●トランジッションカードを手渡すとスケジュールボードまで
  行くことができたが、庭以外のカードをとることは自発しな
  かった。

【介入1】
●初回は椅子に座って泣いてしまい、1分以内に手渡せなかった。
●指導を開始して2回目には、1分以内に自分から庭以外のカードを
  とり、指導者に手渡すことができた。
●冬期休業後初めての指導となった4回目では、中止された庭カード
  を見て泣いた。タイマーが鳴るまで椅子に座るが、指導者にカード
  を手渡すことはできなかった。
●般化場面では、中止カードを見ておかわりがないことを確認すると、
  プロンプターの指さしにより「ごちそうさま」カードを取り、指導者に手
  渡すことができた。
考察[HELP]●指導初期に、A児が中止されたあそびカードを見たとき、泣いた
  り地団駄を踏んだりした。そこで、椅子に座り、ゼロに近づいて
  いくタイマーを見ると、落ち着くまでの時間が短縮した。このこと
  から、椅子に座ることやタイマーを見ることは、カームダウンの
  方法として有効であることがわかった。

●中止されたカード以外のあそびカードを自発的にとったときに使
  用した強化子は、効果的であった。

【今後の課題】 
●A児は、生活上様々な場面においてルーティン化しやす
  い傾向があるため、中止する行動や食べ物などは意図
  的に変化させる必要がある。


現状のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
中止されたあそびカードあり

教師の声かけ「庭、ありません」

庭で遊びたい気持ちあり
30分程度泣き続ける
ご褒美なし( ↓ )
教師の声かけ「辛いね」( ↑ )
スッキリする( ↑ )
疲れる( ↓ )
庭で遊べるかもしれない期待( ↑ )
あそび時間の減少( ↓ )

解決策のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
中止されたあそびカードあり

庭で遊びたい気持ちあり
中止されたあそびカード以外のカードを選ぶ
あそびができる( ↑ )
教師の賞賛「すごいね」( ↑ )
ご褒美あり( ↑ )
教師の関わり頭をなでる( ↑ )

記入日時 2013/02/14/17:00:49

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