201307
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事例担当者のイニシャル
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O
事例研究のタイトル
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支援学校小学部4年の児童が、ドアを開けたら閉めることができるための指導
事例の概要
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教室の出入りをするとき、ドアを開け放しで閉めない。
教師の「ドア閉めてね」の声かけに応じて、閉めることができる。
対象児のプロフィール
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支援学校小学部4年
男児
知的障害 自閉症
WISC-3 IQ:75 VIQ:66 PIQ:90
ルールを提示されると、その通りに守ることができるが、字義通り受け取る傾向が強い
大きなパニックはみられないが、自分の思ったとおりに物事が進まない(例:縄跳びが跳べない、宿題プリントで100点が取れない)と、涙を浮かべ「この手が悪い」「なんでだあ!」と言って怒る。2〜3分程度で落ち着く。
指導者の役割と人数
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担任 2人
長期目標
[HELP]
ドアを開けたら閉めることができる。
短期目標
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自分の教室のドアを開けたら閉めることができる。
標的行動(増やしたい行動)
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朝登校したとき、教室のドア(引き戸)を開けた後、10秒以内に閉める
標的行動(減らしたい行動)
[HELP]
朝登校したとき、教室のドア(引き戸)を開けた後、ドアを開け放しにする
標的行動を取り上げる意義
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「ドアを開けたら閉める」ことは、社会生活を送る上でのマナーの一つ。
家庭生活や地域生活において、また中学部高等部へ進学したり卒業後の生活でも必要なマナーであるため
事例に関する情報
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・日常観察において、教室のドアを開け入室した後、自分で閉めることはほとんどない。
・一日に1〜2回程度、自分で閉めることもある。閉めるときは、移動教室の帰り、トイレに行った後など、日によって場面は異なり、一定ではない。
・教師に「ドア閉めて」と言われると、閉めることができる。言われたときはできるが、自分から閉めることにつながっていない。
・両手に荷物を持って登校することもあり、荷物を一回床においてドアを開けることもある。
・本児に続いて、友達や教師が入室することもあり、ドアを閉める必要がない場合もある。
・トイレの個室のドアやロッカーなど、開き戸は自分で閉める
・家庭では、本児が頻繁に開け閉めを必要とする引き戸はない
問題の推定原因
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1ドアを閉める意味が分からない
2本児にとって、ドアを閉めるメリットがない
3面倒くさい
4ドアが見えない
5自動で閉まると思っている
6誰かが閉めてくれる
想定される解決策
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1ドアを閉める意味を伝える
2本児にとって、ドアを閉めるメリットを伝える
3ドアを閉める行動を強化する
4ドアを開けたら後ろを向くように指導する
5自動ドアではないことを伝える
6誰も閉めない
選択した原因と解決策
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1,2,3
般化を狙う場面
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登校時以外の時間
自分の教室以外のドア(音楽室、生活室、プレイルーム、他教室)
自宅
放課後デイサービス先
親戚や友達の家
座敷タイプの個室レストラン
指導場面
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朝、登校したとき
指導手続き
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1,教師作成のソーシャルストーリー(イラスト付き)を一緒に読む
伝えるメリット
・暖房で暖まった教室が、暖かい状態を保てる
・廊下にあるトランポリンのうるさい音が遮断できる
・ドアを閉めることは、賢い4年生のマナー。これができたら先生にほめられる。朝の会でも表彰される
2,教師と一緒に「あけたらしめる」と唱えながらドアの開ける→入室する→ドアを閉めるを5回繰り返し練習する。ドアを閉めたらすぐに賞賛する。
3,言葉なしで、ドアの開ける→入室する→ドアを閉めるを3回繰り返し練習する。ドアを閉めたらすぐに賞賛する。
4,朝、登校したときドアを閉めたらすぐに賞賛する
5,20秒経過してもドアを閉めないときは、「あけたら?」と本児に問いかけ、閉めることを確認し、もう一度やり直す。ドアを閉めたらすぐに賞賛する。
利用可能な好子
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・教師の賞賛「すごい!」「まる!」「さすが!」「そう!」
・「がんばったね賞」「すごいね賞」(ラミネートしたカード)
・DS、WII等のゲーム
・レゴ等のブロック遊び
教材教具など
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・教師作成のソーシャルストーリー
記録の取り方
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指導場面
ドアを開けて10秒以内に、自主的に閉めることができたら1点
ドアを開けて20秒以内に、自主的に閉めることができたら0.5点
ドアを開けて20秒経過してもドアを閉めず、バックステップ修正でドアを閉めたら0点
般化場面
お手伝い活動(出席調べ)から帰ってきた時
指導期間と達成基準
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指導期間
2013/12/2〜2013/12/6ベースライン期
2013/12/9に指導の手続き1〜3を行う
2013/12/10〜指導の手続き4、5を行う
達成基準
1点が連続5日間続いた場合
中止改善基準
0点が3日間連続して続いた場合
結果
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1,指導手続き1終了後、選択肢(はい・いいえ・わからない)に○をつける形で本児から聞き取りをした。
「なぜドアを閉めるか分かった」に対して「はい」に○がついた
「ドアを閉める理由をしらなかった」に対して「はい」に○がついた
「これからドアを閉めてみようと思う」に対して「はい」に○がついた
2,両手に荷物を持ち登校した日は、ドアを開け入室した後、ドアを閉めずに荷物を自分の机に置きに行き、その後戻ってドアを閉めたため、10秒以内に閉めることができなかった。
3,般化場面では、5日間連続して○がついた。
考察
[HELP]
「開けたドアを閉める意味やメリットを本児に伝えた」こと、また、「開けたら閉めるという行動連鎖を繰り返し練習し、閉めるという行動が見られた時にすぐに強化する」ことの2点を指導した結果、登校時に教室のドアを開けたら閉めるという行動を増やすことができた。
指導の手続き1終了後の聞き取りによると、本児は、ドアを閉める理由やメリットを知らなかったために、入室の際にドアを開け放しにしていたと考えられる。
また、般化場面以外の場面(休み時間、他教室から戻ってきたとき)にも、ドアを閉める行動が見られた。しかし、本児に続いて入退室する人がいる場合など、場合と状況によってドアを閉めなくても良い場面もあり、指導を続ける必要もある。
両手に荷物を持っている時など、入室した後先に荷物を机上に置いてから戻ってドアを閉める様子が観察され、「10秒以内に」という標的行動の設定が現状にあっていない場面も見受けられたため、今後改善していく。
記入日時
2014/02/01/06:53:01
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