200704



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事例研究のタイトル[HELP]小学部中学年の知的障害児に対する登校時自ら教室に入るための支援
標的行動(増やしたい行動)[HELP]登校時、教室の入口の内側にある足形の上に立つ
指導場面[HELP]朝の登校時、教室
教員は入口から離れた位置にいて、教室の扉は開いている状態にしておく。
指導手続き[HELP]1.教室の入口(室内)に足形を貼り、その周りを青いテープで囲み、立ち位置を示す。
【指導開始日のみ】
 Cさんが登校後、教室入口の内側にある足形の上に立つモデリングを行う。
【指導開始2日目以降】
 (1)Cさんが登校後、入口近くに来て30秒待っても立ち位置に立たず、担任のことばかけを待っているようであれば、指さしのプロンプトを出す。さらに30秒待っても立ち位置に立たなければ「教室まで来たら、はじめにここに立ちます」などのことばかけを出す。
 (2)自ら立ち位置に立つことができたら、「花まる!OK!」と賞賛するとともに、ホワイトボートに好きなシールを貼り、『一日の約束カード』にもシールを貼るようにする。一日の約束カードの他の約束と合わせて、6枚シールが貯まったら、その日の放課後エレベーターに乗って先生の手伝いができるようにする。
記録の取り方[HELP]自発的に正反応が出た・・・○
プロンプト(指さしやことばかけ)が必要だった・・・△
立つことができなかった・・・×
指導期間と達成基準[HELP]指導期間 2007/12/4〜12/7
プロンプトなしで教室入口の内側にある足形の上に立つ正反応が3日間連続したら達成とする。
結果[HELP]指導初日にモデリングを行うと、2日目より3日連続正反応が見られ、達成することができた。
考察[HELP]指導前は、入口の前に立つまでに時間がかかっていたのだが、最初のステップ『入口の足形の上に立つ』をクリアできたため、足形が教室内に入っても抵抗感が少なかったように考えられる。

登校時、教室の外で担任のことばかけを待っている
A:先行条件 B:行動 C:結果
登校時 教室の近くに立っている シールをもらえない(↓)
担任が注目してくれない(↓)

登校時、教室の入口の内側にある足形の上に立つ
A:先行条件 B:行動 C:結果
登校時 教室内にある足形の上に立つ シールがもらえる(↑)
ほめられる(↑)
担任が注目してくれる(↑)


登校時教室入口の内側の足形の上に立つ

データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/12/03/14:48:18

事例担当者のイニシャル[HELP]M.K M.M
事例研究のタイトル[HELP]小学部中学年の知的障害児に対する登校時に自ら教室に入るための支援
事例の概要[HELP]登校時、自ら教室に入らず、教室の扉の前でウロウロしたり座り込んだり、扉の窓から教室内の様子をうかがったりして、それに気づいた担任から「おはよう」と声をかけてもらったり、反応してもらうのを待っている。他のクラスの教員が声をかけても、挨拶は返すがそれをきっかけにして教室に入るということはなく、担任のことばかけがないと教室に入ることができない。
担任が声をかけないで、その時間が延びると気持ちが不安定になったり、その不安定さを一日中引きずってしまう場合がある。
最近は、気持ちの切り替えができるようになり、長々と不安定さを引きずることは少なくなったが、担任のことばかけや合図(手招きや指さし等)がなければ、自ら教室に入ってくることはない。
対象児のプロフィール[HELP]Cさん、小学部3年生、女子、知的障害
新版K式発達検査:4歳7ヶ月(2007.11実施)

その他の特徴:
・初めての場所や活動、急な予定変更に苦手意識がある
・行事の時など、個人用スケジュールを携帯することで活動に見通しを持つことができ、落ち着いて参加することができる
・子ども同士の関わりよりも、大人(担任)との関わりを持ちたいという気持ちが強い
指導者の役割と人数[HELP]担任2名
長期目標[HELP]登校時、自ら教室に入ることができる
短期目標[HELP]登校時、教室の入口の内側にある足形の上に立つ
標的行動(増やしたい行動)[HELP]登校時、担任のことばかけがなくても教室の入口の足形の上に立つ
標的行動(減らしたい行動)[HELP]登校時、教室の外で担任のことばかけを待っている
標的行動を取り上げる意義[HELP]登校時に担任のことばかけが無いと教室に入れず、その待ち時間が長くなればなるほど不安定になりやすく、その日一日の学校生活において影響を及ぼす場合があるため。

事例に関する情報[HELP]年度当初は、教室の前まで来ても廊下に座り込んでいたりして、担任もCさんが登校していることに気づくのが遅れたりしていた。
夏休み前後より扉の窓から室内を覗いたり、扉の陰から頭や顔半分をチラチラ見せたりと、担任が見つけやすい場所で待つようになった。
また、以前はCさんが待っている所まで担任が行き「おはよう」とことばかけしなければ移動できなかったが、現在は窓から覗いているCさんと目が合った時に担任が指で入口の方向を指さしたり、扉付近で頭が見え隠れしている時には「入口の前に来てください」とのことばかけをしたりすると、入口までは移動できるようになってきている。
しかし、その後も教室内に入るために、「中に入ってきてください」とのことばかけが必要なときもある。
Cさんが登校してきた時、偶然担任が二人とも教室にいなかった場合も、教室に入らず入口付近から室内を覗きながら、担任が教室に戻るのを待っている。
問題の推定原因[HELP]1.担任に注目してほしい
2.パターン化
想定される解決策[HELP]1.教室に入ってから朝の会がはじまるまでの時間帯に、賞賛される場面をつくる。
2.1を解消し、持続することによって必然的に解消していく。
選択した原因と解決策[HELP]原因1.担任に注目してほしい。
解決策1.教室に入ってから朝の会がはじまるまでの時間帯に、賞賛される場面をつくる。
般化を狙う場面[HELP]登校時、担任とは別の教員が教室にいた場合
指導場面[HELP]朝の登校時、教室
教員は入口から離れた教室内にいて、教室の扉は開いている状態にしておく
指導手続き[HELP]〈指導手続き1〉
1.教室の入口(廊下側)に足形を貼り、その周りを青いテープで囲み、立ち位置を示す。
【指導開始日のみ】
 Cさんが登校後、足形の上に立つモデリングを行う。
【指導開始2日目以降】
 (1)Cさんが登校後、入り口近くに来て30秒間待っても立ち位置に立たず、担任のことばかけを待っているようであれば、指さしのプロンプトを出す。さらに30秒待っても立ち位置に立たなければ「教室まで来たら、はじめにここに立ちます」などのことばかけをする。
 (2)自ら立ち位置に立つことができたら、「花まる!OK!」と賞賛するとともに好きなシールを渡し、ホワイトボードに貼るようにする。

〈指導手続き2〉
【指導開始9日目以降】
 昨年度より続けているトークンエコノミーシステム(一日の約束カード)の項目に「朝、教室まで来たら足形の上に立つ」を加え、自ら立つことができたら約束カードにシールを貼るようにする。他の約束と合わせて、決まった数(6枚)シールが貯まれば、その日の放課後エレベーターに乗って先生の手伝いができるようにする。
 



 

利用可能な好子[HELP]好きなシール、花まる、賞賛のことば、担任と1対1の時間、エレベーターで先生の手伝い
教材教具など[HELP]青いビニールテープ、足形、青いシール、ホワイトボード、約束カード
記録の取り方[HELP]自発的に正反応が出た・・・○
プロンプト(指さしやことばかけ)が必要だった・・・△
立つことができなかった・・・×      

指導期間と達成基準[HELP]ベースライン:3日間
指導期間:2007/11/12〜2007/12/3
達成基準:プロンプト無しで3日間連続してできたら達成とする。


※プロンプトなしで3日間連続してできたら、立ち位置の印を教室入口の教室内へ移動させる。

結果[HELP]指導3日目に一度は正反応が見られたものの、その後、誤反応が続いたため、9日目からは指導手続き2に変更した。9日目からは、3日連続正反応が見られ、達成することができた。
考察[HELP]最初に設定していたご褒美シールがCさんにとって強い好子にはならず、正反応を引き出すことがなかなかできなかった。9日目より、昨年度より続けているトークンエコノミー(一日の約束カード)の項目に「登校したら、足形の上に立つ」を加えることで、3日連続正反応が見られた。いつも取り組んでいる一日の約束カードに組み込んだことが、Cさんにとって、より分かりやすかったのではないかと思われる。

登校時、教室の外で担任のことばかけを待っている
A:先行条件 B:行動 C:結果
登校時
担任が他の児童と関わっている

教室の近くに立っている 担任が近づいてきてくれる(↑)
担任が話しかけてくれる(↑)
担任が注目してくれる(↑)

登校時、担任のことばかけがなくても教室の入口の足形の上に立つ
A:先行条件 B:行動 C:結果
登校時
担任が教室にいるとき
教室の入口に立つ シールをもらえる(↑)
ほめられる(↑)
担任が注目してくれる(↑)


登校時教室の入口の足形の上に立つ

データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/10/16/18:17:26

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