200706



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事例担当者のイニシャル[HELP]S・I
事例研究のタイトル[HELP]トラジションカードを持って決められた場所にカードを入れることができる。
事例の概要[HELP] 一日の活動において教室の移動や、休み時間の遊び等で自発的な行動がほとんど見られず、クラスの友だちの後について行っている。自分から遊びカード(お散歩カー)をたたいて遊びを要求することがあるが、友だちが一緒でないと教員が「行くで?」と誘っても行くことができない。また、好きな友だちのいるクラスと同じ活動をする授業が終わって教室に帰る時には、クラスの友だちと一緒に帰って来ることができず、行動が遅れてしまうことがある。
 そこでEさんがスケジュールを利用し、自主的に行動できるようになるための初歩段階として、トラジションカードが使えるようになって欲しい。



対象児のプロフィール[HELP]Eさん。小4、女児。知的障害。
K式:1歳8ヶ月。(2007年3月実施)
その他の特徴
・発語なし。
・特定の好きな友だちがいる。
指導者の役割と人数[HELP]学級担任2名。
長期目標[HELP]・学校生活の活動の流れを、スケジュールを見て活動することができる。
短期目標[HELP]・トラジションカードを持って決められた場所にカードを入れることができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]トラジションカードを持って決められた場所にカードを入れることができる。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]友だちの後を追う。
標的行動を取り上げる意義[HELP]・トラジションカードや、具体物のカードを手がかりにすることによって、自発的な行動を促し友だちの後を追う行動を減らす。
事例に関する情報[HELP]・トイレカードを手渡すと、トイレに行くことができる。
・自分のスケジュール表は利用しておらず、次の活動の具体物や友だちの動きを見て次の活動が何かを知ることができている。
・場所を移動する時は、友だちと手をつないだり、後を付いて行っている。
・一人になると知っている人を探し、付いていく。
・身近な友だちの顔写真のカードや、お散歩カー、トイレのカードの理解はできている。
・好きな友だちのいる教室へは、一人で行くことができる。
問題の推定原因[HELP]1、次の活動が分からないから。
2、一人で行くのは不安だから。
3、友だちの動きが気になるから。
4、一緒に行きたい教員や友だちがいるから。

想定される解決策[HELP]1、具体物の写真カードを手渡して、次の活動の手がかりが得られるようにする。
2、短い距離から少しずつ一人で移動できる距離を延ばしていく。
3、いつも後追いしている友だちが視界に入らないようにする。
4、
選択した原因と解決策[HELP](原因)
1、次の活動が分からないから。

(解決策)
1、具体物の写真カードを手渡して、次の活動の手がかりが得られるようにする。
般化を狙う場面[HELP]1日の学校生活 家庭用スケジュール
指導場面[HELP]登校後、トイレに行き手を洗った後。
指導手続き[HELP]指導手続き1

登校後、トイレに行き手を洗った後、教員1がトラジションカードを手渡す。
「指導開始日のみ」
トラジションカードを手渡し、スケジュールの横に設置してある箱にカードを入れるように身体的ガイダンスを行いながら話をする。
「指導開始2日目以降」
 トラジションカードを手渡した後、5秒待ち、Eさんがカードを入れに行かなければ、ことばかけと指さしにより、行動を促す。それでも行けない場合は、教員が後方から身体的ガイダンスを行う。
利用可能な好子[HELP]遊び 好きな友だち おかし 褒め言葉 拍手 
教材教具など[HELP]トラジションカード カード入れ
記録の取り方[HELP]プロンプトの合計点数を記録する。
プロンプトが必要だった時・・・1点
プロンプトなし     ・・・0点

指導期間と達成基準[HELP]1日の合計点数が0点となる日が3日連続で達成とする。
結果[HELP]指導開始後2日目から3日間で達成した。
考察[HELP] トラジションカードを持ってスケジュールのある場所に戻ることができた。9月から、登校後に児童玄関の下駄箱に教室の写真カードを張っておき、そのカードを持って教室まで一人で行くことを目標として指導していたのでカードを持って移動することは本児にとって入りやすい活動であったと思われる。また、移動距離も短く外部の刺激が少ないので達成しやすかったのではないか。


データとグラフ:第一系列のタイトル: トラジションカードを持ってトイレからスケジュールに戻る
Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/10/12/17:19:15

事例担当者のイニシャル[HELP]S・I
事例研究のタイトル[HELP]スケジュールカードを取って、カードに示された活動をすることができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]スケジュールカードを取って、カードに示された活動をする。
指導手続き[HELP]指導手続き2
スケジュールには上から「トイレ」「遊び」カードを貼っておく。

着替え・片付けの後、教員1がトラジションカードを手渡し、スケジュールの一番上に貼ってあるトイレカードを取るように指さしをする。5秒待っても取らなかったり、違うカードを取ろうとしたときは、身体的ガイダンスをし、正しいカードを取れるようにする。トイレカードを取りトイレに行った後、トラジションカードを手渡す。手渡した後、5秒待ち、Eさんがスケジュールに戻らなければ、ことばかけと指さしにより、行動を促す。それでも戻らない場合は、教員が後方から身体的ガイダンスを行う。スケジュールに戻りカードを入れた後、遊びカードを取るように指さす。5秒待っても取らなかったときは、身体的ガイダンスを行い取れるようにする。次に遊びカードを決められた場所に入れるように指さしをする。カードを入れると遊びに行くことができる。
利用可能な好子[HELP]遊び 好きな友だち
教材教具など[HELP]トラジションカード
スケジュールカード
スケジュールボード
記録の取り方[HELP]プロンプトの合計点数を記録する。
プロンプトが必要だった時・・・1点
プロンプトなし     ・・・0点
指導期間と達成基準[HELP]プロンプトの合計点数が0点となる日が3日連続で達成とする。
結果[HELP] 指導手続き2開始後、クラスの友だちの影響により身体的ガイダンスが必要な日が続いたので、できるだけ刺激を減らすために教室内に教員と二人のみになるようにすると、すぐに達成することができた。
考察[HELP] スケジュールカードを取って次の活動をすることができた。トラジションカードを渡すとスケジュールを設置してある場所に戻るという行動は指導手続き1によりパターン化されていたが、その行動自体に飽きてきたのか逸脱行動をとる日が1日あった。また、スケジュールカードを取って次の行動ができるようになるのに4日かかったが、Eさんはクラスの友だちの動きを目で追ったり、教員の注目が得たいために友だちに関わっていったりするので、教室内に教員と二人のみになるようにするとスムーズに行えた。今後は友だちがいてもトラジションカードやスケジュールカードが使えるように指導を続けていきたい。


データとグラフ:第一系列のタイトル: スケジュールカードを取ってそのカードに示された活動をする
Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/11/12/14:09:49

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