200707



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事例担当者のイニシャル[HELP]M.K.
事例研究のタイトル[HELP]小学部中学年の自閉症児が保健室に「しつれいします」と言ってから入るための指導
事例の概要[HELP]体重管理のため、現在週1回保健室で体重を測っている。保健室に入るとき「しつれいします」と言わずに入ってしまう。
対象児のプロフィール[HELP]小学4年生 男子 自閉症 PEP-R発達検査:3歳8ヶ月(H18.12)
指導者の役割と人数[HELP]学級担任2名
長期目標[HELP]保健室に限らず,他の教室に入る前に「しつれいします」と言ってから入ることができる。
短期目標[HELP]保健室に入る前にドアに貼られている「しつれいします」カードを手がかりに、「しつれいします」と言ってから入ることができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]保健室に入る前に「しつれいします」と言う
標的行動を取り上げる意義[HELP]礼儀、規範意識などのソーシャルスキルの獲得につながると考えている。
問題の推定原因[HELP]保健室に入る前に「しつれいします」と発言するという習慣がない(意識がない)。保健室に入る前に何を言って良いのかわからない。何も発言しなくても保健室には入ることができる。
想定される解決策[HELP]保健室前の扉に絵と文字で発言するべき内容を提示しておく。
選択した原因と解決策[HELP]保健室に入る前に何を言って良いのかわからない。→保健室前の扉に絵と文字で発言するべき内容を提示しておく。
般化を狙う場面[HELP]隣の教室に入る前
指導場面[HELP]月水金の朝の着替え終了後、保健室に行ったとき
指導手続き[HELP]【指導開始日のみ】
・教員が保健室の扉の前に立ち,「しつれいします」と言ってからドアを開けて入るモデリングを示す。
【指導開始2日目以降】
1.「しつれいします」と言わずに入室しようとした場合,教員がFさんを制止する。
2.教員がドアに貼られたカードを指さす。
3.それでも言わない場合は,カードに書かれた「はいるまえに・・・」という文字を教員が読み,次に書かれた「しつれいします」ということばをFさんが言えるように促す。
4.それでも言わない場合は,教員が「しつれいします」と言ってモデリングを示す。
5.できたときはすぐにほめる。
利用可能な好子[HELP]ほめことば
教材教具など[HELP]「しつれいします」と書かれた掲示物(絵付き)
記録の取り方[HELP] 自発的に正反応が起こるまでに必要だったプロンプトの種類によって点数分けをし、記録する。

 ・プロンプトなしで正反応が起きた…5点
 ・掲示物に注目できるよう、ドアの前で児童を制止するプロンプトが必要だった…4点
 ・正反応が起こるまでに掲示物への指さしが必要だった…3点
 ・正反応が起こるまでに掲示物への指さしとことばかけが必要だった…2点
 ・正反応が起こるまでに掲示物への指さしとことばかけ、教員のモデリングが必要であった…1点
 ・正反応がみられなかった…0点
指導期間と達成基準[HELP]指導開始:10/22から

達成基準:プロンプトなしで保健室に入ることができた日が4日続いたら達成とする
結果[HELP] 指導開始後6回目で目標とする行動が現れた。そのまま目標達成すると思われたが,11月7日に4点を記録する。これは,たまたま保健室のドアが開いていたため,教員が扉を閉める間児童を制止させる必要があったからである。それ以降は順調に目標とする行動を継続させ,指導目標を達成することができた。再び11月26日・28日に4点を記録したが,これは月曜が祭日と重なり保健室を利用する間隔があいたため,入り方を忘れていたからであると考えられる。11月30日以降は,ずっと目標とする行動を継続している。
考察[HELP] 保健室に入るときの指導に関しては,順調に目標を達成することができた。これは,ドアに「しつれいします」と書かれたカードが貼ってあり,保健室に入るには必ずドアに手をかける必要があるため,分かりやすかったからであると思われる。
 次のステップとしては,給食前の時間に隣の教室に入る前,「しつれいします」と言ってから入室するという指導を考えている。普通教室の場合は,常にドアが閉まっているとは限らず、入ろうとする時間も決まっていないため,保健室に比べて条件が整いにくいという難点がある。しかし、隣の教室に限らずその他の教室でも,入室前に自ら「しつれいします」と言えるときがあることなどから、この挨拶がFさんの中で定着しつつあると考えられる。今後,よく利用する教室の教員と指導に対する共通理解を図り,長期の目標が達成できるよう支援を行っていこうと考えている。                 

指導前
A:先行条件 B:行動 C:結果
保健室のドアを開けるとき 黙って開ける 保健室に入ることができる(↑)

指導時1
A:先行条件 B:行動 C:結果
  「しつれいします」と言ってから開ける 保健室に入ることができる(↑)
褒めことば(↑)

指導時2
A:先行条件 B:行動 C:結果
保健室のドアを開けるとき
「しつれいします」と書かれたカード
黙って開ける 教員に制止される(↓)
教員から注意される(↓)


データとグラフ:第一系列のタイトル: 正反応が起こるまでに必要だったプロンプトの点数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/10/18/17:14:33

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