200801



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事例担当者のイニシャル[HELP]Kure
事例研究のタイトル[HELP]学級の友達と1列に並び、指定された順番で移動するための指導
事例の概要[HELP]教室から食堂や体育館等に移動する際、走って行ったり、または遅れがちになったりすることがある。そこで、学級では、写真カードを使った順番ボードで学級5名の順番を示し、縦1列に並んで教室移動をするようにしている。しかし、本児は前の友達を追い抜いてしまうことが多い。そこで、直前の児童と本児とを視覚的に示した「パート順番ボード」を手元に持って移動することによって自分の順番を理解し、順番を守って移動することができるようにしたい。
対象児のプロフィール[HELP]小学部5年生、男児、自閉症、知的障害
S-M社会生活能力検査3歳11ヶ月
指導者の役割と人数[HELP]指導者A(担任)
指導者B(担任)
長期目標[HELP]学級の友達と1列に並んで教室移動する際、順番を守って移動することができる。
短期目標[HELP]教室から食堂まで、または教室から体育館まで移動する際、学級の友達と縦1列に並び、順番を守って移動することができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]指定された順番で教室移動をすること。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]直前の児童を追い抜くこと。
標的行動を取り上げる意義[HELP]本児は、学校内外に関わらず、気になる事物があると周りの状況を見ずに走り出すことがある。
実際に、教室や廊下で人や物にぶつかることがよくあるが、本児はその事に対して危機感を持っていないようである。一般道路でも同様の課題があり、一定のペースで歩いて移動することは本児の大きな目標である。
そこで、まずは「廊下を歩いて移動する」ことを、視覚的な目安のある状況で定着させたいと考えている。
事例に関する情報[HELP]学級では、写真カードを使った順番ボードで学級5名の順番を示し、縦1列に並んで教室移動をするようにしている。順番は毎回変わり、準備ができた児童から順に並ぶように示すことが多い。
並ぶ際は、教師が順番ボードを提示して呼名する。順番を待つ間に本児は順番ボードを一見しており、呼名されると出てくる。壁際に1列に並ぶことができる。
移動が始まると、追い抜いたり遅れたりするようになる。
食堂までの経路途中に、手の消毒を行う場があり、並んだ順に一人ずつ消毒をし、校舎を出る扉で再度並び直して、再び食堂に向かう。
問題の推定原因[HELP]1 移動中、順番ボードが提示されていないから。
2 直前の児童を把握していないから。
3 順番ボードが本児から離れた位置にあるから。
4 直前の児童の歩く速度が遅いから。
5 移動の行き先を理解しているから。
6 空腹であるから。
想定される解決策[HELP]1 移動中、順番ボードを携帯する。
2 直前の児童を示す「パート順番ボード」を提示する。
1,2 移動中、直前の児童を示す「パート順番ボード」を携帯する。
3 順番ボードを本児の近い距離で提示する。
4 歩くスピードが一定で速い児童を本児の前にする。
5 行き先を明確にせず移動する。
6 移動の前におやつの時間を設定する。

選択した原因と解決策[HELP]問題1 移動中、順番ボードが提示されていないから。
問題2 直前の児童を把握していないから。
解決策1,2 移動中、直前の児童を示す「パート順番ボード」を携帯する。
般化を狙う場面[HELP]教室から体育館や保健室へ移動する場面。
指導場面[HELP]教室から食堂へ移動する場面。
指導手続き[HELP]1.本児の手洗いが済むと、教師が「パート順番ボード」(直前の児童をB児に固定)を本児に手渡し、首から提げるようにする。
2.全員の手洗いが済むと、5人分の順番ボードを提示し、並ぶ順に教師が呼名する。
3.1列に並び、歩いて食堂へ移動する。直前の児童を追い抜くことがあれば、教師が「パート順番ボード」を指さしプロンプト。それでも指定された順に戻らない場合は、声かけ→教師が手で静止を表す、というようにプロンプトを変える。
4.手の消毒後、校舎外に出る扉で再度並ぶ。自発的に指定された順番に並ぶことができたら言語賞賛を行う。自発的に並ばない場合は、「パート順番ボード」を指さしプロンプト。
  
利用可能な好子[HELP]言語賞賛
教材教具など[HELP]直前の児童と本児の顔写真カードを縦に並べて順番を示したカード。
指導期間と達成基準[HELP]ベースライン:2008/11/11〜2008/11/21
指導期間:2008/11/27〜
達成基準:正反応が5回連続

A:先行条件 B:行動 C:結果
・移動前に学級5人分の順番ボード提示。
・順番ボードは本児から離れた距離。
・本児の順番が2番以降。
・自分の直前の児童を把握していない。
・直前の児童の歩く速度が遅い。
・移動の行き先を理解している。
・給食前。
・空腹である。
直前の友達を追い抜く。 ・早く食堂に着く。(↑)
・早く手の消毒をすることができる。(↑)
・早く給食を見ることができる。(↑)
・教師からの制止。(↓)
・教師からの制止により移動が遅れる。(↓)

A:先行条件 B:行動 C:結果
・移動前に学級5人分の順番ボード提示。
・順番ボードは本児から離れた距離。
・本児の順番が1番。
・直前の児童の歩く速度が速い。
指定された順番で移動する。 ・教師からの賞賛。(↑)
・教師の制止なし(↑)
・手の消毒の待ち時間。(↓)
・食堂に着くのが遅くなる。(↓)
・給食を見ることが遅くなる。(↓)

記入日時 2008/10/22/17:33:53

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