200812
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事例担当者のイニシャル
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NK TM SM
事例研究のタイトル
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小学部低学年の重複障害児が一人でできることを増やすための支援
事例の概要
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身体的動作に制限がある本児は、学習場面や日常生活場面で移動や日常生活動作において介助される場面が多い。しかし最近では自力での車椅子移動やお手伝い活動に積極性が見られるようになってきており、日常生活動作の習得や自立のためのスキルの習得に向けての指導が重要になってきている。
対象児のプロフィール
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養護学校小学部2年、女子、両上肢機能障害、移動機能障害
太田のstage 3−2(H19.9)
新版K式発達検査 姿勢・運動 6ヶ月
認知・適応 3歳2ヶ月
言語・社会 3歳2ヶ月
全領域 2歳6ヶ月(H19.11)
指導者の役割と人数
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指導者A:NK(担任)
指導者B:TM(担任)
指導者C:SM(担任)
以上3名
長期目標
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数種類の日常生活動作やお手伝い活動が一人でできる。
短期目標
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2〜3種類の日常生活動作やお手伝い活動が一人でできる。
標的行動(増やしたい行動)
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牛乳パックを回収ボックスに入れる活動を一人ですることができる。
標的行動を取り上げる意義
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自発的な行動を促すため
事例に関する情報
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車椅子での移動はゆっくりと一人で行うことができ、屋内等ではできるだけ移動する機会をつくっている。方向転換や幅寄せは難しく、ブレーキ操作は時間がかかっている。言葉でのコミュニケーションができるため、困難な時には近くの教員に助けを求めることができる。かごの取り外しが、まだまだ未熟である。朝の会の時間割である程度見通しをもって学校生活を送っているが、スケジュールは、まだ使用したことがない。姿勢保持が難しく、細かい動作もかなり困難であるため、活動にも指示待ちが多く、介助される場面が大変多い。
問題の推定原因
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1 動作が未習得である。
2 介助に頼ることが多い。
想定される解決策
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1 できる動作をスモールステップで増やしていく。
選択した原因と解決策
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(原因)
介助に頼ることが多い。
(解決策)
できる動作をスモールステップで増やしていく。
般化を狙う場面
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学校生活全般
指導場面
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登校後、教室に入った時
指導手続き
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指導手続き1
スケジュールボードに「回収ボックス」カードを貼っておく。
(指導開始日のみ)
スケジュールボードを見て、仕事を確認させ、終わったらスケジュールボードの下の箱にカードを入れるように説明する。
(指導開始2日目以降)
教室に到着後、1分待ち、Sさんがスケジュールの確認を行わなければ、ことばかけにより行動を促す。
1.スケジュールを確認する。
2.かごを置いた机まで移動する。
3.かごを車椅子にかける。
4.方向を変えて回収ボックスまで移動する。
5.かごをはずす。
6.牛乳パックを回収ボックスに入れる。
7.かごを車椅子にかける。
8.方向を変えて移動する。
9.スケジュールカードをはずす。
10.かごを机に戻して「できました」の報告をする。
〈指導変更後〉
1.スケジュールを確認する。
2.かごを置いた机まで移動する。
3.かごの紐を首にかける。
4.方向を変えて回収ボックスまで移動する。
5.牛乳パックを回収ボックスに入れる。
6.方向を変えて移動する。
7.スケジュールカードをはずす。
8.かごを机に戻して「できました」の報告をする。
利用可能な好子
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褒め言葉 お手伝い活動
教材教具など
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スケジュールボード・カード カードいれ 牛乳パックが入ったかご 回収ボックス
記録の取り方
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行動を各項目についてことばかけや介助が必要であったかどうかを得点化し記録する。
ことばかけや介助なし…1点
ことばかけや介助が必要だった時…0点
指導期間と達成基準
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合計点数が10点となる日が3日連続で達成とする。
(指導変更後)
合計点数が8点となる日が3日連続で達成とする。
結果
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はじめは自分からお手伝い活動にとりかかることが難しく、ことばかけが必要であったが、5日目から取りかかれるようになった。しかし、かごを車椅子にかけた後で車椅子での移動中に机や自分の腕に接触してかごを落とすことが多くなったため、かごに紐を付けその紐を首にかける方法に変更した。さらに移動中にぼんやりして活動を停止する場面が増えてきたため、活動が途中で停止した時ことばかけを出すように変更した。またかごかけの変更によりかごの取り外しの項目が減ったため、達成基準が8点に変更となった。変更後は移動中にかごを落とすことが少なくなったが、2、3日に1度は活動の停止がみられた。しかし1つ1つの動作がスムーズに行えるようになり、少しずつ活動への自信をつけ、変更後12日目以降は活動停止がなくなり、14日目に目標を達成した。
考察
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本児は、何事も自分一人で行う経験が少なく、そのために活動に対する不安もあったが、今回の牛乳パックのお手伝い活動を通して車椅子の操作技術、かごの取り外し、牛乳パックの扱いなどの動作が習得できたことが大きな自信となり、がんばりを褒められることが活動への励みとなったようだ。また、活動時間が登校時間と重なり、玄関周辺にはたくさんの児童生徒いたため、他児の動きに気をとられてぼんやりしたり他児が通り過ぎるまで何分間も待つことが増えて本児の活動が停止することが多くなったが、一緒に状況を考えることにより、今自分が何をすべきなのかを思い出したり、道をゆずるために待つ時や待たなくていい時の状況判断もできるようになったと考えられる。そしてこれら1つ1つの活動が一連のスムーズな活動5分程度で牛乳パックのお手伝いができるようになった。
データとグラフ:第一系列のタイトル: 牛乳パックの係活動
baseline: ベースライン inbitation1: 指導手続き1
データとグラフ:第二系列のタイトル: 牛乳パックの係活動
baseline: 指導手続き1(指導変更後) inbitation1:
記入日時
2008/11/06/17:25:28
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