200817
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事例担当者のイニシャル
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I . N. O
事例研究のタイトル
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時間内にTシャツを着ることができる。
事例の概要
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着替えコーナーで脱いだ服を投げることがある。
投げた後の友達や教員の反応が楽しく、どんどんエスカレートしていくことがある。
また、前後を間違えたときなど、教員がやり直すように指示をすると注目行動が起きる。
関わる教員の指示の仕方によっては、注目行動がエスカレートしていく。
対象児のプロフィール
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●高等部1年 男子 知的障害
●S−M社会生活能力検査 3歳3ヶ月
●その他の特徴
人とのかかわりを好むが、人の注目を得るためにいたずらをすることが多い。
指導者の役割と人数
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担任3名
長期目標
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一人で上衣を着ることができる。
短期目標
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学校での着替え時、登校してきた服を脱いでTシャツを一人で着ることができる。
標的行動(増やしたい行動)
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学校での朝の着替え時、前後を間違えずにTシャツを着ることができる
標的行動(減らしたい行動)
[HELP]
学校での朝の着替え時、前後を間違えてTシャツを着る
標的行動を取り上げる意義
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1.卒業後の生活を見据えて、一人で着替えができるようになることが必要
2.着替えが一人でできるようになれば、着替え時の注目行動を減らすことができる。
事例に関する情報
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●日常観察
学校での着替え時、着替えコーナーに入ると一人で服を脱ぐが、脱いだ服を投げ、教員の反応を見ることがある。
服を脱いだ後、次に着る服を教員が手渡してくれるのを待っている。
教員に着せてもらおうとして、両手をあげて服をかぶる(服にもぐりこむ)姿勢をとる。
Tシャツを手渡すと、一人で着るが前後を間違えることがある。
問題の推定原因
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1.着替えをしても良いことがないから
2.待っていれば、先生が手伝ってくれるから
3.前後を間違えて着ても気にならない
4.Tシャツの前後が分からない
想定される解決策
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1.着替え中に、好子が現れる
2.着替えを始めたら、すぐに教員がプロンプトを行う
3.襟付きのシャツを着せる
4.前後が分かるように印をつける
選択した原因と解決策
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1.2.3.
般化を狙う場面
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家庭での着替え時
作業学習前後の着替え時
就業体験先での着替え時
指導場面
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朝、教室の着替えコーナーで、登校時に着ていた服から校内服に着替えるとき
指導手続き
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1.着替えコーナーに教員が一緒に入る
2.靴を脱ぐように指さしする
3.ズボンを脱ぐように指さしする
4.パンツを履き替えるように指さしする
5.ズボンをはくように指さしする
6.Tシャツを台の上に置くように後ろから身体的ガイダンスを入れる
7.対象児の後ろから身体的ガイダンスを行い、Tシャツを着せる(課題分析表の順で)
課題分析表に書かれた行動から逸脱しそうになった時に、すぐ後ろからプロンプトを行う
プロンプト無しで課題分析表にある行動が現れた場合は、即、そのつど言葉で強化する
8.着替えが終わったら言葉で賞賛し、休憩コーナーへ移動する
*1〜5について:10秒待っても指さしで行動が生起しない場合は、声かけを行う、それでもだめな場合は身体的ガイダンスを行う
*一つの行動ができたら、5秒以内に賞賛する
*指導は対象児の言動に無反応で行う。服を投げた場合は、無反応で次の行動の身体的ガイダンスを行う。
利用可能な好子
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賞賛の声かけ「やった!」「すごい!」「できた!」
記録の取り方
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指導1:プロンプトありで着替えができたら「○」プロンプトありでも着替えができなかったら「×」
指導2:課題分析表に、記入していく。それぞれの段階ごとに、プロンプトなしでできたときには「○」プロンプトが必要だったときには「×」を記入する。
また、着替えコーナーで着替え始めてから終わるまでに、問題行動があったかどうかを記入する。
問題行動がなかった「○」問題行動があった「×」
指導3:課題分析表に、記入していく。
それぞれの段階ごとに、プロンプトなしでできたときには「□」プロンプトが必要だったときには「■」を記入する。
指導4:課題分析表に、記入していく。
それぞれの段階ごとに、プロンプトなしでできたときには「□」プロンプトが必要だったときには「■」を記入する。
指導5:課題分析表に、記入していく。
それぞれの段階ごとに、プロンプトなしでできたときには「□」プロンプトが必要だったときには「■」を記入する。
指導期間と達成基準
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ベースライン:平成20年10月29日〜11月5日
指導期間:指導1 平成20年11月 6日〜14日
指導2 平成20年12月15日〜12月22日
指導3 平成21年 1月13日〜 2月5日
指導4 平成21年 2月16日〜 2月26日
指導5 平成21年 3月 2日〜 3月13日
達成基準:指導1 1分以内に、前後正しくTシャツを着ることができた日が3日間続く
指導2 課題分析表に○が一つ以上増え、連続して3日続いたとき
指導3 課題分析表に○が一つ以上増え、連続して3日続いたとき
指導4 課題分析表に○が一つ以上増え、連続して3日続いたとき
指導5 課題分析表に○が一つ以上増え、連続して3日続いたとき
結果
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指導1:ベースライン期(10月29日〜11月5日)には、すべて誤反応だった。Tシャツを投げたり前後を間違えて着る日がほとんどだった。指導1期に入ると、正反応がみられる。11月11日〜13日に続けて正反応が3日間続いたので、正反応が達成基準に達している。
指導2:13「右袖に右手を通す」について、4日間連続して□がついたので、正反応が達成基準に達している。
指導3:課題分析を見直して指導を行ったが達成基準にみたず、指導の成果が出なかった。
指導4:「服を台の上に置く」について、16〜18日の3日間について正反応が3日連続見られたため,達成基準に達している。
指導5:「左手をジャージの裾の中へ入れる」「左手を左袖に入れる」について,3/2〜3/6日で正反応が3日間以上連続して見られたため,達成基準に達している。
考察
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指導1:対象児の後ろからプロンプトを行うことによって、Tシャツを投げる問題行動も減った。また、指導を重ねることによって、首に通すまでプロンプトありで行うと、その後はプロンプトなしでTシャツを着ることができるようになった。今後、プロンプトをどのようにフェイドアウトしていくかを検討する必要がある。
指導2:プロンプトを行っていて、「裾をたくしあげる」が本人にとって難しいことがわかった。課題分析をしなおして、「裾をたくし上げる」を「裾を右手で持ち、左手を左袖に入れる」と変更して、指導3では行いたい。
指導3:□が定着した部分は「カゴから服を取る」だけだった。「台の前に立つ」で行動がとまってしまうことが多いため,立って着替えをすることをやめて、座ったまま行うように指導4では行うことにした。
指導4:「服を台の上に置く」について達成基準に達した理由として、立位から座位での着替えに変更したためと考えられる。指導5では、「裾を右手で持ち左手を左袖に入れる」についてより細かい課題分析を行い、指導する。
指導5:「裾を右手で持ち左手を左袖に入れる」について細かい課題分析を行い,3段階に分けた。すると、「裾を右手で持つ」の段階で躓いているために、その後の行動が続かないことが分かった。
FILE
80_90_1.xls
データとグラフ:第一系列のタイトル: 1分以内に前後を間違えずにTシャツを着たか
Baseline: ベースライン Intervention1: 指導手続き1
データとグラフ:第二系列のタイトル:
Baseline: ベースライン Intervention1: 指導手続き1 Intervention2: 指導手続き2 Intervention3: 指導手続き3 Intervention4: 指導手続き4
記入日時
2008/10/15/14:40:14
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