2003-18



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挙手して質問をする指導
対象児のプロフィール
A.M 自閉症

指導者
Y.M

長期目標
自分の今やるべきことに、いらない話をせず集中して取り組むことができる。

短期目標
朝の会の時、適切な場面で、自分の質問や意見を述べることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
指導目標
朝の会の時、質問コーナーまで待って、挙手して質問や発言ができる。

標的行動
朝の会の時、質問コーナーまで待って、挙手して質問や発言ができる.

標的行動を選択した理由
朝の会や授業中、気持ちが他へ散ったときや、友達に話を振られたときにはいろいろな話をしたり、質問を繰り返すために、自分ばかりでなく他の子供も集中できない状況に陥る。一日の始まりである朝の会の時、人の話を静かに聞く態度を身につけさせたい。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
指導目標に関する本児の実態
朝の会や帰りの会の時など、自分のそのとき気になることをそのときの話題に関係してもしなくてもしゃべりだし、そのことが気になるとこだわって何度も質問したりしゃべり出したりする。朝の会の時に、友達に「今日は、一緒に帰ろうね。」などと話しかけることもある。週のめあてが「廊下を静かに通ろう。」であれば、「もし、走ってしまったらどうなるの?」などという発言をくりかえしたりもする。このように,本学級の実態は,対象児とほか1名の男子2人がよくしゃべり,話がなかなか前に進まず,昨日の遊びについてとか,買い物に行った話などが話されていた状態であった。

ベースライン
朝の会で司会者のみが、健康調べ,週の目当て,歌,先生の話,質問コーナー等の項目を書いたプログラムを見て、進行し,それに従ってほかの子供が発言するという形式。

般化場面
帰りの会。

指導場面
朝の会の場面

指導手続
1 プログラムを書いたカード
 黒板にみんなが見えるように朝の会の項目を書いたカードを貼る。発言するときは,挙手するという約束も書く。

2 質問コーナー 
 質問コーナー以外では,発言をしないように 約束する。

3 質問コーナーにおいての質問は、当日する学習や行事, 遊びに限り,関係のない質問には,担任は応じない。

教材教具など
黒板に朝の会の項目、最後に質問コーナー。司会は日直がなり進行する。カードには質問したいときは質問コーナーまで待って挙手して発言するというルールも書いておく。

達成基準
不適切な発言がなくなった日が5日続いたら達成したと考える。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面の記録の取り方
不適切な発言の回数/プログラムの項目数×100
 

般化場面の記録の取り方
帰りの会において不適切発言の回数を記入質問コーナーでの質問内容も記録する。12月4日〜

指導期間
11月6日〜1月23日

結果
手続き1  朝の会の進め方のカードの記入(黒板)、司会の仕方変更は,司会者の持つカードに記入した上で口頭での説明もした。だが,不適切な発言は続いた。
手続き2  質問コーナーでのみ,発言をすることを約束をして,それは守れるようになってきたが,本児の質問内容は,お化け泥棒,マグマや地震などそのとき思いついたことを質問している状態で,他の三人も同様な質問をするようになってしまった。
手続き3  質問コーナーでは,今日の予定,明日の予定などについての質問に限り,その場で答えないことにした。2・3日は,今日の予定に関係のない質問をしていたが,その後の質問はその日の予定について質問するようになっている。

考察
朝の会で,対象児は自分の言いたいことをいろいろな分野で友だちの発言の時でも聞かずにしゃべることが多かったのだが,手続き1の介入の折りには,挙手して発言する姿が見られ始めた。だが,発言内容は朝の会のプログラムの項目には関係のないことが多かった。
 手続き2で質問コーナーを設けたときは,対象児は今気になっていることを何でも聞いてもよいと理解したようだ。担任は,今日明日の学習や生活に関しての質問が出るものだと思っていたのだが。
 対象児が,「マグマの上を歩くとやけどはするのか,とかお化けを見たのですが・・・,なぜ泥棒はものを盗むのですか。」等の質問をし始めたとき,担任はどうしたものかと思いながらも,何とか答えようとしていた。すると他の3人もそのような質問がよい質問だと思ったのか,同様にお化けを見た等と話し始めてこれはどうしたものかと困惑した。
 その際の助言をもとに「予定に関すること以外は答えない」ことにするという状況は効果が大きかった。
 やはり担任の対応が対象児に影響を与えている。言語で言ってわかりにくいとき,視覚に訴えることや担任の反応の状況,(答えてくれる,無言であるなど)は大きく影響を与えることが分かった。


schejule: スケジュール corner: 質問コーナー proper: 適切な質問
記入日時 2006/02/13/12:52:08  No.149
記入者 管理者  E-Mail

適切な内容の質問をする指導
般化場面
帰りの会

指導手続
朝の会と同様の進め方
質問コーナーにおいての質問は,当日した学習や明日の予定のことに限り,関係のない質問には,答えない。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面の記録の取り方
不適切な質問/項目数×100

指導期間
12月4日から1月21日

結果
12月中は,適切な質問とそうでない質問がある場合の記録を取り始めたが,先生のお話の中で関係のない話を始めたり,質問の内容も「交通事故の時は,おなかが破れるのは,どうしてですか。」等の発言が2回続いたが,その後は,「体育はどこでするのですか。」「生単の時間は何をするのですか。」等の質問ができるようになった。

考察
帰りの会も朝の会の般化だからと朝の会と同じペースで介入していたので,29のグラフでもベースラインライン
は,とれていないので介入の成果が分からないということがわかった。研究の進め方が分からないうちに進めた結果だ。
 
 帰りの会でも朝の会の時と同じという意識はあるので,
連動して質問は,明日の予定に関することができるようになった。最近は,考えてから発言している様子がうかがえる。


Baseline: ベースライン Intervention1: 指導手続き1
記入日時 2006/02/13/12:53:43  No.150
記入者 管理者  E-Mail

朝の会の終了後,着替えの場所でスムーズに着替えることができるようにする指導
対象児のプロフィール
A.M 自閉症

指導者
Y.M

長期目標
1つのことが終わると,次にすべき行動にスムーズに移ることができるようにする。

短期目標
朝の会の終了後,着替えの場所でスムーズに着替えることができるようにする指導

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
指導目標
朝の会の終了後,着替えの場所でスムーズに着替えることができるようにする指導

標的行動
朝の会が終了したらすぐに着替え場所に移動し,ほかの話をせずに着替える。

標的行動を選択した理由
朝の会が終わったにもかかわらず,ほかの子がどうしてこんなことするんだろうといったことばかり気にしており,注意すべきだといった意識でいるのか,担任に訴えてくることが多い。担任は「人には,それぞれ得意,不得意なところがあるから。」とか,「その子は,病気のために遅刻が多くなりやすい。」とかいう話をしているのだが,同じような質問が出やすい状況がある。
 だから,朝の会終了後には,1つのことばかり考えずに次の行動にスムーズに移ってほしいと考えている。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
指導目標に関する本児の実態
 朝の会が終わるとほとんどの日は,体育をするために着替えをしている。着替えは,終了後に4畳半の広さのたたみスペースに移動し,着替えて籠に脱いだ制服をたたむことにしている。
 対象児は,朝の会が終了しても担任に「他の子の声が大きすぎた。変な声が出ていた。」「○○さんは,どうして遅刻が多いの?」とか,「体育館体育にするよ。」との質問の答えに対して「どうして運動場でしないん?」というような話をしてきてなかなか着替えに集中できない状況で,担任の私は「着替えは?」「早く着替えよう。」というような注意を与えている。
 対象児は,一度畳スペースへ移動するのだが,また担任の場所に戻ってきては,しゃべったりしている。畳をぐるぐる動きながら着替えたり,コーナーを外れて机のところに戻ったりすることもある。

ベースライン
クラス全体に「着替えは静かに取りかかりましょう」と言う約束を話しておく。

指導場面
朝の会の終了後,着替えをしている場面

指導手続
朝の会が終わったら,担任は指示を出さない。着替えにかからず,質問などをするときにも担任は答えない。

教材教具など
着替え場所に「しずかにきがえをはじめよう。目ひょう5分」
の画用紙をはる。そしてタイマーを5分にセットして着替えの場所におく。

達成基準
朝の会が終わってから,しゃべらずスムーズにきがえに取りかかれる日が4日つづいたら達成したと考える。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面の記録の取り方
終了後担任に話し掛けたり,友達に話し掛けたりした回数を正の字で数える。(着替えの7,8分の間)対象児は着替え始めると5分ほどで着替えられている。
 はじめのベースライン1の記録は,着替える前と着替え中のおしゃべりの回数だが,ベースライン2の記録は,着替えにかかるまでのおしゃべりの回数である。

指導期間
1月26日〜ベースライン1
2月4日〜ベースライン2
3月3日〜介入1

結果
1月26日から記録を取り始めたのだが,はじめのベースライン1では,着替える前と着替え中のおしゃべりの回数を含めている。この場合,着替え中のおしゃべりは友達としていることが多く対象児のみの問題とはいえず,また着替えに移るまでの行動のスムーズさに焦点化するために,ベースライン2の記録を取り始めた。これは着替えにかかるまでのおしゃべりの回数であるが,日によって対象児はしゃべりたいときとそうでもないときがあり,データが上がり下がりしていた。3月3日から着替え場所に「しずかにきがえをはじめよう。目ひょう5分」の画用紙をはる。そしてタイマーを5分にセットして着替えの場所におくという介入をはじめたところ4人とも興味を持ち,その日はタイマーのことなどを話していたが,3月8日は,話をせずに着替え場所に移動した。着替えも3分ほどでできるようになっている。

考察
今回は,ベースラインを大切にしようと今までの状況を維持しながら観察を続けた。ただ,おしゃべりが多いのが気になり,着替え前も着替え中もと欲張った考えになっていた。
着替えに移る前のおしゃべりを焦点化して観察したが,欠席者のことや昨日の出かけた場所のことなどしゃべりたいことがあると話しかけてきていた。
介入を初めると以前,朝の会の質問コーナーに関する指導の方法と同じであると理解したようで,また,タイマーの5分カチカチと時を刻む音も刺激になったようで,おしゃべりは減ってきている。
 対象児にわかりやすい方法というのは他の児童にとってもわかりやすい方法であることがわかった。
 これからはわかりにくい約束ルールは,文字で書き,その場所に提示しておくこと,また興味を持てる手だても探っていきたい。


Baseline1: ベースライン1 Baseline2: ベースライン2 intervenntion1: 介入1
記入日時 2006/02/13/12:57:24  No.151
記入者 管理者  E-Mail

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