対象児のプロフィール |
・プロフィール 高3男子 Y 自閉症 ・諸検査の結果 Oのステージ \x{2162}-1 ・自閉症の特性 → 自立活動班で決定後
|
短期目標 |
教師の勧めを受け入れカームダウンエリアへ移動できる。
|
指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
指導目標 教師の声掛けによってカームダウンエリアに移動する。
標的行動 ソーシャルストーリーズ「S君」を読んで、同じ状況になったときに興奮せず図書室へ移動する。
標的行動を選択した理由 友人の気に入らない行動を見たり声を聞いたりしたときに、その場を離れていくことがいけないことと考えている。そうではなく、いやな状況を避けて良いことを理解させたい。
|
指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
指導目標に関する本児の実態 クラスにいる2名(S君、N君)の友人が気になり、大きな声が聞こえたり、集団行動がとれない様子を見たりするといらいらしてしまう。カームダウンエリアへ行くように勧めてもその場所を離れず、興奮状態になってしまう。
ベースライン 港事例、カームダウンエリアへ移動する。記録参照。 失敗事例。
|
般化場面 |
・教師が変わってもできる ・教室でなくてもできる ・N君に対してもできる
卒業後、通所施設での円滑な対人関係
|
指導場面 |
登校後の掃除から朝の会までの時間(約5分間) 学校生活全般
|
指導手続 |
・朝の会の前に、第4作業室で、「友達をみていらいらしたとき」について書かれたソーシャルストーリーズ「S君」を教師の前で音読する。 ・友達を見ていらいらしたとき、教師の「図書室へ行きましょう」の声掛けに従って部屋を移動する。 ・教師の「落ち着きましたか」の声掛けで「はい」「まだです」などと答え自分の気持ちを伝える。教師の「落ち着いた」の判断で一緒に元の場所へ戻る。
|
教材教具など |
ソーシャルストーリーズ シート 後山作成 紙芝居形式 題名「S君」
|
達成基準 |
5回連続でカームダウンエリアへの移動ができたとき
|
記録の取り方(般化場面と指導場面) |
指導場面での記録の取り方 学校生活全般で教師が声掛けした場面、時間、その時の反応を記録する。 友達を見ていらいらしたとき ○ 教師の声掛けでカームダウンエリアへ移動できた 声掛けがなくてもカームダウンエリアへの移動ができた △ 2回以上の声掛けでカームダウンエリアへ移動できた × 教師の声掛けを受け入れず移動できなかった
般化場面での記録の取り方 学校生活全般で担当教師以外の教師が声掛けした場面、時間、その時の反応を記録する。 友達を見ていらいらしたとき ○ 教師の声掛けでカームダウンエリアへ移動できた 声掛けがなくてもカームダウンエリアへの移動ができた △ 2回以上の声掛けでカームダウンエリアへ移動できた × 教師の声掛けを受け入れず移動できなかった
|
結果 |
S君についてのソーシャルストーリーズは、その日から効果が現れた。Yは図書室(カームダウンエリア)へ行って本を読み、そのことを教師から褒められることに満足した。 しかし、N君に対しては、他の状況が全く同じであるにも関わらず、教師の声掛けにも態度を硬直させ動こうとしなかった。対象が変わると般化しなかった。(11月13・14日)
|
考察 |
文脈を捉えにくい生徒Yに対して、視覚に訴える紙芝居形式のソーシャルストーリーズは有効であった。 題名「S君」のソーシャルストーリーズは、S君に対して有効であったがN君には使えなかった。 新たに「N君」という題のソーシャルストーリーズを作り般化の検証を試みる予定である。
|
|