2003-24



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事例研究「中2教室に入る」
対象児のプロフィール
中2男子 自閉症
諸検査結果:太田のStage1の3
      CARS43.5重度自閉症(H15)
      新版S-M式社会能力検査(H13)
      身辺自立2−10,移動2−11
      作業3−3,意志交換2−5 
      集団参加2−7,自己統制3−6 
      全検査2−10

指導者
K.T

長期目標
自分で校内の各教室に移動する。

短期目標
自分で中2教室に入る。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
指導目標
自分で中2教室に入る。
自分の席に鞄をおろす。

標的行動
教室入口の約5M手前から自分で中2教室に入る。
教室に入ると自分の机の上に鞄をおろす。

標的行動を選択した理由
玄関から出発したのでは、走って中2教室を通り過ぎてしまうことが多かったから。
自分の場所と教室を確認するため。

いったん教室に入っても、鞄をおろせないと行動が完結しないから。
自分の席が分からないと不安になるから。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
指導目標に関する本児の実態
登校時玄関から一人で中2教室に入ることが難しかった。
2年生に進級して教室が変わり、他の教室から帰ってくるとき、自分の教室を通り過ぎて他の場所に行ってしまうことがしばしば見られた。
中2と中3教室を間違えた。
担任教師と一緒なら軽く服の裾を持つ程度で成功する。
友達と一緒にその流れで教室に入ることができる。

教室に入っても、自分の席に鞄をおろすことができなければ、また教室を出て行ってしまうことがあった。

ベースライン
朝登校し、玄関から一人で中2教室に入ることが難しかった。
靴を履き替えると走り出してしまい、首を振りながら走るので周りの状況をあまり確認できていない。しかし人とぶつかることは滅多にないので、危険を避けることはできる。中2教室と中3教室の区別が難しいようだ。
10回中7回教室に入ることに失敗した。

般化場面
他教室に自分で入ることができる。
援助する人が変わっても、中2教室に入ることができる。
教室に入る距離を長くする。

指導場面
登校時(毎朝)

指導手続
朝母親と兄と共に登校
→玄関から中1までは鞄の一部をさわってガイダンス
→教室入口の5M手前で「教室に入ろうか」と声かけ、軽く背中を押す。
×対象児は、入口を通過。
もう一度5M手前のところまで戻して、自分の教室に入る機会を提供する。

机の上に箱を置いて目印にする。
×教室に入って他の生徒の席に鞄を置く。
→「ここだよ」とガイダンス。
→自分の席に鞄をおろす。
→「かしこいなあ」と褒める。「伸ちゃんはがんばって、教室に入れました」と歌を歌う。

教材教具など
鞄をおくための箱

達成基準
1週間のうち5日成功するか、または5回連続成功すれば達成。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面での記録の取り方
入れたら○ 通り過ぎたら×

般化場面での記録の取り方
入れたら○、通り過ぎたら×。
指導者は宇都宮Tまたは教生
(別紙参照)

指導期間
H15,11/13〜28(11日間)
内11/15,16,23,24,25は休日

結果
中2教室に入ることができるようになった。

考察
走って行けば、中2教室を通り過ぎてしまうが、歩いて行けば、教室に入ることができることがわかった。
教室に入って鞄をおろすことができなければ、移動行動が完結しないので大切なポイントだった。
1学期間は、登校時対象児が自分で教室に入ることができないことに気づかなかったが、ビデオにとってはじめて確認できた。
今後は校内の他の教室に自分で入ることができるように般化を指導していきたい。
今後の課題としては、
・校内移動に関する般化指導を進めること
・野外における移動能力を高めること
 母親が兄と一緒に安心して登下校の送迎ができるようにしたい。


baseline: ベースライン training: 指導 7m: 7m 10m: 10m 15m: 15m genkan: 玄関
記入日時 2006/02/16/13:46:30  No.159
記入者 管理者  E-Mail

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