2003-30



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「はい」「いいえ」を正確に伝えることができる
対象児のプロフィール
プロフィール:H(高1女子)自閉症
諸検査:太田のステージ\x{2162}−1
自閉症の特性:偏ったコミュニケーション

指導者
M.T

長期目標
「これは・・・ですか?」の質問に「はい」「いいえ」で答えることができる。

短期目標
「これは・・・ですか?(名詞に限る)」の質問に「はい」「いいえ」で答えることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
指導目標
「これは・・・ですか?(名詞に限る)」の質問に「はい」「いいえ」で答えることができる。

標的行動
「これは・・・ですか?(名詞に限る)」の質問に「はい○」「いいえ×」の文字カードを、教師に手渡すことができる。

標的行動を選択した理由
文字カードを利用したのは、「はい」「いいえ」の意味を明確に提示するため。(言語による返答は、「はい、いいえ。」と言ってしまうから。)
カードを手渡すのは、「はい」または「いいえ」のどちらかしか選ぶことができないことを、視覚的に提示するため。(指さしだと、教師の表情を見て何度でも両者のカードを指さすから。)

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
指導目標に関する本児の実態
簡単な言語によるコミュニケーションができるが、分からないことを尋ねられた時や、返答に困った時にはエコラリアがでる。
対人関係は、コマーシャルソングのかけ合いをして楽しむことが多く、情報や意思の伝達は少ない。

ベースライン
実施回数:2セッション(9月3日、9月9日)
1セッション:10問

・言語のみで「はい」「いいえ」の返答を求めた時には、教師の表情を見ながら「はい、いいえ。」「はい、いいえ。(教師を見て)いいえ。」と答えた。
・「いいえ」の意味理解が曖昧。
・カードが「はい」「いいえ」の文字だけであると文字の意味理解ができず、両者のカードを何度でも指さす。

般化場面
教室内での「これは・・・ですか?(名詞に限る)」の質問に「はい」「いいえ」で答えることができる。

指導場面
国数の授業

指導手続
1.場の設定
(1)生徒用机に向かい合って座る。
(2)絵カードを指さしながら「これは・・・ですか?」と聞く。
→正解のカードが渡せたら「Hさんまる。」と誉める。
×不正解のカードを渡そうとした時には、カードを受け取らずに質問を繰り返す。
×カードを手に取らず言語だけの時には、正解のカードを無言で指さす。
(3)10問して終わる。

2.指導方法
(1)9月30日〜10月3日
絵カードを見ながら、名称を答える質問を10問する。「はい」と「いいえ」の意味理解のために、「はい」と答える質問を10問し、その後「いいえ」と答える質問を10問する。最後に「はい」と「いいえ」が混ざって出てくる質問を10問する。質問の仕方は以下の通り。
教師:(絵カード提示)「これは・・・ですか?」
H :(カードを手渡す)
教師:正解の時「Hさんまる!」
   不正解の時「これは・・・ですか?」

(2)10月28日〜11月28日
「はい」と「いいえ」が混ざって出てくる質問を10問する。質問の仕方は次の通り。
教師:(絵カードを見せながら)「これなーに?」
H :「○○。」
教師:「これは・・・ですか?」
H :(カードを手渡す)
教師:正解の時「Hさんまる!」
   不正解の時「これは・・・ですか?」

教材教具など
文字カード「はい○」「いいえ×」
果物野菜カード10枚

達成基準
1セッション全問正解が5回続けば達成。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面での記録の取り方
正解であれば○ 不正解であれば×

般化場面での記録の取り方
正解であれば○ 不正解であれば×

指導期間
H15年9月30日〜11月28日(8回)

結果
正解のカードを手渡すことができつつある。

考察
場所や時間、教具を整えることで、国数の授業ではやりとりの仕方を覚え、カードを手渡すことができるようになった。
突発的に質問したり、国数の時間以外に「これは・・・ですか?」と質問したりすると、正しく返答できない。また、「はい○」「いいえ×」のカードがないと正しく返答できない。

今後の課題としては次のことがあげられる。
・「はい○」「いいえ×」のカードを利用して、教室内での活動時に「これは・・・ですか?(名詞に限る)」との質問に答えることができる。
・「ある○」「ない×」の質問に答えることができる。


baseline: ベースライン training: 指導 g1: g2: g3:
記入日時 2006/02/16/14:15:02  No.164
記入者 管理者  E-Mail

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