2004-02



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自分の要求をことばやカードで教師に伝えられる
概 要
本児はいくつかの要求言語(ことばは不明瞭)を持っているが、適切な場面に適切な言葉での要求ができていない。また、多動で次々と興味が変わってしまうことから行動もバラバラになってしまっているところがある。そのため、自分が要求を出す場面において、教師にうまく伝えられずにイライラして怒ってしまったりすることもよくある。要求を表すカードやことば(本児の実態に合わせたことば)を使って、教師に自分の要求を伝えられることができれば、行動も少し落ち着いてくるのではないかと思う。最終的にコミュニケーション能力の向上につなげていきたい。

対象児のプロフィール
O.H
小学部1年生女児
知的障害 

諸検査結果
津守式発達検査DQ23(1歳6ヶ月)
        2004年入学前実施
SM社会生活能力検査(1歳11ヶ月)
        2004年8月14日実施
新版K式発達検査(1歳11ヶ月)
        2004年8月9日実施

障害の特性
多動で次から次へと興味が移る
一つの遊びで継続して遊ぶことができない
ことばが不明瞭(話ことばは数語)である

指導者
M.R
N.M

長期目標
自分の要求を、ことば(不明瞭でもよい)やカードで教師に伝えることができる。

短期目標
(1)ビデオを見たい時に、カード(ビデオが見たい)を渡し「つけて(不明瞭でもよい)」ということばで教師(担任)に伝えることができる。
(2)ビデオを見たい時に、カード(ビデオが見たい)を渡し「つけて(不明瞭でもよい)」ということばで担任教師以外に伝えることができる。(般化場面の1)
(3)ビデオを見たい時に、カード(ビデオが見たい)を渡し「つけて(不明瞭でもよい)」ということばでおうちの人に伝えることができる。(般化場面の2)

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
同上

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
本児はビデオを見るのが好きで、休み時間はすぐにテレビの所へ行くことが多い。「て・て・てー(つけて)」と言えることもあるが、定着はできていない。遊びの選択の際、カードの使用は経験があるので、ビデオの場面でも有効ではないかと考えた。本児は「て・て・てー」のことばも言えるので、カードと一緒に言えれば伝わりやすいと考える。

般化場面
(1)担任教師以外にビデオを見たいと要求する場面
(2)家庭でビデオが見たいと要求する場面

指導場面
休み時間にビデオが見たい場面

指導手続
・ベースラインは3日間。カード(ビデオが見たい)を準備し、プロンプトなしでカードとことばでどれだけ要求できたかを記録する。
・指導方法としてはカードおよびことばが自発的に使用できていない時にことばかけと指差しのプロンプトを出す。

教材教具など
カード「ビデオが見たい」

達成基準
(1)ベースライン後、指導を開始する。指導を実施後、正反応数100%が5日間連続でできたら達成とする。
(2)要求があった日だけを取り上げ、正反応数が100%3日間続いたら達成とする。(般化場面1・2)

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面 
 (1)プロンプトなしでカードとことばで自発的に要求できた時・・・○
 (2)プロンプト(声かけ・指さし・身体的ガイダンス)をした時・・・×

カードとことばの両方で自発的に要求できた数を正反応数、できなかった場合は誤反応数として入力する。

指導期間
「ベースライン」2004年9月1日から3日
「指導」は9月6日〜10月29日
「般化場面1」は11月9日〜
「般化場面2」は11月8日〜

結果
短期目標については10月29日をもって達成。次の段階として般化場面の記録を取る。

考察
短期目標「ビデオが見たい時に、カードとことばで担任に伝える」は、時間はかかったものの10月29日で達成することができた。カードの使用はけっこうすぐに習得したものの、案外達成するのに時間がかかった。「休み明け」「その日の気分」などによって、誤反応数が見られることがあった。しかし、今ではカードの使用は定着し、要求することができるようになった。

A:先行条件 B:行動 C:結果
ビデオが見たい時、教師に 《正反応》
(1)カードを渡しながら「て・て・てー (つけて)」と言う              《誤反応》
(2)カードを渡すだけでことばはなし
(3)ことばはあるがカードを渡さない       
《正反応》
(1)「じゃあ、つけるよ」と言い、ビデオをつける。                 《誤反応》
(2)カードを持たせたまま「何?」と聞き返す。
(3)カードを指さす。     


第一系列のタイトル: カードとことばで要求できた正反応数 Baseline: ベースライン Intervention1: 指導方法1 第二系列のタイトル: 誤反応数Baseline: ベースライン Intervention1: 指導方法1
記入日時 2006/02/21/13:39:23  No.172
記入者 管理者  E-Mail

対象児のプロフィール
O.H
小学部1年生女児
知的障害

指導者
I.N
I.T
N.K
H.M
N.M

短期目標
ビデオが見たい時に、カード(ビデオが見たい)を渡し、「つけて(不明瞭でもよい)」ということばで担任教師以外に伝えることができる。(般化場面の1)

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
同上

般化場面
休み時間ビデオが見たいとき

教材教具など
「ビデオが見たい」のカード

達成基準
カードとことばで要求できた確率が100%3日間で達成とする。

指導期間
2004年11月10日〜


第一系列のタイトル: カードとことばで要求できた正反応数(学校で他の先生と) Intervention2: 学校での般化場面  第二系列のタイトル: 誤反応数(学校で他の先生と)  Intervention2: 学校での般化場面
記入日時 2006/02/21/13:54:04  No.173
記入者 管理者  E-Mail

対象児のプロフィール
O.H
小学部1年生女児
知的障害

指導者
保護者の方

短期目標
ビデオを見たい時に、カード(ビデオが見たい)を渡し、「つけて(不明瞭でもよい)」ということばでおうちの人に伝えることができる。(般化場面の2)

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
同上

般化場面
朝起きてビデオが見たい場面

教材教具など
カード「ビデオが見たい」

達成基準
カードとことばで要求できた確率が100%3日間で達成とする。

指導期間
2004年11月10日〜


第一系列のタイトル:カードとことばで要求できた正反応数(家庭)  Intervention3: 家庭での般化場面  第二系列のタイトル: 誤反応数(家庭)  Intervention3:家庭での般化場面
記入日時 2006/02/21/13:57:45  No.174
記入者 管理者  E-Mail

遊びを選択してことばとカードで伝えることができる
概 要
が、写真カードは教室内の設置場所に選択して置くだけで、「遊び場所へ持って移動する」ということはしていなかった。そのため、選択した遊び場所に行くまでに、他の遊具に意識が逸れてしまったりして、選択した遊びで遊べていないことも多かった。
そのため、行動にも落ち着きがなかったり、活動の始めと終わりが理解できにくいなどがあるため、「遊びたい遊びを写真カードで選択する」「選択した遊びで遊ぶ」など、本児の遊びへの意識の環境を整える必要があると感じたため、以下のような目標を立て、指導を行うことにした。

対象児のプロフィール
O.H
小学部1年生女児
知的障害

諸検査結果
津守式発達検査DQ23(1歳6ヶ月)
     2004年入学前実施
SM社会生活能力検査(1歳11ヶ月)
     2004年8月14日実施
新版K式発達検査(1歳11ヶ月)
     2004年8月9日実施

障害の特性
他動で次から次へと興味が移る
一つの遊びで継続してあそぶことができない
ことばが不明瞭(話しことばは数語)である

指導者
M.R
N.M

長期目標
自分の要求を、ことば(不明瞭でもよい)やカードで教師に伝えることができる。

短期目標
4枚の写真カードから遊びを選択して、カードとことば「いきたい」で教師に伝えることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
同上

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
写真カードから、したい遊びを選択することはできているが、その場所に行くまでに違う遊具に意識が逸れてしまうことがある。結果として、選択した遊びをすることができていない。
また、遊びを選択はしているが、「カードを渡す」など、教師に伝えることなく行きたいところに走って行ってしまうこともある。

般化場面
担任教師以外にしたい遊びを伝えるとき

指導場面
休み時間に、したい遊びがあるとき

指導手続
ベースラインは3日間。「遊びの写真カード4枚」とそれぞれの遊びの場所に「カード入れ」を準備し、プロンプトなしでカードとことば「いきたい」で、どれだけ要求できたかを記録する。
指導方法としては、カードを選択した後、教師に伝えることができなかった場合は、ことばかけや指さしのプロンプトを出す。また、選択した写真カードを本児に手渡し、それぞれの場所の「カード入れ」にカードを入れることができるよう、ことばかけや指さしのプロンプトを出す。カード入れに入れた後は、短時間でも選択した遊具で遊べるよう、ことばかけや指さしをする。

教材教具など
遊びの写真カード4枚
写真カード入れ4個

達成基準
ベースライン後、指導を開始する。指導を実施後、正反応数80%が5日間連続でできたら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面
 (1)プロンプトなしでカードとことば「いきたい」で自発的に要求できたとき・・・○
 (2)プロンプト(声かけ・指さし・身体的ガイダンス)をした時・・・×

カードとことばの両方で自発的に要求できた数を正反応数、できなかった場合は誤反応数として入力する。

記入日時 2006/02/21/14:20:46  No.175
記入者 管理者  E-Mail

自分の要求をことばやカードで教師に伝えられる
指導者
M.R
N.M
I.N
N.K

長期目標
自分の要求を、ことばやカードで教師に伝えることができる。

短期目標
遊びカード(3枚)の中から自分のしたい遊びカードを一つ選択し、教師に見せた後、カードを持って遊びコーナーにある箱の中にカードを入れることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
同上

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
本児は遊びカードを選択することができるが、遊びコーナーに行くまでに他の遊びに意識が移りやすい。選択した遊びの記憶が継続しにくいので、そのカードを遊びこーナーまで持っていくことで、自分が選択した遊びを確認することができるようになると思う。

指導場面
休み時間、遊びに行きたい場面

指導手続
ベースラインは7日間。カード(わくわく広場、中庭、ビデオコーナー)の中から自分のしたい遊びカードを一つ選択し、プロンプトなしで教員に伝えることができたか、また、そのカードを持って遊びコーナーの箱に入れることができたかを記録する。本児が教員にカードを見せた時には「それじゃぁ○○へ行こうか」と言い、選択した遊びコーナーまでいっしょに行き、カードを入れる箱を指さす。教員にカードを見せることができなかった時にはもう一度選択場所まで行きカードを選択できるようにする。

教材教具など
カード(わくわく広場、中庭、ビデオコーナー)、カードを貼るボード、カードを入れる箱(各遊びコーナーに取り付けておく)

達成基準
ベースライン後、指導を開始する。指導を実施後、正反応数100%が5日間連続でできたら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面
(1)カードで要求した後、プロンプトなしで遊びコーナーの箱にカードを入れることができた。・・・○
(2)カードで要求することができたが、カードを箱に入れることができなかった。・・・△
(3)カードで遊びを選択したが、教員に要求することができなかった。・・・×

(1)の場合のみ正反応数、(2)(3)は誤反応数として入力する。

指導期間
「ベースライン」2005年1月18日から26日
「指導」1月27日から2月25日


第一系列のタイトル: カードで要求した後、箱にカードを入れることができた正反応数  Baseline: ベースライン Intervention1: 指導方法1  第二系列のタイトル: 誤反応数  Baseline: ベースライン Intervention1: 指導方法1
記入日時 2006/02/21/14:23:48  No.176
記入者 管理者  E-Mail

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