指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
(標的行動)教員に[とんとん」と教員の体をタッチをしたり、「パチパチ」と両手を鳴らしたり「ドンドン」と足をふみならすなどして注意喚起をし、教員が視線を合わせた後、「とって」と絵本を要求することができる。 (理由) 教員が自分の要求に気付かない場合に、教員の注意を喚起する方法を獲得していないため。
|
指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
「とって」と要求できるが、声も小さく本児とかかわりの少ない教員には気付かれ難いと思われる。教員が気付かなかったときは要求をすることを諦めてしまう。相手に気付いてもらえるよう注意喚起の方法を指導し、相手にスムーズに要求が伝えられるようにしていきたい。
|
指導手続 |
ベースラインは1日間。プロンプトなしで教員に注意喚起できたかを記録する。 指導の方法としては、上に置いてある絵本を「とって」と要求が出たとしても、教員は気付かないふりをする。本児の後ろにいる教員が本児の手をとって、前の教員にトントンとタッチするようにし、注意喚起する方法や、手や足を鳴らしたりして注意喚起をする方法を伝える。
|
達成基準 |
ベースライン後指導を実施する。指導を実施後、正反応数80%が5日間連続でできたら目標達成とする。
|
記録の取り方(般化場面と指導場面) |
指導場面 (1)正反応・・・プロンプトなしでトントンと教員を呼んだ後、「とって」と要求できた時、パチパチと両手を鳴らして教員の注意を喚起した後、「とって」と要求できた時、「ドンドン」と足を踏みならして教員の注意を喚起した後、「とって」と要求できた時。 (2)誤反応・・・プロンプトをした時、プロンプトをしても教員の注意を喚起する行動が見られなかった時。 正反応数と誤反応数を1日毎に記録する。
|
指導期間 |
2005年10月6日(ベースライン) その後指導は10月17日から3週間行う。
|
結果 |
注意喚起をしてから「とって」と言うことができるよう、指導を始めた。注意喚起の方法として、「トントンと教員にタッチする」ということを設定していたが、指導の途中で教員にタッチする意外に自分で両手を「パチパチ」鳴らしたり足を踏みならしたりして注意喚起をする方法も自分で生み出した。指導を開始したところ、はじめの5日間は「トントンと教員にタッチする」行動以外は誤反応としていたので誤反応数が正反応数を上回っていたが、両手を鳴らしたり足を踏みならしたりすることも正反応数に加えたことで、6日目からは正反応数が誤反応数を上回り10日目に目標を達成することができた。
|
考察 |
指導1の結果、「とって」と傍にいる教員に要求することができるようになったが、声も小さく本児の様子を意識していなかったら要求に気付かないこともあった。そこで、「とって」と言う前に教員に注意喚起をすることができるよう指導を始めた。 指導を始めて間もない頃は、「とて」と言葉を発していただけのような感じであったが、指導を継続していく途中で少しずつ相手の様子をうかがいながら要求を出すことができるようになってきた。また、指導の過程でいろいろな人や場面での般化が広がった。 \x{2460}担任以外の教員にも要求できるようになった。 \x{2461}トイレの便座に座った時、上に置いてあるオルゴールを「とって」と要求できるようになった。 \x{2462}給食の時、自分のお盆にご飯がないことに気付くと「とって」と要求できるようになった。 \x{2463}ひまわり館など教室以外の場所でも要求できるようになった。 \x{2464} 離れた所にいる教員の所に行き、要求できるようになった。 \x{2465}家庭で欲しい物が手の届かない所にあるとき「とって」と要求できるようになった。 \x{2466}家庭で牛乳が欲しいとき「にゅうにゅうにゅう とって」と要求できるようになった。 自分で色々な場面や人に対しても「とって」と要求ができるようになってきたが、自分で椅子などを持ってきて自力で欲しい物を取ろうとする行動も見られる。今後も「とって」 という要求が確実なものになるように指導を継続しながら、命名+「とって」での指導も平行して行っていきたいと思う。
|
|
第一系列のタイトル: 正反応数 |
Intervention1: ・教員の注意をひき(トントンと教員にタッチする)、「とって」と欲しい絵本を要求することができるための指導。
|
第二系列のタイトル: 誤反応数 |
Intervention1: ・教員の注意をひき(トントンと教員にタッチする)、「とって」と欲しい絵本を要求することができるための指導。
|
|
記入日時 2005/10/05/17:31:43
No.48
記入者 N.K
E-Mail
|