諸検査結果 |
PEP−R 1歳5ヶ月(平成16年4月)
|
障害の特性 |
多動で、課題学習やあそびなど1つの活動が長続きせず、落ち着いて物事に取り組むことや注視が困難である。イライラするときや、自分の思いが通らない時に頬や頭をたたくなどの自傷がみられる。スケジュールは次に行う活動を2枚のパートスケジュールにして教師が直前に提示している。 日常生活において自他の区別を行うときなど色を手掛かりに活動していることは少ないが、色の認知はできていると思われる。課題学習においては、プットインをもっとも得意とする。
|
指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
以前色を扱う課題ができていた時期もあることから、なんとかその感覚を取り戻して、色マッチングのスキルを課題学習におけるワークシステム中のスケジュールへ取り入れたいと考えている。保護者や就学前の通所施設からの引継ぎによれば、色を扱う課題ができなくなって以降、赤と緑を用いた課題学習を行ったり、課題学習におけるスケジュールに赤と緑をを使ってみたが、プロンプトが必要であり定着していないようである。先日の家庭訪問でも色を取り入れた課題が再びできるようになてほしいという保護者の期待もあるようで、色を扱う課題の初歩的段階として2色の弁別を標的行動にとりあげた。
|
指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
日常生活の中で色を手がかりとして自他を区別する等活動している場面は少ないが,色の違いは識別していると思われる。2色を扱った課題学習においてはスキルの向上があまり見られなかった。また、課題を行う際の情緒の安定度も結果にかなり影響する。本児はその時期によってマイブームがあり変化していく傾向にある。 以前色に興味があった時期には、色の弁別課題ができている時期もあったと母親から聞いている。
|
般化場面 |
(1)課題のワークシステム(課題スケジュール)への導入。 (2)分類課題。 (3)入れる、積む、パッキングなど他の作業と組み合わせた課題。
|
指導手続 |
【指導1】どちらか一方(1色)のボードのみを提示し、同色のチップを1枚ずつ計3枚手渡す。
【指導2】2色のボードを提示し、それぞれのチップを2枚ずつ計4枚を手渡す。(位置プロンプトあり) 1)それぞれのチップは同色のボードの真下で提示する。 2)それぞれのチップは同色のボードよりに提示する。
【指導3】2色のボードを提示し、位置プロンプト無しでそれぞれのチップを提示する。 チップを提示したとき、本児が必ずチップを見たことを確認して手渡す。 正解したときは、「すごい」「じょうず」など言葉で誉める。
|
達成基準 |
それぞれの段階で正答率100%が連続して3回続いたら達成とする。
|
記録の取り方(般化場面と指導場面) |
指導場面 1課題中の使用チップ数のうち正答が何回あったかを記録する。 般化場面 指導3まで達成基準に達した後で、1課題中の試行数を増やしたり、あるいは他の課題やスケジュールに色マッチングを取り入れる。
|
指導期間 |
2004.10/12から2004.12/20
|
結果 |
指導1は必然的に正答率100%となり、指導2においてもほぼ100%であった。指導3では、はじめ誤答が続いたが、予想よりは早くに達成することができた。 指導2から指導3までの誤反応を色別に見てみると、青に対して黄色の割合が3.5倍となっていて、黄色を青のボードに間違えておくことが多かったことがわかった。
|
考察 |
指導1のステップは、この学習においてCくんが何を求められているかを理解するのをより助けるために意識的に取り入れた。指導3の結果から、指導2では本来求められている色ではなく、位置プロンプトを手掛かりに置いていた傾向が強いと推測される。指導3で達成までに少し試行回数が増えたのはそのためであると考えられる。
|
|
A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
チップを提示される。 |
正反応・・同じ色のボードにチップを貼る。 誤反応・・違う色のボードにチップを貼る。 無反応 |
正反応・・言葉やスキンシップで誉める。 誤反応・・言葉と指さしで色の違いを指摘し、同じ手続きでもう一度試行する機会を作る。 誤反応が繰り返された場合、3回目前後で指さしによるプロンプトをだす。 無反応・・言葉で行動を促す。 |
|
ベースライン写真1 |
ベースライン写真2 |
|
記入日時 2006/02/26/14:11:40
No.247
記入者 管理者
E-Mail
|