2004-38



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時間を守って行動をとることができる。
概 要
・時間は理解できるが、指定の時間を守ることができない生徒を対象とする。
・スケジュールとタイマーを使って時間を守ることができるか確認する。

対象児のプロフィール
・高等部在籍 男子生徒
・言葉でのやりとりが可能。小学校1年生程度の読み書き計算ができる。
・自尊心が高く、自分を否定されることに対して強い抵抗を示す。
・物事の判断は、印象で判断する傾向があり、熟慮することは少ない。
・自分の意思が通らない場面では、暴力的な行為で無理矢理認めさせようとする。
・言葉による説明よりも文字情報が有効。
・因果関係の理解が困難。

諸検査結果
CARS:28点
太田のステージ Stage4
WISC−3 FIQ:60、VIQ:51、
              PIQ:79

障害の特性
気分の異常・ストレス耐性の低さ(心理的な安定)
因果関係の理解が困難(心理的な安定)(環境の把握)
自閉的空想(心理的な安定)
視覚有意の情報処理(環境の把握)
偏ったコミュニケーションの発達(コミュニケーション)
対人相互作用の問題(社会との関わり)
偏った社会性の発達(社会との関わり)
社会生活上のルールの理解の困難(社会との関わり)
感情を理解したりコントロールしたりすることの困難(社会との関わり)

指導者
N.I

長期目標
スケジュールを理解し、時間を守ることができる。

短期目標
教師と次の活動の始まりの時間を確認し、指定された時間に次の場所に移動することができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
教師と次の活動の始まりの時間を確認し、あらかじめ設定されたタイマーが鳴れば、遊びをやめて自席に着く。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
時計を読み、時間の経過を理解することができるが、遊びの時間になると自分の思い通りにしてしまうことが多い。逆に授業などでは、終了の時間には大変厳密である。
学校生活では、ほとんど決められた時間に行動を取ることはできていない。

般化場面
1 校内での次の活動の場所
2 担任以外の教師と守ることができるか

指導場面
指導計画1 予定時刻が来たら教師が口頭で着席を促す。
指導計画2 予定時刻をタイマーで知らせ、タイマー音が鳴ってから口頭で着席を促す。
指導計画3 指導計画2と同じであるが、予定時刻5分前に「後5分」を知らせる。

指導手続
指導計画1
 1 教師と次の活動と始まりの時間を確認する。
 2 予定時刻が来たら、次の行動に移るように知らせる。
指導計画2
 1 教師と次の活動の始まりの時間を確認する。
 2 後どれくらいかを確認し、タイマーをセットする。
 3 タイマーが鳴って自ら自席に戻ることができれば賞賛する。
指導計画3
 1 教師と次の活動の始まりの時間を確認する。
 2 後どれくらいかを確認し、タイマーをセットする。
 3 残り5分を知らせる。
 4 タイマーが鳴って自ら自席に戻ることができれば賞賛する。

教材教具など
個別のスケジュール
タイマー

達成基準
タイマーが鳴って自ら遊びをやめて自席に着くことを5日間連続でできれば達成とする。

合格基準としては、
 タイマーが鳴る前に着席できれば2点
 タイマーが鳴ってから1分以内に着席できれば2点
 タイマーが鳴って1分以上たってから着席する1点
 タイマーが鳴って1分以上立ち教師の指摘で着席する1点
 着席できない。 0点

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導計画の場面それぞれで対象とする数が違ってくるので、割合で記録する。
80%以上が5日間以上続けば達成とする。

般化場面も同様とする。

指導期間
指導計画1
 10/18〜11/ 2
指導計画2
 11/ 4〜 1/12
指導計画3
  1/13〜 現在に至る

結果
 総合的な結果としては達成することができていない。
 般化については実施していない。
 しかし、次の予定時刻を本生徒が意識できるようになったこと、指導計画2の導入によって素直に次の予定時刻が来たことを認識できるようになった。
 指導計画1に比べて指導計画2以降、予定時刻による教師からの注意に反発することが少なくなった。

考察
 指導計画1では、予定時刻が来たことで教師が口頭で注意を促していた。しかしながら、日頃から注意を受けていることで、口頭の注意が嫌子となっており、教師からの口頭の注意を受けることで余計に反発してしまう環境を作っていたものと考えられる。
 そこで、指導計画2から教師の口頭の前にタイマーをセットし、タイマー音により予定時刻を知らせるようにしたところ、タイマー音のような機械音で素直に従える場面が多くなり、達成率も飛躍的に上昇した。
 ただし、2005年以降、良好だった達成率が低下してしまった。原因はよく分からない。指導が冬休みなどで途絶えてしまったのではないだろうか?

次の始まりの時間を守ることができる。
A:先行条件 B:行動 C:結果
タイマーが鳴った時(教師から1回、指摘があった時) 遊びをやめて自席に着くことができる。 先生からほめられる(↑)。


第一系列のタイトル: Baseline: ベースライン Intervention1: 口頭で指示 Intervention2: タイマーセット Intervention3: 後5分
記入日時 2006/02/24/12:20:07  No.217
記入者 管理者  E-Mail

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