200601



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帰宅後スケジュールを見て、手を洗う、着替え、服の片づけをすることができる。
概 要
 お母さんとしては、帰宅後に手を洗い、着替えをすませ、服の片づけをしてからおやつを食べてほしいそうである。しかし、現実は冷蔵庫に直行し、ジュースを飲んだり、おやつを食べることが多い。声かけで着替えをしても、服は散らかしたままで、服を手渡すと片づけをするという状態であった。「あまり手だてを工夫しなくてもいつかはできるであろうと思い、見過ごしてきた。」と、お母さんは話されていた。
 学校では、自らスケジュールを確認し活動ができているSくん。帰宅後の活動がスムーズにできるよう支援を考えた。

対象児のプロフィール
Sくん 小学部2年生 男児 知的障害 自閉症

諸検査結果
PEP-R2才3ヶ月(H17.2) S-M社会生活能力検査3才2ヶ月(H17.2)

障害の特性
 本児は、興味のあることに関して衝動的な行動をとることがある。しかし、約束カードや○×カードで望まれる行動を示しておくと、落ち着いて行動できることが多い。

指導者

長期目標
スケジュールを確認して、行動することができる。

短期目標
帰宅後に手順書を見て、手を洗う、着替え、服の片づけを行うことができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
 手洗いや着替え、服の片づけをすることは、学校では、スケジュールを確認して一人でできていることである。これらの活動は、家庭でも適切な支援があれば一人でできる生活習慣となってほしいと考え、この目標を設定した。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
 帰宅後、母の声かけにより手を洗うことができることもあれば、すぐに冷蔵庫を覗いて、お茶を飲んだりお菓子を食べたりすることもあるようだ。着替えは服を脱ぎ捨てる状態で、母が服を手渡すと、かごに片づけることができていたようである。

般化場面
スケジュールを確認して活動するという目標の般化場面として、買い物を立案中。

指導場面
帰宅時

指導手続
・スケジュールカード(文字と絵)を用意して、帰宅後の活動を伝える。また、服の片づけができるとおやつがもらえること、できていないとおやつがもらえないことも、○×カードで伝える。
・指導当初はスケジュールを指さしして、活動内容を確認する。徐々に、声かけ、遅延プロンプトなど、支援を減らしていく。
・スケジュールを確認してできたときには、言葉で賞賛し、おやつをあげる。

教材教具など
・スケジュールカード
・片づける○ 片づけない× カード

達成基準
点数評価(12点満点)で、12点が3日連続したら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面:帰宅後
評価:
一人でできる・・・4点
5秒待って声かけでできる・・・3点
声かけでできる・・・2点
指さしでできる・・・1点
できない・・・0点

指導期間
2006年7月25日〜8月1日

結果
 指導開始2日間は、スケジュールカードの指さしが必要であった。3日目からは、声かけで順に活動できるようになる。母の記録は、手洗いに声かけが必要という記録であった。しかし、話を聞いていると、手洗いに声かけが必要なのではなく、スケジュールを見に行くことに声かけが必要だったようである。実際、カードを見て手を洗いに行くことは、声かけなしでできているとのこと。(ここでの記録には、その点を反映した。)着替えと服の片づけは、3日目から一人でできており、8月1日に達成した。

考察
 ・本児には、望まれる行動を視覚的に提示すること(スケジュールや○×カード)が有効である、ということがよくわかる結果となった。一人ででき、それが母に褒められるということも強化に繋がったようである。
・またこの結果から、本児には言葉で理解できているようでも理解できていないことが多くある、ということも推測される。
改めて、視覚的な支援の必要性と大切さを感じた。

声かけの支援のみ(指導前)
A:先行条件 B:行動 C:結果
帰宅後、「手を洗おう」「着替えよう」と声かけ。 帰宅後すぐに、おやつを食べる。 母が声をかけてくれたり、片づけを手伝ってくれたりする。

スケジュールを確認して、手を洗う、着替え、片付けをする。(指導後)
A:先行条件 B:行動 C:結果
スケジュールを確認する。 手を洗う、着替えをする、片づけをする。 おやつをもらうことができる。
母に言葉でほめて貰える。


第一系列のタイトル: 得点
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導方法1:スケジュールを確認して、手を洗う、着替え、片づけができる  
第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2006/08/06/14:25:20  No.258
記入者 m  E-Mail

○印のついた色の給食ワゴンを運ぶための支援
概 要
Jさんは,自分のしたいことがあると,自分で行動をコントロールすることが難しく,何度も同じ要求を繰り返したり,他の行動に移れない場面が多くみられる。特に毎日楽しみにしている給食のワゴンを運ぶ活動については,他児が食べ終わるまで運ぶのを待つことが難しい。そこで,運べる給食ワゴンをカードで明記することによって,見通しを持って給食ワゴンを運ぶ活動ができるように考えた。 

対象児のプロフィール
小学部5年生 Jさん 知的障害

諸検査結果
MEPA(2006.2.16)

障害の特性
自分のしたいことに対して制止や拒否をされた場合に、気持ちのコントロールがうまくできず、行動を調整しにくい。

指導者
担任2人

長期目標
カードの表示にしたがって、行動することができる。
・短期目標:○印のついた色の給食ワゴンを運ぶことができる。
・指導目標:○印のついた色の給食ワゴンを運ぶことができる。

短期目標
○印のついた色の給食ワゴンを運ぶことができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
★要変更

 Jさんは,自分のしたいことがあると,自分で行動をコントロールすることが難しく,何度も同じ要求を繰り返したり,他の行動に移れない場面が多くみられる。特に毎日楽しみにしている給食のワゴンを運ぶ活動については,他児が食べ終わるまで運ぶのを待つことが難しい。そこで,運べる給食ワゴンをカードで明記することによって,見通しを持って給食ワゴンを運ぶ活動ができるように考えた。
 
○印のついた色の給食ワゴンを運ぶことができる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
Jさんは,給食終了後に給食ワゴンを運ぶ活動を楽しみにしている。対象クラスが給食を終えて、本児が給食ワゴンを運びたい場合は、そのワゴンを使っているクラスの教員に「かかかかか?(ワゴン運んでいいでか?)」と尋ねて、「いいですよ。お願いします。」と返事があった場合は嬉しそうな表情で運んでいる。「待ってください。」と返事があった場合は、大声を出したり、寝転がったり、また無理矢理に給食ワゴンを運ぼうとするなどの様子がみられ、落ちついて待つことが難しい。
ある程度、どこに給食ワゴンがあるか把握しており、運び終えると別の給食ワゴンへ向かい、運ぼうとする様子がみられる。

般化場面
玄関の牛乳パック回収箱で,○の付いた箱の牛乳パックのみつぶすことができる。

指導場面
昼休み(給食ワゴンを運ぼうとする場面)

指導手続
☆指導開始日のみ
\x{2460}運搬可能な給食ワゴンの色のカードケースに○印のカードを入れておく。
\x{2461}「ワゴンを運びますか」とことばかけしながら,確認ボードに誘導する。
\x{2462}○印のついた色を選択した場合は,「△△色のワゴンを運びます」と言いながら,教室のドアを開ける。
→指さしをしてとらない場合は、身体的ガイダンスを行う。
→○印の付いていないカードケースを選択した場合は,カードケースをボードに戻して,「○を取ります」とことばかけをする。
→それでも,○印の付いたカードケースを選択できない場合は,身体的ガイダンスを行う。
\x{2463}同じ色のワゴンまで誘導して、「△△、同じ、運べます」と伝えてから、一緒にワゴンのポケットにカードケースを入れる。
\x{2464}ワゴンのバーを持たせて、「お願いします」とことばかけする。
\x{2460}〜\x{2464}を3回繰り返す。
☆指導2日目から
\x{2460}運搬可能な給食ワゴンの色のカードケースに○印のカードを入れておく。
\x{2461}「ワゴン運びますか」とことばかけする。
→各教室に確認しに行った場合は、身体的ガイダンスで確認ボードに誘導する。
\x{2462}○印のついた色を選択した場合は,「△△色のワゴンを運びます」と言いながら,教室のドアを開ける。
→指さしをしてとらない場合は、身体的ガイダンスを行う。
→○印の付いていないカードケースを選択した場合は,カードケースをボードに戻して,「○を取ります」とことばかけをする。
→それでも,○印の付いたカードケースを選択できない場合は,身体的ガイダンスを行う。
\x{2463}カードケースと同じ色のワゴンまで行き、カードケースを入れて、ワゴンを運び始めた場合は、「お願いします」とことばかけを行い、称賛する。
→カードケースをポケットに入れることができない場合は、ポケットを指さす。それでも入れることができない場合は、身体的ガイダンスを行う。
→別の色の給食ワゴンにカードケースを入れようとする場合、または運ぼうとする場合は、カードケースを指さし、「△△のワゴンを運びます」とことばかけする。それでも運ぼうとする場合は、同じ色のワゴンを一緒に探す。
\x{2460}〜\x{2463}を1日3回実施する。

教材教具など
黒,赤,青,黄色,緑のカードケース,○印のカード,カードケースを貼るボード,給食ワゴンの名札(5色)

達成基準
12点満点が3日間連続したら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
行動1:○印のカードケースをとることができる。
行動2:同じ色のワゴンまでカードケースを持って行く。
行動3:ワゴンのポケットにカードケースを入れる。
行動4:カードケースを入れたワゴンを運ぶ。
行動1〜4それぞれについて、
   プロンプトなしでできた:1点 
   プロンプトありでできた:0点 とする。
1場面全てプロンプトなしでできた場合は4点満点とし、1日3回実施で12点満点になる。


指導期間
平成18年11月1日〜

給食ワゴンを運ぶ
A:先行条件 B:行動 C:結果
給食ワゴンを運ぼうとした時 その給食ワゴンを使っているクラスの教員に「かかかかか(運んでいいですか)?」とたずねると \x{2460}「いいです」と言われたら,給食ワゴンを運ぶことができる。

\x{2461}「待ってください」と言われたら,給食ワゴンを運ぶことができない。
 →勝手に運んで制止される。
 →大声を出す。
 →廊下に寝転がる。
 →何回も「かかかかか?」とたずねる。

記入日時 2006/11/01/18:30:11  No.306
記入者 フリーバード  E-Mail

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