200615



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小学部中学年自閉症男児のあそんでほしい時に「遊んでください」カードを渡すことができるための指導
概 要
本児は遊んでほしい時に教員の手をひっぱる、うなづくなどの手段での要求表現がみられる。しかし相手につたわりにくい場面も多く、遊びの内容や意思がが伝わらないことが続くと怒りだし、側にいる教員や友達を叩く、噛む、ひっかくなど他傷行動がみられる。パニック状態にまでおちいってしまうこともしばしばである。そこでコミュニケーションのスキルアップをはかり自分の意思を的確に相手に伝える手段を獲得することが他傷行動の軽減につながっていくのではないかと考え、遊びの時間を利用して指導を進めることにした。

対象児のプロフィール
Dさん 男児4年生男児(自閉症)

諸検査結果
SM社会生活能力検査
社会生活年齢2歳4ヶ月(H18.11.9)
MAS(評価点合計):感覚5 逃避11 注目7 
           物や活動要求19

障害の特性
気候の変化に弱く、特に暑さや湿度の高い時期は不快さから調子を崩すことが多い。また、集団での活動も苦手であり周りの友達の大きな声や泣き声でパニックをおこしてしまうこともある。発語に関しては、単音での発声はあるが発語はでていない。

指導者
k.m k.n

長期目標
遊んでほしい時に、携帯したカードの中から、遊んでほしい遊びを選択して教員に伝えることができる。

短期目標
遊んでほしい時に携帯したカードを見せ要求を教員に伝えることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
遊びの時間に「遊んでください」カードを教員に手渡し遊んでほしいことを伝える。(本児は自分の伝えていることがうまく相手に伝わらないと怒ってしまい、側にいる教員や友達を叩く、爪でひっかく、噛むなどの他傷行動をおこしてしまう。遊びの時間を利用し「遊んでください」カードを渡し相手に要求を伝え、それに応じてもらえるというところからアプローチし、他傷行動が軽減していけばと考えて標的行動に選んだ。)

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
スケジュールの「遊び」カードを取り、遊び選択ボードの中から行きたい場所を選択し、行きたい場所のカードを持って1人で移動する。遊びたい場所に移動したら、1人で遊ぶ場合もあるが、教員に追いかけてもらったり、ワンワンCarを押してもらったり、ブランコを揺ってほしくて教員を遊びに誘う場面もある。教員を誘う場合は、小さく手を挙げたり、うなづいたり、クレーンハンドで要求をする。要求に気がつかなくてすぐに対応できないことが重なると怒ってしまい他傷行動をおこしてしまう。

般化場面
担任以外の教員にも「遊んでください」カードを渡すことができる。

指導場面
すべての休み時間

指導手続
1,朝の着替え時に「遊んでください」カードを本児の  ズボンに携帯する。
2,遊んでほしい時に(クレーンハンド、うなづき、小  さく手を挙げる)などの注意喚起の行動が出るまで  待つ。
3,注意喚起の行動5秒間待つ。5秒待ってもカードを  見せられない場合はプロンプト(音声、指さし、身  体的ガイダンスの順で)を行う。        4,「遊んでください」カードを教員に見せることがで  きたら回数(ブランコ20回、カート1周)を口頭  で伝え一緒に遊ぶ。     
5,手続きを繰り返し学習の機会を確保する。

教材教具など
「遊んでください」カード

達成基準
自発的に教員に「遊んでください」カードを見せることができた割合が5日間連続して80%を超えた場合達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
自発的にカードを見せることができたかどうかを記録する。                   
1,正反応 自発的にカードを見せることができた。 2,誤反応 プロンプトによりカードを見せることがで  きた。      

指導期間
11月21日〜

結果
指導開始後3日間誤反応が続いたが4日目からは誤反応数が減り、正反応数が増えてきた。指導開始から10日目で達成した。

考察
固定式カードの使用が定着したことと、固定式カードよりも短時間で的確に要求が伝わることが理解できたため、短期間で目標を達成することができたと考えられる。

指導前
A:先行条件 B:行動 C:結果
遊びの時間
遊んでほしい時
近くに教員がいる
うなづく、手をあげる、教員の手をひっぱってくる 呼んでいることに気づいてもらえず遊んでもらえない
                     (↓)

指導場面
A:先行条件 B:行動 C:結果
遊びの時間
遊んでほしいとき
近くに教員がいる
携帯用の「遊んでください」カードを教員に見せる すぐに、遊んでもらえる(↑)


第一系列のタイトル: 「遊んでください」カードを教員に見せる
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2006/11/03/16:34:25  No.311
記入者 k.m k.n  E-Mail

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