200618



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欲しい物を写真カードで要求するための支援
概 要
 Gさんは,身近な単語や2〜3種類の二語文を言うことができ,教員が好きなものを提示して「○○いりますか?」と尋ねると「○○ください」と言うこともできる。しかし自発的な要求がみられるのは,歌のリクエスト等特定の場面に限られており,かつGさん独自のことばと動作による表現であるため,身近な人以外には伝わりにくい。
 そこで,だれにもわかりやすい形で自発的に要求が出せるよう,写真カードを使っての実践に取り組んだ。

対象児のプロフィール
Gさん
小2
女児
ダウン症

諸検査結果
新版K式発達検査 1歳8ヶ月(H.18.12.10実施)

障害の特性
歌が好きで,人なつっこい。

指導者
担任2名

長期目標
カードで自分のしたいことやして欲しいこと,欲しい物などを伝えることができる。

短期目標
写真カードを教員に手渡して欲しい物を要求することができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
ジャムの写真カードを教員に手渡してジャムを要求することができる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
欲しい物が手の届く場所にあると,取って教員に見せ,高い場所にあると手を伸ばして取ろうとする。欲しい物が見えるところになければ,自発的行動がみられることは少ないが,ある場所がわかれば,欲しいときに取りに行こうとする。欲しい物が目の前にあり,教員が「○○く・・(ださい)」と言うと,「○○ください」と言うことができる。写真カードについては,次の授業場所や内容を示した写真カードを見て授業名を言うことができる。要求行動のコミュニケーション手段として,写真カードはまだ使用していない。

般化場面
給食時間の水分補給時(水の要求)
休み時間の遊び(メロディ絵本)

指導場面
給食の時間

指導手続
【ベースライン】
ジャムを見えない所に置いておき,ジャムの写真カードを手の届く見える位置(おぼんの上)に置いておく。ベースラインは3日間。

【指導開始日のみ(ジャムをもらうための身体的ガイダンス)】
Gさんがパンをさわりだしてからすぐに,教員2が後方からGさんの手の甲をにぎって身体的ガイダンスを行い,ジャムの写真カードを教員1に手渡すよう支援する。教員1はすぐに「ジャムどうぞ」と言ってジャムを渡す。

【指導開始2日目以降】
ジャムの写真カードを教員1に差し出すことができた時はカードを受け取り,すぐに「ジャムどうぞ」と言ってジャムを渡す。Gさんがカードをさわったり,指さしをしてから5秒間待ってもカードを手渡そうとしなかった場合・・・カードを取れなかった時はカードを指さす。指さししても取れなかった時は,教員2が後方から身体的ガイダンスを行う。


教材教具など
ジャム,ジャムの写真カード,パン

達成基準
ジャムの写真カードを教員に手渡すことができる正反応のみの日が3日間連続したら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
正反応・・・プロンプトなしで,ジャムの写真カードを教員に手渡すことができた時(1回につき1点)

誤反応・・・プロンプト(身体的ガイダンス,指差し)をした時(プロンプト1回につき1点)


指導期間
平成18年10月24日〜10月31日

結果
要求回数は日によって差があったが,指導開始2日目から正反応が出て,3日間連続したため達成とした。

考察
指導開始日には,ジャムの写真カードを教員に渡せばジャムをもらえることが理解でき,要求行動のコミュニケーション手段として写真カードを使用することが学習できたと考えられる。

ジャムが欲しいときに写真カードで要求する
A:先行条件 B:行動 C:結果
ジャムが欲しい時 ジャムの写真カードを教員に手渡す ジャムがもらえる(↑)


第一系列のタイトル: 正反応数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  
第二系列のタイトル: プロンプトの合計点数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  
記入日時 2006/11/01/16:55:17  No.300
記入者 K  E-Mail

欲しい物を写真カードで要求するための支援
指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
ふりかけの写真カードを教員に手渡してふりかけを要求することができる

指導場面
給食の時間

指導手続
ふりかけを見えないところに置いておき,ふりかけの写真カードを手の届く見える位置(おぼんの上)に置いておく。

【指導開始日のみ(ふりかけをもらうための身体的ガイダンス】
Gさんが米飯を食べ出してからすぐに,教員2が後方からGさんの手の甲を握って身体的ガイダンスを行い,ふりかけの写真カードを教員1に手渡す。教員1はすぐに「ふりかけどうぞ」と言ってふりかけを渡す。

【指導開始2日目以降】
 ふりかけの写真カードを教員1に差し出すことができた時はカードを受け取り,すぐに「ふりかけどうぞ」と言ってふりかけを渡す。
 Gさんがカードをさわったり,指さしをしてから5秒間待ってもカードを渡そうとしなかった場合・・・カードを取れなかった時はカードを指さす。指さししても取れなかった時は,教員2が後方から身体的ガイダンスを行う。

教材教具など
ふりかけ,ふりかけの写真カード,米飯

達成基準
 ふりかけの写真カードを教員に手渡すことができる正反応のみの日が3日間連続したら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
正反応・・・プロンプトなしで,ふりかけの写真カードを教員に手渡すことができた時(1回につき1点)
どのようなことばが出たかについては,別に記録しておく。

誤反応・・・プロンプト(身体的ガイダンス,指さし)をした時(プロンプト1回につき1点)

指導期間
平成18年11月1日〜11月8日

結果
 指導開始後2日目から正反応が出て,3日間連続したため達成とした。

考察
 ジャムでの指導に引き続き,ふりかけも最短の日数で達成する結果となったが,このことから,欲しい物を写真カードで要求する行動が定着したと考えられる。
 現在,Gさんは休み時間にメロディー絵本を取って欲しい時に,スケジュールに入れているメロディー絵本の写真カードを近くにいる教員に手渡すことができるようになるなど般化場面が拡がってきている。
 要求のコミュニケーション手段として写真カードを使用できるようになったことは,Gさんが充実した生活を送る上で大変有意義があったと考えられる。今後ともGさんのコミュニケーションの幅が拡がっていくよう考えていきたい。

ふりかけが欲しいときに写真カードで要求する
A:先行条件 B:行動 C:結果
ふりかけが欲しい時 ふりかけの写真カードを教員に手渡す ふりかけがもらえる(↑)


第一系列のタイトル: 正反応数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  
第二系列のタイトル: プロンプトの合計点数
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1  
記入日時 2006/11/01/17:03:38  No.302
記入者 K  E-Mail

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