概 要 |
入学当初、本児の衣服の着脱に関するスキルはほとんど未獲得であり、大人の支援を待っている状態であった。しかし、登下校時の着替えやトイレ時の継続的な指導によりズボンを一人で履くことができつつある。 保護者と相談して、今回は上着を着る指導に取り組むことにした。学校で目標が達成したら、家庭でも環境設定を含んだ支援方法を統一することが重要である。
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対象児のプロフィール |
Aくん 小1年男児 ダウン症
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障害の特性 |
手指の力が弱かったり、両手を同時に使うなどの協応動作や微細運動が困難である。
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
声かけにより上着を一人で着ることができる
本児は着替えに関して依存的ではあるが、襟ぐりから頭を出す袖に腕を通すという動作ができている。課題分析によりできていない部分を支援すると、上着を着るという一連の行動ができると考えた。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
本児は椅子に座った状態で、上着は後ろ身頃を上に机上に広げておく。 以下の課題分析により児童の実態を測定した
1.服の裾を両手でつかむ 2.つかんだまま頭にかぶせる 3.服を引っ張り頭を出す 4.袖に右腕を通す 5.袖から右手を出す 6.袖に左腕を通す 7.袖から左手を出す 8.服の裾を両手で持つ 9.裾を引っ張る
3〜7の行動は一人でできるか、服を引っ張るなどの少しのプロンプトでできる。1.2.8.9は身体的プロンプトが必要である。
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指導手続 |
ベースラインと同じく本児は椅子に座った状態で、上着は後ろ身頃を上に机上に広げておく。裾がつかみやすいように前身頃と後ろ身頃が重ならないように布をずらせる。 【介入1】 つかむ部分(2カ所)にシールを貼っておく 指さしと裾を引っ張るなどの部分的支援、身体的プロンプトの順で支援する
【介入2】 つかむ部分(2カ所)にクリップをはさんでおく 裾が引っ張りやすいように整えてお 指さしと裾を引っ張るなどの部分的支援、身体的プロンプトの順で支援する
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達成基準 |
27点満点中25点以上が3日連続の場合達成とする
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記録の取り方(般化場面と指導場面) |
・声かけでできる: 3点 ・指さしと部分的支援(服の裾を引っ張る、手をさわる)でできる: 2点 ・身体的ガイダンスでできる:1 点 ・(本児が)しようとしない:0点
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参考にした先行研究や事例など |
データベース2005-25
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第一系列のタイトル: 上着を一人で着ることができる |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1
Intervention2: 指導手続き2
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記入日時 2007/02/04/02:51:42
No.354
記入者 TM
E-Mail
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