200642



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高等部知的障害生徒へのひらがな単語読みの指導
概 要
 ひらがな単語読みの能力に大きな遅れがみられる知的障害生徒に音韻意識訓練を実施し、ひらがな単語の音読に音韻意識訓練が及ぼす効果について検討する。

対象児のプロフィール
高等部2年
知的障害

諸検査結果
太田のステージ4-2

指導者
教科(国数)担任

長期目標
拗音・拗長音を除くひらがな5文字で構成された単語を,なめらかに読むことができる。

短期目標
拗音・拗長音を除くひらがな4文字で構成された単語を,なめらかに読むことができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
【標的行動】
拗音・幼長音を除くひらがな4文字で構成された単語の各モーラを,等間隔の長さで読むことができる。

【これを選んだ理由】
 対象生徒は、社会生活能力に比べて、話し言葉や音読、文字の理解に大きな遅れがみられ、社会生活場面における円滑なコミュニケーションの妨げとなっている。自分の言葉が相手に伝わらないことがわかると、コミュニケーションをあきらめてしまうことがある。また、生活に必要な漢字のよみがなが正しく読めず、言葉や文字に苦手意識を強く持っている。基本的なひらがな単語の読みを確実に身につけさせることにより、コミュニケーション能力の向上を図り、本人の自信へとつなげていきたい。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
・ひらがな清音の読みが可能である。
・4文字以上の単語の逐次読みが目立つ。
・語尾や文末の勝手読みがある。
・濁音と半濁音の読み誤りや混同がある。
・拗音・拗長音の読み誤りや混同がある。
・音読において、促音の省略がある。
・構音障害(音の置換や混同)がある(本指導計画とは別の場面で指導する)。

般化場面
朝学習の時間。指導課題以外のひらがな単語(拗音・幼長音を除く)25種類

指導場面
朝学習の時間。拗音・幼長音を含まないひらがな単語9種類×2セット

指導手続
【指導手続き 1 】
・単語の音声提示→モーラ分解訓練
・単語の音声提示→モーラ抽出訓練
・誤反応の場合はモデリングと再試行(2回まで実施)
・9種類の指導課題(グループ1) 音読
・訓練されていない単語9種類音読
【指導手続き 2 】
・単語カード5秒間提示→モーラ分解訓練
・単語カード5秒間提示→モーラ抽出訓練
・誤反応の場合はモデリングと再試行(2回まで実施)
・9種類の指導課題(グループ2)音読
・訓練されていない単語9種類音読(25種類からランダムに提示)

教材教具など
ひらがな単語カード,ひらがな文字カード,モーラ分解用紙,おはじき

達成基準
提示された9種類の単語カードを,全て各モーラ1/2秒程度の等間隔のリズムで読むことができる。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
指導場面:モーラ分解,モーラ抽出,読みのそれぞれについて,正答率を出す。
正答率=[プロンプトなしで正答した単語の数]÷[提示された単語の数]×100
般化場面:般化課題の読みについて,指導課題と同様に正答率を出す。

指導期間
2006年12月18日〜2007年3月9日

結果
手続き1【単語の音声提示によるモーラ分解・抽出訓練】
・モーラ分解の正答率が安定し始めると,抽出訓練の正答率も向上した。
・モーラ抽出の正答率が安定し始めると,訓練されていない単語の正答率が徐々に向上した。
手続き2【単語カード提示によるモーラ分解・抽出訓練】
・モーラ分解の正答率は,100%を維持していた。
・モーラ抽出の正答率が安定し始めると,ひらがな単語読みの正答率も伸び始めた。訓練していない単語の読み正答率も向上した。

考察
・モーラ分解訓練は,単語を音(ひらがな文字)のつながりとして理解するために有効であると考えられる。
・モーラ抽出訓練によって,ひらがな単語の音声と文字を結びつけることが可能となり,ひらがな単語読み能力が向上すると考えられる。
・ひらがな文字を読むことが困難な子どもへの,モーラを意識する訓練の有効性が示唆された。

モーラ抽出訓練場面
A:先行条件 B:行動 C:結果
ひらがなカードあり (正)全ての文字を見る

(誤)語頭の文字だけを見る
(正)教師のほめ言葉+記録のグラフが上向く(↑)

(誤)教師のほめ言葉なし+正答のプロンプト(−)


第一系列のタイトル: モーラ抽出正答率
Baseline1: ベースライン1   Intervention1: 指導手続き1   Baseline2: ベースライン2   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
第二系列のタイトル: 指導課題読み正答率
Baseline1: ベースライン1   Intervention1: 指導手続き1   Baseline2: ベースライン2   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/01/10/19:17:53  No.339
記入者 T  E-Mail

高等部知的障害生徒へのひらがな単語読みの指導

第一系列のタイトル: 般化課題正答率
Baseline1: ベースライン1(9種類の単語正答率)   Intervention1: 指導手続き1(9種類の単語正答率)   Baseline2: ベースライン2(ランダムに選んだ9種類の単語正答率)   Intervention2: 指導手続き2(ランダムに選んだ9種類の単語正答率)  
第二系列のタイトル: 
Baseline1: ベースライン1(9種類の単語正答率)   Intervention1: 指導手続き1(9種類の単語正答率)   Baseline2: ベースライン2(25種類の単語正答率)   Intervention2: 指導手続き2(25種類の単語正答率)  
記入日時 2007/01/16/15:57:04  No.344
記入者 T  E-Mail

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