200916



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事例担当者のイニシャル[HELP]h.s
事例研究のタイトル[HELP]教員が生徒に対し,「○○さん」と呼べるようになるための支援
事例の概要[HELP]特別支援学校の教員は、生徒に対して、親しみを込めて下の名前や愛称で呼名することが多い。それが高等部になっても小学部入学からの呼び方が続いてしまっている。年齢相応の対応の仕方や、人権教育の観点からそれはふさわしくないと考える。
対象児のプロフィール[HELP]特別支援学校教員6名
(30〜50歳台、男性2名、女性4名)
指導者の役割と人数[HELP]事例担当者6名
長期目標[HELP]教員が生徒に対してさん付け呼称ができる
短期目標[HELP]授業中、教員が生徒に対してさん付け呼称ができる
標的行動(増やしたい行動)[HELP]教員が生徒に対し、男女関係なく「○○さん」と呼名することができる
標的行動(減らしたい行動)[HELP]教員が生徒に対し、下の名前や愛称で呼名する
標的行動を取り上げる意義[HELP]生徒の成長に応じて、それに合わせた呼名をすることは当然である。しかし、特別支援学校ではそれが十分ではないと考える。教員自身もそれは分かっているが、つい・うっかりでできていない。そこで、教員のつい・うっかりをなくすと共に、人権意識の向上のために事例として取り上げた。
事例に関する情報[HELP]教室が隣同士の年齢、男女等様々な教員集団である
問題の推定原因[HELP]事例対象教員の話し合いの中から
・さん付け呼称はすべきである
・つい忘れてしまう
・親しみを込めた呼び方にするとなってしまう
・さん付け呼称は冷たい感じがする
想定される解決策[HELP]人権意識の向上
「つい」をなくす
選択した原因と解決策[HELP]しなければいけないことは分かっているが、つい忘れてしまうという意見が多かった。そこで、セルフチェックシートを用い、常に意識できるようにする
般化を狙う場面[HELP]日常生活全般
指導場面[HELP]生徒の登校から下校まで(8:40〜15:10)
指導手続き[HELP]ベースライン(5日間)
1.1週間の始めに記録用紙を配布する
2.授業1時間ごとの記録をとる(セルフチェック)
指導1
1.1週間の始めに記録用紙を配布する
2.授業1時間ごとに記録を取る(セルフチェック)
3.週末に記録用紙を回収する
4.個別の正反応率を出す
5.次週の始めに正反応率グラフを見せ、モチベーションの向上を図る
6.毎週1回程度、事例担当教員が集まり、途中経過や良かった所、反省点を話し合う
利用可能な好子[HELP]言語賞賛
達成率グラフの向上
教材教具など[HELP]セルフチェックシート
成功(正反応率)グラフ
記録の取り方[HELP]授業1時間ごとにできたかどうかを○×で記録。
・授業1時間中、すべてさん付けができた・・・○
・授業1時間中、1回でもできなかった・・・×
正反応が出た時間÷1日の授業時間で正反応率を出す
6名の教員の正反応率と全員の正反応率の平均を出す
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:2009年11月16日〜12月22日
達成基準:正反応100%が連続5日
中止・改善基準:正反応0%が5日連続の時に指導を中止・改善する
結果[HELP]緩やかではあるが、正反応率は徐々に上がってきている。個人によって正反応率の変化に違いはあるが、全員がおおよそ同じような達成率の向上であった。ベースラインの時からさん付け呼称をしようとする意識が見られたため、指導介入前から正反応率に向上が見られた。
記録の取り方に問題があり、達成率が大きく伸びないところあった(1時間中、10回正反応が出た場合でも、1回の誤反応があった場合、その時間は×がついてしまう)。
考察[HELP]さん付け呼称を事例研究として取り入れることで、対象の教員だけでなく、同じ授業に入っている教員もさん付け呼称が定着しつつある。しかし、標的行動の向上にはつながっているが、イコール人権意識の向上につながったかどうかは疑問が残る。単に、チェックリストに○をつける、標的行動を達成するだけではあまり意味がないと感じた。

問題行動のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
生徒を呼名するとき 「○○(呼び捨て)」「○○ちゃん」等の呼び方をする 生徒が返事する(−)
人権意識が低下する(↓)

標的行動が生起している時
A:先行条件 B:行動 C:結果
生徒を呼名するとき 「○○さん」と呼ぶ チェックに○がつく(↑)
生徒が返事する(−)
生徒も正しい言葉遣いをする(↑)
人権意識が向上する(↑)


データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2010/01/08/15:40:08

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