200919



[TOP]  [検索


事例担当者のイニシャル[HELP]S Y Y
事例研究のタイトル[HELP]小学部低学年自閉症児が拗音を読むことができるための支援
事例の概要[HELP] Aさんはひらがなの清音や撥音は読めるが,逐次読みをしていた。4月からの指導によって促音や濁音,半濁音が読めるようになった。しかし,拗音や拗長音については逐次読みをしてしまい,単語の意味をとらえることができなかった(単語を読んだ後も,「これは何?」と書かれているものが分からない様子であった)。
 拗音についての学習では,拗音の視写,拗音を含む単語を聞いて選ぶことができる。また,発音が不明瞭な部分はあるが,音声模倣もできる。これらのことから,拗音で書かれている2つの文字をまとめてとらえる練習に焦点をしぼり,指導を進めることにした。
 また,Aさんは読み書きの学習について苦手意識があり,難しい課題や気分が乗らないときは「もうイヤや」や「せん!」と言って,寝転んだり,ふてくされたりしてしまうことがある。そこで,拗音の学習では1回に一行ずつ(きゃ・きゅ・きょ)取り上げ,すこしずつステップアップすることにした。
対象児のプロフィール[HELP]小学部1年 男児 Aさん 知的障害,自閉症
PEP-R 発達年齢:4歳6ヶ月(平成21年5月)
WISC-3 IQ:全検査69 言語性65 動作性80
     群指数:言語理解64 知覚統合79 注意記憶71 処理速度89 (平成21年4月)
K-ABC 継次処理尺度70  同時処理尺度78 認知処理過程尺度73
     習得度尺度68 非言語性尺度79 (平成21年5月)
PVT 4歳2ヶ月(平成21年5月)
指導者の役割と人数[HELP]担任3名(MTはS)
長期目標[HELP]拗音・拗長音を含む単語が混じった文章を読むことができる。
短期目標[HELP]拗音・拗長音を含む単語を読むことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]提示された拗音のカードを見て、その拗音を読むことができる。
般化を狙う場面[HELP]指導以外の拗音・単語、本読み
指導場面[HELP]課題学習(対面課題)
指導手続き[HELP]1 対面学習
(1)拗音カード(「きゃ」)と清音カード(「きや」)を5枚ずつ準備する(写真1)。
(2)初回はカードを見せながら,「これは“きゃ”」と「これは“きや”」と読み方の確認をする。
(3)カードをシャッフルして1枚ずつ見せながら,「これは?」と聞く。
(4)正しく読めたときは誉めて,間違えたときは正答を教えて読み直す。
(5)1セット(「きゃ」・「きや」)が終わったら,次のセット(「きゅ」・「きゆ」,「きょ」・「きよ」)に進む。
(6)か行3セットを達成したら,さ行に進む(以降,た行,な行と進める)。
(7)正しく読めるようになった(達成基準を満たした)拗音は,一覧表(「きゃ」〜「りょ」の21種類)に合格シールを貼るようにした(写真2)。
(8)今回の指導とは別の課題として,拗音・拗長音を含む単語を読む課題にも取り組んだ(写真3)。

2 プリント学習
 自立課題の時間に次のプリント学習に取り組む。
(1)書取のプリントを音韻を意識できる様式に変更する(資料1)。
(2)拗音と清音で正しい方を選択するプリント課題を導入する(資料2)。
利用可能な好子[HELP]賞賛
教材教具など[HELP]拗音カード、清音カード
拗音の表、合格シール
記録の取り方[HELP]それぞれの拗音についての正答数と誤答数を記録する。

正答率を次の式で計算した。
正答率(%)=正答数/(正答数+誤答数)×100
指導期間と達成基準[HELP]正答率が3日連続で100%のときを達成とする。

拗音を読む
A:先行条件 B:行動 C:結果
「これは?」という質問
「きゃ」カード
「きゃ」と言う 読めた(↑)
「正解!」と賞賛される(↑)
次のカードに進む(↑)

逐次読みをする
A:先行条件 B:行動 C:結果
「これは?」という質問
「きゃ」カード
「きや」と言う 読み直し(↓)
「これは“きゃ”だよ」と訂正される(?)
次のカードに進まない(↓)

記入日時 2009/12/07/16:44:48

現行ログ/ [1]
++徳島ABA研究会++

++マニュアル++
TOP
shiromuku(h)DATA version 4.00