200927



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事例担当者のイニシャル[HELP]k、 N、 A
事例研究のタイトル[HELP]「くつ」のことばかけで上靴を脱ぐための支援
事例の概要[HELP]身辺自立のスキルを高めるため、「くつ」のことばかけで上靴を脱ぐ指導を行う。
「くつ」のことばかけで「くつ」がイメージできるように。(ことばと具体物を結びつける)
対象児のプロフィール[HELP]精神運動発達遅滞
 新版K式発達検査:11ヶ月(H20.7月)
 MEPA-R (H21.12月) 
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・ひとりでの歩行はむずかしい。移動はバニーホッピング
・座位をとることができる。座位姿勢は安定している。
・物を持つことについては、短時間であれば保持できることができるようになっている。  
(親指、人差し指は充分に使えない)
・聴覚・視覚刺激がよく入り、雑然とした環境では落ち着かない。
・簡単な質問に対し、手を叩くことでで「YES」の返事をすることがある。
・簡単なことば(普段よく使われ興味のあるもの)については理解しているようだ。
・上靴のかかと部分を持ち、脱いでいることがある。(動きのスキルはあると思われる。)
長期目標[HELP]「くつ」のことばかけで上靴を脱ぐことができる。
短期目標[HELP]三面の衝立をし、環境設定をした中で「くつ」のことばかけに応じて上靴を脱ぐことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]三面の衝立をして環境設定をし、足が重ならないように座位をとり、手を膝の上に置いて体勢を整えた後、「くつ」のことばかけで上靴を脱ぐことができる。
標的行動を取り上げる意義[HELP]身辺自立のスキルを高めるために「くつを脱ぐ」動作を習得する。また、コミュニケーションの面からも、「くつ」のことばかけでくつが脱げるように(ことばで具体物や動作がイメージできるように)支援していく。
事例に関する情報[HELP]・上靴は時々自分で脱いでいるときがある。靴下はよく脱いでしまう。
・上靴のかかと部分にリングをつけていた時もあったが、脱ぐ気になれば手でかかと部分をもって脱ぐことができている。
・日頃からよく使っていることばは、なんとなくではあるが理解しているようである。「本読もうか?」の問いかけに手を叩いてYESを意思表示したり、「トイレ」のことばかけでトイレに向かったりすることがある。移動はバニーホッピング(正座の状態で両手を床につけ跳ねるように移動する)で。
・視覚、聴覚刺激がよく入り、まわりに人がいたり、ザワザワした環境のなかでは集中できず、常に周りを見渡している。
・環境を整備する(三面を衝立で囲む)ことで集中して課題学習に取り組めるようになってきている。
問題の推定原因[HELP]・くつを脱ぐ動作が習得できていない。
・まわりが気になり、指示された動作に移ることができない。
・「くつ」のことばと具体物(くつ)あるいは「くつを脱ぐ」動作が結びついていない。
・くつを脱いでも、何もよいことが起こらない。
想定される解決策[HELP]・毎日繰り返し練習することで「くつを脱ぐ」動作を習得する。
・毎日繰り返し練習することで「くつ」のことばかけと「くつを脱ぐ動作」が結びつくようにする。
・課題に集中しやすい環境を設定する。
・好子を設定する。
選択した原因と解決策[HELP]選択した原因
・まわりが気になり、指示された動作に移ることができない。
・「くつ」のことばと具体物(くつ)あるいは「くつを脱ぐ」動作が結びついていない。
・くつを脱いでも、何もよいことが起こらない。

解決策
・毎日繰り返し練習することで「くつ」のことばかけと「くつを脱ぐ動作」が結びつくようにする。
・課題に集中しやすい環境を設定する。
・好子を設定する。
般化を狙う場面[HELP]・毎日繰り返し練習することで「くつ」のことばかけと「くつを脱ぐ動作」が結びつくようにする。
・課題に集中しやすい環境を設定する。
・好子を設定する。
指導場面[HELP]朝のトイレの後。上靴を履いておく。
指導手続き[HELP]衝立で三面(左、右、前)を囲む。
足が重ならないように「く」の字型に前方に投げ出すようにして座る。
手は動かしやすいよう、膝の上に置く。(床に手をついた時はそのつど直す)
教員はうしろから肩越しに、ことばかけやプロンプトを出す。

 1、「くつ」とことばかけする。5秒待ち、動きがないときは2に進む。
 2、「くつ」とことばかけし、(右の)くつを指差しする。5秒待ち、動きがないときは3に進む。
 3、「くつ」とことばかけし、(右の)くつを叩く。5秒待ち、動きがないときは4に進む。
 4、「くつ」とことばかけし、(右の)くつの下に教員の手を差し入れる。5秒待ち、動きがないときは5に進む。
 5、「くつ」とことばかけし、(右の)くつを5cm程度持ち上げる。
同様にして左側のくつで行う。
「くつ」のことばかけのみで、くつが脱げるまで毎日行う。
利用可能な好子[HELP]・称賛する。
・くつを脱ぐと、マットに上がって好きなおもちゃで遊ぶことができる。
教材教具など[HELP]三面衝立(段ボール)上靴
記録の取り方[HELP]1、「くつ」ということばかけのみで脱ぐことができた。・・・0点 
2、「くつ」とことばかけし、指差しすることで脱ぐことができた。・・・1点
3、「くつ」とことばかけし、くつを叩くことで脱ぐことができた。・・・2点
4、「くつ」とことばかけし、くつの下に教員の手を差し入れることで脱ぐことができた。・・・3点
5、「くつ」とことばかけし、くつを5cm程度持ち上げることで脱ぐことができた。・・・4点

指導期間と達成基準[HELP]プロンプトなし(プロンプト得点0点)で左右の上靴を脱ぐことが3日続いたら達成とする。


「くつ」のことばかけで上靴を脱ぐ
A:先行条件 B:行動 C:結果
衝立で三面(左、右、前)を囲む。
足が重ならないように「く」の字型に前方に投げ出すようにして座る。
手は動かしやすいよう、膝の上に置く。
教員はうしろから肩越しに、「くつ」とことばかけする。
くつを脱ぐ(左右とも) 教師より称賛される。
マットに上がり、好きなおもちゃで遊ぶことができる。
マットに上がり、好きな友だちのところへ行くことができる。

記入日時 2009/11/16/14:28:23

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