200938



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事例担当者のイニシャル[HELP]FH
事例研究のタイトル[HELP]高等部生徒がハンカチとティッシュを使い分けるための指導
事例の概要[HELP]○対象の男子生徒は,机や床の水滴,汚れに過敏に反応し,手の甲やハンカチで拭き取る行動が頻繁に見られる。

○就業体験先の施設では,流し台の周りの水をハンカチで拭き,衛生的に問題であると指摘された。

○ゴミ箱をハンカチで拭いているとき,担任に大声で注意されてパニックを起こしたことがある。
対象児のプロフィール[HELP]○高3男子,自閉症
○発語なし。コミュニケーションカードで意思伝達ができる。(トイレ,お茶,欲しい,助けて,できました,休みたい)
○日常生活に使う言葉で指示が理解できる。
○普段と大きくスケジュールが変わるとき,こだわり行動を止められたときにパニックを起こすことがある。
○手洗いの後,ハンカチで手を拭くことは定着している。
○箱のティッシュを取って,鼻水や床を拭くことがある。
○ポケットティッシュは携帯していない。
指導者の役割と人数[HELP]担任:FH
長期目標[HELP]休日に利用する施設で、机や床の水、汚れをティッシュで拭くことができる。
短期目標[HELP]昼食や作業のときに、机や床の水、汚れをティッシュで拭くことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]登校時に机の上の水滴をティッシュで拭く。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]登校時に机の上の水滴をハンカチや手の甲で拭く。
標的行動を取り上げる意義[HELP]○ハンカチとティッシュの使い分けをすることは、学校だけでなく、家庭、施設の生活でも必要なことである。

○身の回りを清潔に保つことは、社会的妥当性が高い。
事例に関する情報[HELP]○こだわり行動がある。(ドアが少し開いていると閉める、物の位置、向きを直す)

○環境の変化により、落ち着かないときには、こだわり行動が増える。

○目で見づらい小さなゴミを拾ったり、払ったりすることがある。

○高3になってからはパニックはない。
問題の推定原因[HELP]1.机や床が汚れているのは嫌だから
2.ポケットにティッシュがないから(ハンカチのみ)
3.ハンカチに臭いをつけたいから
4.綺麗と汚いがわからないから
5.イライラが落ち着くから
6.ポケットティッシュの使い方を知らないから
想定される解決策[HELP]1.ポケットティッシュを携帯させる
2.綺麗と汚いを教える
3.臭いつきのハンカチ、または小物を持たせる
4.ポケットティッシュの使い方を教える
5.余暇の過ごし方を増やす
選択した原因と解決策[HELP]<原因>
ポケットティッシュの使い方を知らないから

<解決策>
ポケットティッシュの使い方を教える
般化を狙う場面[HELP]昼食後,汚れた机をティッシュで拭く。
指導場面[HELP]○職業の時間(毎週木曜)
○登校時の教室
指導手続き[HELP]<介入1>登校時の教室

1.机に水滴を落としておく
2.机にポケットティッシュを置いておく
3.ハンカチで拭こうとしたら「ティッシュ」と声かけする
4.ティッシュで拭けたら、「マル」と声をかけ、手をパチンと合わせる(好子)

<介入2>職業の時間

1.ポケットにティッシュを入れさせる(朝の着がえ後)
2.モデリングのビデオを見せる
3.机の上の水滴を指さす
4.ハンカチで拭こうとしたら「ティッシュ」と声かけする
5.ハンカチで拭いてしまったら、再び水滴を落とし、指さす
6.ティッシュで拭けたら、「マル」と声をかけ、手をパチンと合わせる(好子)
                  ※3試行おこなう

利用可能な好子[HELP]○手の甲や首をくすぐる
○肩もみ
○手のひらをパチンと合わせる,ハイタッチ
○「マル」という声かけ
○お菓子何でも
○動物,ディズニーの本
○「おかあさんといっしょ」DVD
教材教具など[HELP]ティッシュで机を拭くモデリングビデオ
記録の取り方[HELP]<記録場面>
登校後ぬれた机と、昼食後汚れた机

<得点>
ポケットからティッシュを取り出して拭く(3点)
教師の「ティッシュ」の声かけで、ティッシュを取り出して拭く (2点)
ハンカチや手の甲で拭く (1点)
水滴や汚れに気づかない (0点) 
指導期間と達成基準[HELP]<達成基準>
自発が5日間続いたら達成

<中止基準>
ハンカチや手で拭く、または声かけありで拭く行動が5日間続いたら中止
結果[HELP]○ティッシュを置いただけ(介入1)では、机を拭く行動は生起しなかった。

○ビデオモデリングで練習する(介入2)と,机を拭く行動が増えた。

○般化場面である昼食後の机を拭く行動は増えなかった。

考察[HELP]○同じ机を拭く行動でも、場面が違うと般化が難しい。

○教室以外の場面では、使い分けが必要と予想される場面を精選し、練習の機会を設定する必要がある。

○「汚い」、「不潔」という概念を教えるには、どうすればよいのか課題が残る。

Before
A:先行条件 B:行動 C:結果
机に水あり
(ポケットティシュなし)ポケットにハンカチ
無臭のハンカチ
綺麗なハンカチ
ハンカチで拭く 机に水なし(↑)
臭いのついたハンカチ(↑)
教師の起こる声(↓)
汚れたハンカチ(−)

After
A:先行条件 B:行動 C:結果
机に水あり
ポケットにティッシュあり
モデルあり
もうすぐ「ティッシュ」と言われる
ティッシュで拭く 机に水なし(↑)
手をパチン(↑)
教師のほめる声(↑)
「ティッシュ」と言われない(↑)


結果のグラフ

モデリングビデオ
記入日時 2010/03/24/09:22:48

現行ログ/ [1]
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