201023



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事例担当者のイニシャル[HELP]m,t
事例研究のタイトル[HELP]特別支援学校中学部の生徒が昼休みにたくさんの友だちと遊べるようになるための支援
対象児のプロフィール[HELP]特別支援学校中学部1年男子,自閉症
WISC3  63(動作性61 言語性83)
長期目標[HELP]昼休み時間に色々な遊びを企画し、5人以上の友達と遊ぶことができる。
短期目標[HELP]昼休み時間に3人程度の友だちと適切に関わって遊ぶことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]教師の支援を受けながら、3人程度の友だちと簡単な遊びをすることができる。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]昼休みに教室や廊下を一人でブラブラする。
事例に関する情報[HELP]休み時間の過ごし方が分からないため,「ぼくは今何をすればいいのでしょうか?」と問いかけてくることが,度々あった。本生徒の様子から,一人で過ごせる遊び等を視覚的に提示して支援をしてきたが,その中から選んで少し試してみることはあったが,継続される様子や腑に落ちている様子が見られなかった。「遊びの輪」の活動が始まる少し前から,昼休みに「体育館に行ってもいいですか?」と聞いてくるときがあり,友だちとの関わりを欲している様子が見られた。2週間分のベースラインでは,教員に話しかけたり一部のクラスメイトに関わろうとする場面は見られたが,その他の生徒に近寄ろうとする場面はあるものの話しかけたり一緒に遊ぶということはみられなかった。
問題の推定原因[HELP]1.友だちを遊びに誘ったり、昼休みに一緒に遊んだり、協力してくれたりする友達がいない
2.昼休み時間は、本人の自由意思を尊重し、遊びのルールや相手について明記されておらず、構造化されていないため。
想定される解決策[HELP]1.昼休みに2人1組のバディを組ませて、2人で協力して友達を誘うようにする。
2.昼休み時間に遊び相手や遊ぶ内容、時間などを明記し、遊ぶための手立てを具体化したプロジェクトを始めて、役割を持たせる。
指導場面[HELP]月曜日から金曜日の昼休み
指導手続き[HELP]プロジェクト「友だちの輪」
1.中学部全体に呼びかけて、昼休み時間に友だちとバディを組んで一緒に遊びをしてくれる人を募る。このプロジェクトに参加してくれる生徒は、与えられた役割に対して動機づけを高めるために専用の名札を配布する。
2.友だちとバディを組んだ人は、遊びの内容と遊びの人数(最初は2人から5人まで)を設定し、その遊びに参加してくれる人を昼休みに呼びかけて募る。名札は、友だちに参加を呼びかけるときに使用する。
3.遊びの内容はルールが明確な、黒ひげやスティッチ、ジェンカなどから行う。定着してきたら、ホールや体育館での遊びなど徐々に高度なものにしていく。
4.毎週月曜日の昼休みに、このプロジェクトに参加する生徒が、ブレインストーミング(各人が自由に意見を述べる)形式で、活動中に発生した問題を話し合う時間を取る。
5.最初は教員が付いて、活動に手を貸すようにし、徐々にフェイドアウトしていく
6.設定した遊びの時間内で遊びに参加した友だちの数を生徒に記録させる。
利用可能な好子[HELP]遊びに参加した人数を記録し、グラフに累積で記録、視覚化させることで達成感を感じさせる(グラフが右肩上がりになる)。
記録の取り方[HELP]設定した遊びの時間内に遊びに参加した友だちの数を記録する。
指導期間と達成基準[HELP]達成基準
一緒に遊んだ友達の数が7日間連続5人以上の場合

中止基準
一緒に遊んだ友達の数が7日間連続2人以下の場合
結果[HELP]友達と遊べるようになって,充実感がある。ゲームのときは,友達にルールを説明したり用具の準備をすることで,大変やりがいを感じて取り組むことができた。「友達の輪」に参加する生徒を呼びかけて集めたり,参加人数を記録していくことなどに責任感をもって臨むことで,昼休みの過ごし方に自信や充足感をもっている。「ぼくは今何をしたらいいのでしょうか?」と言うことがなくなった。
考察[HELP]友達と関わって遊ぶことは現段階では難しいと思っていたのは,教員の誤解であった。マニュアルや名札を着けるなどの手立てがあることや,係の仕事として取り組むということで,友達を遊びに誘ったり,一緒に活動したりすることへの抵抗感を減らすことができた。参加人数を記録することで,次もまた頑張ろうという意欲につながっている。

現状のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
1.昼休み
2.することがない時
3.担任の先生
4.友達
ブラブラ歩く 1.昼休みが終わった↑
2.することあり↑
3.声かけあり↑−
4.友だちと関わりなし↓

解決策のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
1.昼休み
2.友達の輪のスタッフ+名札
3.担任の先生
4.友達

5.記録用紙
友だちと遊ぶ 1.昼休みが終わった↑
2.スタッフの仕事をした+することあり↑
3.褒め言葉「よくがんばったね」↑
4.友達と遊んで楽しかった↑
5.一緒に遊んだ友達の数が増えた↑

FILE 183_201_1.ppt
友達の輪記録
FILE 183_201_2.ppt
春の講座発表用原稿
記入日時 2011/01/07/13:34:17

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