201107



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事例担当者のイニシャル[HELP]FT、KM
事例研究のタイトル[HELP]中学部の自閉症男児が自立課題を時間内に終えることができるための支援
事例の概要[HELP]自立課題を終えるまでの時間が長くなるときが多い。課題に取りかかるまでに時間がかかったり,取り組み始めてからも途中で動きが止まることもある。
対象児のプロフィール[HELP]特別支援学校中学部2年生,男子,自閉症
PEP−R(平成22年3月16日) 発達年齢3歳7ヶ月 めばえ4歳1ヶ月
指導者の役割と人数[HELP]指導者A:FT(担任)
指導者B:KM(担任)
以上2名
長期目標[HELP]自立課題を時間内に終えることができる
短期目標[HELP]自立課題を20分以内に終えることができる
標的行動(増やしたい行動)[HELP]自立課題を20分以内に終えることができる
標的行動(減らしたい行動)[HELP]自立課題に20分以上かかる
標的行動を取り上げる意義[HELP]自立課題は,着替えの後に毎日行っている授業で,一日の学校生活のスタートとなる学習である。A君にとって自立課題エリアの落ち着く場所で学習することは,居心地がよく,ゆっくり過ごす場所になってしまっているのか,課題を終えるまでに時間がかかる。自立課題を終えることに時間がかかると後の授業ができなくなり,他の授業時間の確保が難しくなる。自立課題の環境を変えることで,時間内に自立課題を終えることができれば,学校生活のリズムが一定になり過ごしやすくなるのではと考えた。
事例に関する情報[HELP]○物理的に構造化された教室を主な活動場所として,学校生活を送っている。
○学校生活では,全日の写真スケジュールを使用している。
○二〜三語文での言葉による表出はあるが,支援が必要な場面や要求がある場面でも自発的に伝えることが難しい。カードを使用して要求を伝える練習をしている。
○お菓子をバックアップ好子としたトークンエコノミーシステムを活用している。
問題の推定原因[HELP]いつまでに課題を終われば良いかわからない。
自立課題をする場所が落ち着く。
座って課題をする。
苦手な課題(数の操作)を含む4課題がある。
想定される解決策[HELP]タイムログを提示する(時間制限有り)。
時間内に終えたらトークンがもらえる。
立って課題をする。
数の操作の課題を除いた4課題にする。
選択した原因と解決策[HELP]原因1 :苦手な課題(数の操作)を含む4課題がある。
解決策1:数の操作の課題を除いた4課題にする。
般化を狙う場面[HELP]・時間内に終える必要のある他の授業場面
・朝の着替えの時間
指導場面[HELP]自立課題の時間
指導手続き[HELP]<介入1> 
1.立位で課題を行うよう,自立課題エリアの椅子を無くしておく。
2.自立課題教材を4課題,ボックスにセットしておく。
3.A君が自立課題エリアに入ったら,トークンを自立課題スケジュールの最後に貼る。
*自立課題終了後に不安定になることが続いたため中止し,介入2へ

<介入2> 
1.椅子に座った状態で自立課題を行うようにする。
2.自立課題教材を4課題,ボックスにセットしておく。
3.A君が自立課題エリアに入ったら,タイムログをA君の右前方に提示し,20分セットする。トークンは自立課題スケジュールの最後に貼る。
4.20分以内に自立課題を終えることができなかった場合(タイムログのタイマーが鳴ったら),トークンをスケジュールから取る。
*介入2により達成したが,その後に記録を取ると,課題に20分以上かかる日が続いたため,介入3を実施。

<介入3>
1.数の操作の課題を除いた4課題をボックスにセットしておく。
2・A君が自立課題エリアに入ったら,タイムログをA君の右前方に提示し,20分セットする。トークンは自立課題スケジュールの最後に貼る。
3.20分以内に自立課題を終えることができなかった場合(タイムログのタイマーが鳴ったら),トークンをスケジュールから取る。

 
利用可能な好子[HELP]お菓子
教材教具など[HELP]タイムログ,トークン,自立課題教材
記録の取り方[HELP]A君が自立課題にかかった時間の記録をとる。
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:平成23年9月5日〜平成23年12月15日
ベースライン:平成23年6月1日〜平成23年7月14日
達成基準:<介入1・介入2>自立課題を20分以内に終えることができた日が5日間連続
     <介入3>自立課題を20分以内に終えることができた日が10日間連続

中止・改善基準:自立課題を20分以内に終えることができなかった日が5日間連続
         
結果[HELP]○介入1では,20分以内で終えるときと20分以上かかるときが交互にあった。今まで経験のない立位で課題を行ったため,課題の後に不安定になることが多かった。
→自立課題終了後に不安定になることが続いたため中止し,介入2へ

○介入2では,視覚的に終了するまでの見通しが持てたこともあり,開始から3日目には20分以内で課題を終えることができた日が6日間続いた。その後20分以上かかる日が出始めた。

○介入3では,20分以上かかった日が2日あった以外は11月25日以降,10日以上連続して20分以内で終えることができた。
考察[HELP]○介入1では,座位から立位で課題をするよう変更したために不安定な様子がみられた。
→介入による環境の変化が情緒に大きく影響する面があるため,考慮する必要がある。

○介入2では,タイムログを使用することでかかる時間が短くなり,達成基準を満たすことができた。しかし,依然時間がかかる時もあったため,他の解決策が必要と考えて介入3に取り組んだ。

○介入3では,自立課題の内容を精選することと視覚的指示が多い課題を用意することの必要性を感じた。

○時間がきてトークンを取られた時は,ことばで拒否する様子がみられていたが,介入2,3で用いたトークンを取り去る指導の有効性については今後検討していく必要がある。

自立課題をする(Before)
A:先行条件 B:行動 C:結果
いつまでに終われば良いか分からない
落ち着く場所
苦手な課題を含む4課題
座って課題をする
自立課題をする トークンをもらえる(↑)
トークンがたまったらお菓子(↑)
座って休めなくなる(↓)
落ち着く場所なし(↓)

自立課題をする(After)
A:先行条件 B:行動 C:結果
タイムログ提示有り(時間制限)
時間内に終えたらトークン
他って課題をする
苦手な課題を除いた4課題
自立課題をする トークンをもらえる(↑)
トークンがたまったらお菓子(↑)
達成感(↑)
早く休憩できる(↑)



FILE 217_236_1.xls
自立課題に要した時間
記入日時 2012/02/27/08:24:01

現行ログ/ [1]
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