201114
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事例担当者のイニシャル
[HELP]
K.O
事例研究のタイトル
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中学部1年生男子生徒の路線バスによる通学支援について
事例の概要
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保護者の送迎により通学しているが,保護者の都合が付かない日は欠席となってしまい,その結果,4月から11月の出席率は52%となっていた。そこで,路線バスによる通学支援を行い,一人で学校に来るためのスキルを身につけてもらいたいと考えた。
対象児のプロフィール
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中1 男子生徒 アスペルガー症候群
WISC 全検査IQ91
指導者の役割と人数
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指導者A:Y.S(担任)
指導者B:K.O(担任)
長期目標
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小集団に入って活動することができる。
短期目標
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路線バスを利用して通学することができる。
標的行動(増やしたい行動)
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路線バスを利用して通学することができる。
標的行動を取り上げる意義
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保護者の都合が付かない日は欠席となってしまうので,路線バスによる通学支援を行い,一人で学校に来るためのスキルを身につけてもらいたいと考えた。
事例に関する情報
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・桜花学園大学 奥田先生からのスーパーバイズ
○学校と児童相談所との連携を強化し,家庭へのアプローチをしていく。
○児童相談所と保護者,教員とでケース会を5回ほど行った。
○児童相談所と学校で,それぞれの得意分野を出し合って,生徒と家庭の支援する。
○児童相談所が単独でも本人の様子を見に行ってもらえるような状況が作れたらベストである。
・本人は学校に来たいと思っている。
・学校に送迎してもらえる日はほとんど欠席していない。
・学校に来ることができないときは,家で一人で過ごしている。
問題の推定原因
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1.路線バスを利用した経験がない。
2.路線バスにはたくさんの乗客がいるから不安である。
3.無事に学校に到着するか不安である。
4.生徒と保護者が生徒の将来の展望が見えていない。
想定される解決策
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1〜3.保護者や教員と一緒に路線バスに乗る練習をする。
4.児童相談所と連携を取って,保護者と学校,児童相談所の3者が生徒の将来を共通理解できるようにする。
選択した原因と解決策
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1〜3から出てくる様々な不安点を,スモールステップで克服していく。
4に関しては,児童相談所を巻き込み,学校と児童相談所それぞれの立場から得意分野を出し合い,家庭と生徒を支援していく。
般化を狙う場面
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登校時の路線バス
指導場面
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・下校時に利用する路線バス内
・路線バスを待っている時間
指導手続き
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【介入1】
児童相談所,学校,保護者とのケース会と登校支援についての話し合いを行った。
スモールステップによる自力通学支援(ステップ1〜4)
(ステップ1)
・下校時に路線バスを利用する。
・はじめは教員と一緒に路線バスに乗る。
・比較的乗客の少ない区間から始める。
・バス下車後は保護者による迎えがある。
(ステップ2)
・教員と一緒に学校から家までの全区間,路線バスを利用して下校する。
・教員は同乗するが,生徒との距離を少しずつ離していく。
(ステップ2+α)
・ステップ2と同時に,家庭で登校便に乗せる練習をする。
(ステップ3)
・乗客の少ない時間帯の登校便に乗って登校する。
・下校便の乗客の少ない区間を一人で乗る。
・乗客の多くなる区間〜家の最寄りのバス停までを教員と一緒に乗る。
(ステップ4)
・一人でバスに乗り,登下校する。
・出発時と帰宅時に本人から担任に電話連絡をする練習を行う。
記録の取り方
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本生徒の通学区間を7区間に分け,それぞれの区間をどのように過ごしたかを得点化し記録をとる。
2点:一人で登下校できた(過ごすことができた)。
1点:保護者(教員)と一緒に登下校できた(過ごすことができた)。
0点:登下校できなかった。
指導期間と達成基準
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【指導期間】
・ケース会と登校支援についての話し合い(11月〜1月の計3回)
・路線バスの通学支援について(ステップ1,2:12月)
(ステップ3,4:12月〜1月)
【達成基準】
・ステップ4の段階で1週間以上14点(満点)が連続したとき
【中止基準】
・通学区間で何らかのトラブルが起きたとき
・生徒の状態に著しい変化が見られたとき
・登校するのを嫌がったとき
・家庭において生徒の様子に大きな変化が見られたとき
結果
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・他の乗客を気にする様子も見られなかった。
・始めに教員と一緒に乗り,乗客の少ない区間から始めることで,バスでの通学に対して,大きな抵抗無くスタートを切ることができた。
・ステップ2以降は,スムーズに指導が進めることができた。
・バスの中の様子を教員に伝えるなど,落ち着いてバスに乗車している様子がうかがえた。
・自力通学をすることで,通院日以外の出席率が100%になった。
考察
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【路線バスによる通学指導について】
・生徒が「学校に来たい」と思うような環境作りが土台として必要である。
・保護者や関係機関,路線バス会社との連携を図り,地域全体で生徒を支援していく
という環境を作ることが必要である。
・緊急時の対応を含め,バスの中でのルールを明確に示すことで,バスの中で起こり
うるであろう様々な状況に自分で対応していくスキルを身につける事が必要であ
る。
【本生徒に対する学校と家庭との指導の一貫性】
・毎日,学校に行かなければならないというルールを徹底することで,生徒と保護者
が自主的に動こうとする状況を作る。
・理由もなく休んだ場合の結果に一貫性を持たせることで,より学校へ行くことの重
要性を意識づけする。
【今後の課題】
・3校時から5校時までではあるが,毎日登校できるようになり生徒の活動場所も増
え,校内で他の生徒とすれ違ったときの反応が小さくなってきた。
・まだ集団での活動にはいることができていないこともあり,「他の生徒と場を共有
する」という部分からスモールステップで指導を考えていく必要がある。
・感情的になったときの感情コントロールを身につける必要がある。
・最終的には他の生徒と同じ時間のバスを利用して帰ることが目標である。
FILE
224_248_1.xls
路線バス利用(ポイント数)
FILE
224_248_2.xls
出席率
記入日時
2012/04/08/13:39:27
現行ログ
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