201120
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事例担当者のイニシャル
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YM
事例研究のタイトル
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特別支援学校中学部の生徒がつばをつけた所をハンドタオルでふくための支援
事例の概要
[HELP]
物の位置や場所が気になり,見て確認したり指で触ったりするほかに,指につばをつけて気になる物につけることがある。つばをつける場所は,自分のロッカー,リュックの中,課題のボックスやクリップ,他児のスケジュール,ビニール袋,物が動いた後の棚,音楽室の黒板などである。教員のガイダンスで行動が止まることはあるが,その後にできなかったところを確認しに行く行動が見られることが多い。
対象児のプロフィール
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中3 男子生徒 自閉症
PEP-R 1歳7ヶ月(H23年10月21日)
長期目標
[HELP]
つばをつけた後,自分でハンドタオルを取ってつばを拭き取ることができる。
短期目標
[HELP]
教員の見守りの中でつばをつけた後,カゴに入ったハンドタオルを取ってつばを拭き取ることができる。
標的行動(増やしたい行動)
[HELP]
つばをつけた時,ハンドタオルで拭き取る。
標的行動(減らしたい行動)
[HELP]
つばをつけること。
事例に関する情報
[HELP]
気になる物が目に入ると,活動途中でもつばをつけに行く。
物が動いた後(授業の道具が入ったカゴ,他生徒のスケジュール等)に,つける。
ビニール袋は必ずさわるとなめたりつばをつけたりする。
日によって,回数が多いときと少ないときがある。
問題の推定原因
[HELP]
1.確認ができて安心できる。
2.つばをつける感覚がよい。
3.物の位置にこだわりがある。
4.つばのついた後の反射や色が変わる所がよい。
想定される解決策
[HELP]
1.日常のスケジュールや手順を本人に分かりやすく提示する。
2.いろいろな感覚の指先を使った活動を取り入れる。
3.置いてある物を整理し,物の置き場所を固定する。
4.拭き取る。
選択した原因と解決策
[HELP]
1.確認ができて安心できる。
→本人がわかりやすい環境や活動を用意する。
2.つばをつける感覚がよい。
→つばを拭き取る行動をつばつけとセットで行う。
指導場面
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日常生活の指導(月〜金)
課題学習の時間(月水木金)
担任が入っている授業(音楽,美術,自立活動)
指導手続き
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(指導開始初日)
1.ハンドタオルの入ったカゴを教室の本人のロッカー上に置く。教室移動のある場合は,活動 場所へカゴを持って移動するようにする。
2.つばつけがあった直後に教員がハンドタオルの入ったカゴを指さしし,「ふく」と声 かけをしながら,ハンドタオルを取ってつばを拭き取り,ハンドタオルをカゴに入れる 所まで身体的ガイダンスをする。
3.拭き終わったら「まる」と声かけをし,笑顔で賞賛する。
(指導1)
1.ハンドタオルの入ったカゴを教室の本人のロッカー上に置く。教室移動のある場合は,活動 場所へカゴを持って移動するようにする。
2.つばつけがあった直後に教員がハンドタオルの入ったカゴを指さしし,「ふく」と声か けをし,本人がハンドタオルを取って拭き取るのを待つ。5秒待ってもハンドタオルを 取らない場合は,本人の手をカゴの所まで持っていく身体的ガイダンスを行う。つばを 拭く行動についても,行動が見られない場合は同様の手続きで支援をする。
3.つばを拭き終わったらハンドタオルを元のカゴに入れるように,カゴを指さしする。
ハンドタオルをカゴに入れない場合は「カゴ」と声かけをする。
4.できたら「まる」と声かけをし,笑顔で賞賛する。
利用可能な好子
[HELP]
「まる」「よくできました」等の言語と笑顔での賞賛
グミやチョコ等のおかし
記録の取り方
[HELP]
つばをつけた後拭けたかどうかを以下のように記録する。
1人でできた・・・○,指さし又は声かけでできた・・・△,身体的ガイダンスでできた・・・×
指導期間と達成基準
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『指導期間』
(ベースライン):10月20日〜21日
(指導1):10月24日〜11月8日
『達成基準』
○が5回連続した場合を達成とする。
結果
[HELP]
つばを拭き取る行動は,教員の指さしがあるとタオルを取って拭き取ることができるようになった。
つばつけの回数は指導によっては大きく変化しなかった。
課題学習の時間
│ベースライン│ 指導1 │
│10/20│10/21│10/24│10/31│11/2│11/4│11/8│
クリップ │ × │ × │ ×│ △│ △│ △│ △ │
回数│12 │ 12│ 12│ 10│ 9│10│ 8 │
課題ボックス │ ×│ × │ ×│ △│ △│ △│ △ │
回数│12 │ 12│ 12│ 10│ 9│10│ 8 │
│7/7│7/13│7/15│10/14│10/20│10/21│10/24│10/25│10/31│11/1│11/2│
つばをつける│2 │ 3 │ 2│ 8 │ 6 │ 4 │ 4 │ 1 │ 2 │ 4 │ 3 │
考察
[HELP]
指導を行うことで,つばつけの後ハンドタオルで拭く行動は支援のある中では身に付いてきたと思われる。ただ,第1回目のコンサルテーション以降,指導には入っていなかったのだが,つばつけをすることが少なくなってきた。ベースラインと指導1とを比べてみても,つば付けの回数がほとんど変わりなかった。このことより,つばつけの回数が減ったことと指導との関連性は低いと推測される。
また,修学旅行時の連休明けより,確認行動が増えている現状も記録を取る上であきらかになってきた。
以上の2点より,本生徒は理解できる安定した環境の中で生活することで確認行動やつばつけの行動が減少するのではないかと考えられる。スケジュールの使用による見通しが持てる環境や,物の位置が固定されていて整理されているような,決められた環境の整備が本生徒の安定した生活には大切であるということがこの取り組みを通して分かった。
A:先行条件
B:行動
C:結果
ロッカー上にカゴあり
他児のスケジュールあり
教員あり
ハンドタオルなし
つばをつける
つばがつけられる(↑)
物の位置の確認ができる(↑)
教員の制止(−)
記入日時
2012/04/07/12:45:13
現行ログ
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