200701



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事例担当者のイニシャル[HELP]T.S
事例研究のタイトル[HELP]トイレに行きたいときに、他者へカードで知らせるための指導
事例の概要[HELP]・定時排泄を行っているが、時間のリズムが狂うと車いすに座った状態で排泄(失敗)をしてしまうことがある。
・お茶を500ml飲んだあとは1時間間隔やもっと短い間隔で排泄する。
・スクールバスで登下校するとき、就寝前に紙パンツをはいている。それ以外ははいていない。
・車いすを操作して自分の意思で移動することができるために、常時近くに教師がいて行動を制止されることが多い。
・家に帰りたいとき、一人で教室から出て玄関まで行くことがある。
・施設でショートスティを行ったときに、便コネがみられた。
・思い通りにならないと大きな声を出して手のひらを噛んだり、頭をかきむしる。
・にやにやっと笑いながら、指で食べ物をつまんで口に入れるなどの制止される行動を行うことがある。

対象児のプロフィール[HELP]養護学校高等部2年生、男子、脳性麻痺による痙性四肢麻痺、自閉的傾向がみられる
その他の特徴
・発声はみられるが、発語はない。
・あいさつの方法は手を他者の手にタッチする。いただきます、ごちそう様は両手を合わせる。
・開いているドア、引き戸をみつけると閉じに行く。
・机上にあるペンや本、ハンガーに干してあるエプロンなどを棚の中にしまいたがる。
・人の動きをよく見ており、興味のある物の行方などをしっかり見ている。
・ほしいものが手の届かない位置にあると、教師の手を取ってクレーンを行う。
・ベルト式の靴を一人で器用に脱ぐことができる(支援者の動きを模倣している)。
・食べるのが大好きで、スプーンやフォークを使い分けて食べることができる。
・床に落ちているゴミなどを指でつまんで、口に入れることがある。
・機嫌を悪くすると手のひらを噛んだり、頭をかきむしる。
・つかまり立ちができる。
・床から一人で車いすに座ることができる。
・待って。いいよ。などの言葉は理解している。
指導者の役割と人数[HELP]指導者A TS(担任)
指導者B AG(学級所属教諭)
長期目標[HELP]トイレに行きたいときに、トイレのカードを教師に渡しにいく。
短期目標[HELP]1枚のトイレカードを取って、教師に渡す。
1枚のお茶カードを教師に手渡して、お茶をもらう。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]トイレに行きたいとき、教師にトイレカードを手渡す。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]車いすに座ったまま排泄をする。
標的行動を取り上げる意義[HELP]・トイレに行きたいときに教師に分かりやすく伝えることができると、失敗したときの不快感を感じない。
・トイレに行くペースが教師ペースから自分のペースになり、無理な我慢や排泄をしなくてもすむ。
事例に関する情報[HELP]・便意を感じ、排泄をしたり、我慢をすることができる。
・休み時間に自分の意思でトイレに行き、便座に座ったところ排泄をしたことが2回ある。
・日常ではトイレに行くことを言葉がけで伝え定時間隔でトイレに行き、排泄をしている。
・車いすに座った状態で排泄をしてしまったときは、体を大きく動かしたり、声を出したり、脱衣行動を行う。
・授業中に教室から出ようとすると離席行動ととられて制止されている。
問題の推定原因[HELP]・トイレに行きたいが、それを他者に分かりやすく伝えられない。
・自発的にトイレに行こうとしても、授業中だと離席行動ととられて制止されてしまう。
・興奮したときに腹圧がかかり排泄してしまう。
・嫌なことから回避するために排泄する。
想定される解決策[HELP]・トイレのカードを他者に手渡す。
・1時間隔でトイレに連れて行き、便座に10分間座る。
・常時、紙パンツをはいてもらう。

選択した原因と解決策[HELP]・原因はトイレに行きたいが、それを他者に分かりやすく伝えられないため。
・解決策はトイレに行きたいときにトイレのカードを他者に手渡す。
般化を狙う場面[HELP]・大人限定で担任、学級所属教員、学年所属教員。
・家庭や寄宿舎生活の場面。母親、寄宿舎指導員。
・校外学習の場面で、地下鉄駅、デパート内で担当教員。
指導場面[HELP]・教室での実施から、廊下や他の教室へ拡充していく。
・ルールを理解し、2枚のカードの利用ができるようになってきたら、家庭や寄宿舎でも実施する。
・最後に地下鉄駅やデパートなどで実施する。
指導手続き[HELP]<トイレに行きたいことをカードで他者に伝える>
・今までトイレに連れて行った時間帯に机上にトイレカードを置いておく。
・教師が生徒の後ろと前に座る。
・プロンプターが生徒へカードを手に取り、前にいる教師へ渡すように支援する。
・生徒がカードを手に取ると、前の教師が手を出し、その手にカードを置くように後ろの教師がプロンプトする。
・教師がカードを受け取ったら、「トイレに行くよ。」と言葉がけし、トイレに行く。
・生徒が机上にあるカードを取るまで5秒程度待ち、自発されないようだとカードを取るように後ろの教師がプロンプトする。
・教師がカードを受け取ったら、「はい。トイレに行くよ。」と言葉がけし、トイレに連れて行く。
・カードを手にとって、教師がいるところまで移動してカードを手渡す。
・次のステップはファイルにカードを入れておき、ファイルを開いて教師へ手渡しする。
・次はカードを2枚用意する。トイレカードとお茶カードを用意しておく。
・校外、寄宿舎、家庭で実践し、般化させる。

<カードによるコミュニケーションの理解>
・机上にお茶カードを置いておく。
・教師は、生徒の前と後ろに座る。
・前に座った教師がお茶を提示する。
・生徒が手を伸ばしたら、お茶カードを取るように後ろの教師がプロンプトする。
・カードを手に取ったら、前の教師は手を出して、教師へカードを手渡すようにプロンプトする。
・教師がカードを受け取ったら、すぐに「はい。お茶だよ。」と言って、手渡す。

利用可能な好子[HELP]・お茶、水。
・カードを手渡したときの言葉による賞賛。
・トイレに連れて行ってもらえる。
・要求したものが手にはいる。
教材教具など[HELP]写真カード(トイレ、お茶の2枚)
記録の取り方[HELP]<トイレに行きたいことをカードで他者に知らせる>
・学校での排泄数をカウントする。
・カード導入後から排泄数とカードを使って知らせることができた数をカウントする。
 (カード1枚のとき、距離を離して、2枚の中から)

<カードによるコミュニケーションの理解>
・1日3回試行し、カードを使って好子を手に入れた数をカウントする。
指導期間と達成基準[HELP]9月から1月いっぱい。ベースラインを1か月、介入は10月末から。
達成基準は正反応が10回連続で次のステップとして移動範囲を広げ、さらに10回連続でカードの枚数を増やしていく。

FILE 27_52_1.xls

データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2007/10/24/16:34:53

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