201313



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事例担当者のイニシャル[HELP]D.N
事例研究のタイトル[HELP]自閉症のある生徒に対する模倣の指導
−不連続試行法を用いた模倣の指導による刺激般化の検討−
事例の概要[HELP]日常生活の指導や体育、音楽の授業で教員が見本を示しても、模倣をしようとしないためスキルの習得が困難。

パフォーマンス・マネジメントー問題解決のための行動分析学ー,米田出版,島宗 理(2000)において、「モデリングは、“模倣”という行動レパートリーが身に付いている相手にしか使えない。」と示しているように、本生徒に模倣スキルが身につけば、モデリングによる学習が可能だと考えた。

模倣の指導に関して、不連続試行法(Discrete Trial Trainining:以下DTT)を用いた。
対象児のプロフィール[HELP]自閉症
男児
SM社会生活能力検査 SA=3-6,SQ=27
「立って。」「バイバイ。」などの言語指示に従うことができる。
発話なし。
指示が分からないときは手をひらひらと振ったり、自分の口を指で指したりする。

指導者の役割と人数[HELP]T1(事例担当者):1日15分ほどのDTTを行い、模倣の指導を行う。

T2:身についた模倣が刺激般化するのか検討するため、DTTの指導後、模倣の指導を行う。
長期目標[HELP]音楽や体育で教員が示した見本を模倣する。
短期目標[HELP]T1が示した見本を5種類以上模倣する。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]T1が示した見本を模倣する
標的行動を取り上げる意義[HELP]模倣を習得することにより、モデリングによる指導が可能になると考えられる

日常生活の指導や音楽、体育での学習でモデリングによるスキルの習得が可能になると考えられる。
般化を狙う場面[HELP]T2による模倣の指導
指導場面[HELP]学習室
指導手続き[HELP]【T1によるDTTを用いた模倣の指導】

1.T1は見本を示す。
2.生徒が模倣を示したら強化する。
→模倣を示さない場合、身体プロンプトを行い、模倣を示したら強化する。
3.再び1と同じ見本を示す。

【T2による模倣の指導】

1.T2は見本を示す。
2.生徒が模倣を示したら強化する。
→模倣を示さない場合、無反応で次の過程にうつる。
3.模倣の有無に限らず次の見本にうつる。
利用可能な好子[HELP]教員の言語賞賛「そう!」「すごい!」
教員の笑顔
教員に顔を触ってもらう
教材教具など[HELP]コップ
積み木
デコレーションボール
プラスチック容器
おもちゃの車
おもちゃの食べ物
ティッシュ
ゴミ箱
帽子
おもちゃの太鼓
記録の取り方[HELP]模倣を示した→○
模倣を示さなかった→×
指導期間と達成基準[HELP]10試行中9試行以上で達成

T1によるDTTを用いた模倣の指導 14日間

後日 T2による模倣の指導
結果[HELP]ベースラインでは示さなかった見本の模倣もDTTを用いた指導で模倣を示すようになった。

ベースラインで模倣を示さなかったT2の見本が、T1のDTTを用いた指導の後、模倣を示すようになった。
考察[HELP]15分のDTTによる集中的・反復的な練習により、模倣の仕方が生徒の理解を促したと考えられる。

DTTによる指導では、一度行った模倣でも数試行繰り返したり、身体プロンプトの後にも好子出現したりするため、エラーも少なく、模倣をすることの動機も高まったと考えられる。
参考にした先行研究や事例など[HELP]Sybil,Edgar & Lorna Wing(1976)自閉症児の教育,ルガール社

島宗 理(2000)パフォーマンス・マネジメントー問題解決のための行動分析学ー,米田出版

加藤 琢也・安井 友康(2013)知的障害を伴う自閉症生徒に対する動作模倣に着目した運動指導の方
略:授業実践と評価の分析から,北海道教育大学学術リポジトリ

Ivar Lovaas・中野 良顯(2011)自閉症児の教育マニュアル,ダイヤモンド社


結果:ベースライン【事物あり】

結果:ベースライン【事物なし】

結果:DTT【事物あり】

結果:DTT【事物なし】

結果:刺激般化【事物あり】

結果:刺激般化【事物なし】
記入日時 2014/04/15/16:24:11

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