200807



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事例担当者のイニシャル[HELP]M.K R.F
事例研究のタイトル[HELP]自立課題を一人で取り組むことができるための指導
事例の概要[HELP] 自立課題を個別のスペースで行っているが、一人で課題を始めることが難しく、プロンプトが必要である。課題自体は独力で行うことができるが、課題開始時に停滞してしまうことが多い。停滞している時にはぼーっとしていたり、耳をふさいでうずくまったり、爪を噛んだりしている。
興奮している時には服を噛み破ったりすることもあった。
対象児のプロフィール[HELP]特別支援学校小学部4年生 男児 自閉症
太田のStage (2007.6実施) Stage3−1
PEP−R (2007.9.29実施) 発達年齢2歳11ヵ月
模倣:2歳3ヵ月 知覚:2歳 微細運動:4歳
  粗大運動:3歳10ヵ月 目と手の協応:4歳 
  言語理解:2歳7ヵ月  言語表出:3歳1ヵ月 

・ことばで要求を伝えることもでき、「お茶の飲むの」「トランポリンするの」など二〜三語文での要求がみられる。
・スケジュールは部分スケジュールで、2〜5枚の写真カード提示を行っている。カードは上から順に外すことはできるが、活動場所に移るにはプロンプトが必要な場合がある。
・時期により、本や服を口や手で破る、いろいろな物を噛む、大便を触るといった感覚的な行動が多くみられる(今年度は梅雨時、夏休み明け、運動会後にみられた)。
指導者の役割と人数[HELP]担任教員1名
長期目標[HELP]自立課題の時に一人でワークシステムの順番カードを取り、課題を始め、終了後に課題を片づ けることができる(4課題)。
短期目標[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り、着席した後、一人でワークシステムの順番カードを取り、2課題行うことができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り、着席した後、一人でワークシステムの順番カードを取り、2課題行うことができる。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り、着席した後、爪を噛む。
標的行動を取り上げる意義[HELP]本児は対面課題は比較的スムーズ行えるが、自立課題を一人で進めていくことが難しい。一人で自立活動を行うことは将来的に一人で作業を行う等、自立につながる大切なトレーニングであり、
身につけさせたいスキルである。
 また、本児の気になる行動の1つに服を噛み破るという行動がある。学校で服を噛み破るのは自立課題の場面(個別スペース)が多く、自立課題をスムーズに行うことで、服を破る行動も減少することが期待できる。
般化を狙う場面[HELP]生活単元学習(個別作業)
指導場面[HELP]月〜金曜日 3校時 自立活動(課題別の学習)自立課題の時 1日2回
指導手続き[HELP]指導1(エラーレス指導:3日間)
1.4面を段ボールで仕切った個室を自立課題コーナーに設定する。課題ボックスの中に課題は2つ。
2.児童用机の前に写真カード(2枚)を提示しておき、児童がそのカードを上から1枚ずつ取って、課題ボックスの引き出し持ち手に貼ってあるカードとマッチングしてから引き出しを開け、課題を取るように設定。
3.教員は本児後方の段ボールの仕切を挟んで2mの場所に立つ。視線は合わせない。
4.本児が課題スペースに入り着席後、本児の右手を取り、一緒に写真カード(課題:のりづけ作業)を取る。
5.以降は本児一人で課題を進め、1分間停滞した場合は、再び手順4(写真カードを取る)まで戻る。
6.課題終了後は必ず休み時間を設定(5分程度)し、本児の好きな遊びができるようにする。

指導2(4日目以降)
1.4面を段ボールで仕切った個室を自立課題コーナーに設定する。課題ボックスの中に課題は2つ。
2.児童用机の前に写真カード(2枚)を提示しておき、児童がそのカードを上から1枚ずつ取って、課題ボックスの引き出し持ち手に貼ってあるカードとマッチングしてから引き出しを開け、課題を取るように設定。
3.教員は本児後方の段ボールの仕切を挟んで2mの場所に立つ。視線は合わせない。
4.1分間停滞した場合は、再び前の行動(順番カードが取れなかったときは、課題スペースに入る前)まで戻る。
5.課題終了後は必ず休み時間を設定(5分程度)し、本児の好きな遊びができるようにする。

利用可能な好子[HELP]お絵描き遊び(教員に絵を描いてもらって、それを破る)
固い紙を破る
のりで貼り付け作業
絵の具を筆で塗る
記録の取り方[HELP]2つの自立課題の進めていくための課題分析(以下の10項目)を行う。
 1.1枚目の写真カード(のりづけ作業)を取る。
 2.写真カードを課題ボックス1段目のカードとマッチングさせる。
 3.課題ボックス1段目から課題(のりづけ作業)を机上に出す。
 4.課題(のりづけ作業)を行う。
 5.課題(のりづけ作業)を課題ボックス1段目に戻す。
 6.2枚目の写真カード(紙ちぎり)を取る。
 7.写真カードを課題ボックス2段目のカードとマッチングさせる。
 8.課題ボックス2段目から課題(紙ちぎり)を机上に出す。
 9.課題(紙ちぎり)を行う。
10.課題(紙ちぎり)を課題ボックス2段目に戻す。

各項目のプロンプトの有無を記録し、1回の正反応の生起率を出す。 
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:2008年11月18日〜
達成基準:正反応率が5回連続100%のとき。
中止・改善基準:正反応率100%が10回連続なかったとき。

標的行動のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立課題の時間
四面仕切られた個室
課題ボックス(4段)
課題が2つ
1番目の課題(のりづけ)
2番目の課題(紙ちぎり)
机の前に課題の順番カード(写真)
教員が近くにいない
教員のことばかけなし
一人で2つの自立課題を行う 課題が終わる(↑)
順番カードが全部なくなる(↑)
教員のことばかけ「よくできました」(?)
トランジッションカードを渡される(?)
好きな遊びができる(↑)


記入日時 2008/11/28/17:57:02

事例担当者のイニシャル[HELP]M.K R.F
事例研究のタイトル[HELP]自立課題を一人で取り組み始めることができるための指導
事例の概要[HELP] 自立課題を個別のスペースで行っているが、一人で課題を始めることが難しく、プロンプトが必要である。課題自体は独力で行うことができるが、課題開始時に停滞してしまうことが多い。停滞している時にはぼーっとしていたり、耳をふさいでうずくまったり、爪を噛んだりしている。
興奮している時には服を噛み破ったりすることもあった。
対象児のプロフィール[HELP]特別支援学校小学部4年生 男児 自閉症
太田のStage (2007.6実施) Stage3−1
PEP−R (2007.9.29実施) 発達年齢2歳11ヵ月
模倣:2歳3ヵ月 知覚:2歳 微細運動:4歳
  粗大運動:3歳10ヵ月 目と手の協応:4歳 
  言語理解:2歳7ヵ月  言語表出:3歳1ヵ月 

・ことばで要求を伝えることもでき、「お茶の飲むの」「トランポリンするの」など二〜三語文での要求がみられる。
・スケジュールは部分スケジュールで、2〜5枚の写真カード提示を行っている。カードは上から順に外すことはできるが、活動場所に移るにはプロンプトが必要な場合がある。
・時期により、本や服を口や手で破る、いろいろな物を噛む、大便を触るといった感覚的な行動が多くみられる(今年度は梅雨時、夏休み明け、運動会後にみられた)。
指導者の役割と人数[HELP]担任教員1名
長期目標[HELP]自立課題の時に一人でワークシステムの順番カードを取り、課題を始め、終了後に課題を片づ けることができる(4課題)。
短期目標[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り着席した後、一人でワークシステムの順番カードを取るこ とができる。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り、着席した後、一人でワークシステムの順番カードを取る ことができる。
標的行動(減らしたい行動)[HELP]自立課題の時に課題スペースに入り、着席した後、爪を噛む。
標的行動を取り上げる意義[HELP] 本児は対面課題は比較的スムーズ行えるが、自立課題を一人で進めていくことが難しい。一人で自立活動を行うことは将来的に一人で作業を行う等、自立につながる大切なトレーニングであり、
身につけさせたいスキルである。
 また、本児の気になる行動の1つに服を噛み破るという行動がある。学校で服を噛み破るのは自立課題の場面(個別スペース)が多く、自立課題をスムーズに行うことで、服を破る行動も減少することが期待できる。
事例に関する情報[HELP]・ワークシステムを理解しており、上から順に進めていくことができる。
・視覚的に理解しやすい課題については、正確に進めることができる。
・課題中に服を噛み破る行動は夏休み明けから3回みられた。
・指導前の課題分析より、「着席する」「ワークシステムの1枚目の順番カードを取る」という行動に支援が必要であると思われる。
問題の推定原因[HELP]推定原因1:好きな課題ではない。
推定原因2:課題の数が多い。
推定原因3:停滞していることで、教員が関わってくれる。
推定原因4:課題が簡単過ぎる。
推定原因5:個室なのでリラックスできる。
推定原因6:課題を終了しても楽しいことがない。
推定原因7:カードがわかりにくい。
推定原因8:課題前の休み時間に遊び足りなかった。
想定される解決策[HELP]解決策1:興味のある課題を設定する。
解決策2:課題数を減らし、一人で課題を進める練習をする。できたら1つずつ課題を増やす。
解決策3:課題終了後は教員と関われる本児が好きな遊び(絵を描いてもらう)を必ずする。
解決策4:課題終了後は本児が好きな感覚遊び(筆で絵の具を塗る等)を必ずする。
解決策5:課題の難しさを少しあげる。
解決策6:写真カードを使用し、好きな課題がボックスに入っていることがわかるようにする。
解決策7:課題前の休み時間に本児が納得できるまで遊ぶ。
選択した原因と解決策[HELP]推定原因:好きな課題ではない。課題の数が多い。  
解決策 :興味のある課題を設定する。
     課題数を減らし、一人で課題を進める練習をする。できたら1つずつ課題を増やす。
般化を狙う場面[HELP]生活単元学習(個別作業)
指導場面[HELP]月〜金曜日 3校時 自立活動(課題別の学習)自立課題の時 1日2回
指導手続き[HELP]・環境設定
課題ボックスの変更(10段→4段)  課題は1つ  机、椅子の高さの調整
ワークシステムに好きな課題の写真カードを利用
・手続き
指導1(エラーレス指導:3日間)
1.4面を段ボールで仕切った個室を自立課題コーナーに設定する。課題ボックスの中に課題は1つだけ。
2.児童用机の前に写真カード(1枚)を提示しておき、児童がそのカードを取って、課題ボックスの引き出し持ち手に貼ってあるカードとマッチングしてから課題を取るように設定。
3.教員は本児後方の段ボールの仕切を挟んで2mの場所に立つ。視線は合わせない。
 4.本児が課題スペースに入り着席後、本児の右手を取り、一緒に写真カード(課題:ちぎり作業)を取る。
5.課題終了後は必ず休み時間を設定(5分程度)し、本児の好きな遊びができるようにする。

指導2(4日目以降)
 1.4面を段ボールで仕切った個室を自立課題コーナーに設定する。課題ボックスの中に課題は1つだけ。
2.児童用机の前に写真カード(1枚)を提示しておき、児童がそのカードを取って、課題ボックスの引き出し持ち手に貼ってあるカードとマッチングしてから課題を取るように設定。
3.教員は本児後方の段ボールの仕切を挟んで2mの場所に立つ。視線は合わせない。
 4.本児が課題スペースに入り、1分間待っても自主的に写真カードを取ることができない場合は、教員の手引きで自立課題コーナーを出て、トランジッションカードを渡し、再びスケジュールの確認からやり直させる。     
5.課題終了後は必ず休み時間を設定(5分程度)し、本児の好きな遊びができるようにする。

利用可能な好子[HELP]お絵描き遊び(教員に絵を描いてもらって、それを破る)
のりで貼り付け作業
絵の具を筆で塗る
おやつ
記録の取り方[HELP]正反応の得点を次のように設定し、記録をとる。
 プロンプトなしでワークシステムの順番カードを取ることができた時・・・1点
 プロンプトなしでワークシステムの順番カードを取ることができなかった時・・・0点
指導期間と達成基準[HELP]指導期間:2008年11月4日〜
達成基準:5回連続プロンプトなしで、ワークシステムの順番カードを取ることができたとき。
中止・改善基準:誤反応が10回連続のとき。
結果[HELP]指導1(11月4日〜10日 計7回)指導2(11月10日〜17日 計9回)

 エラーレス指導は3日間の予定だったが、連休を挟んで指導2に移行するようになったため、連休明けにも1回エラーレス指導を行った。

指導2開始後、5回目から5回連続で、正反応がみられたので達成とする。

問題行動のABC分析1
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立課題の時間
四面仕切られた個室
課題ボックス(10段)
課題が全部で4つ
1番目の課題
机の前に課題の順番カード
キャラクターの順番カード
教員が近くにいない
教員のことばかけなし
爪を噛む 歯、あごの感覚刺激(↑)
落ち着く(↑)
教員が個室に入ってくる(↑)
指さし(↑)
ことばかけ「課題」(↑)
身体的ガイダンス(↑)
教員のかかわり(↑)
課題をさせられる(↓)

問題行動のABC分析2
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立課題の時間
四面仕切られた個室
課題ボックス(10段)
課題が全部で4つ
1番目の課題
机の前に課題の順番カード
キャラクターの順番カード
教員が近くにいない
教員のことばかけなし
服を噛み破る 歯、あごの感覚刺激(↑)
教員が個室に入ってくる(↑)
教員に強くしかられる
教員「服を破りません」
 教員「課題をする」 (?)
課題が中断(−)
個室から引っ張り出される(?)
着替えをさせられる(?)
再び課題コーナーに戻る(?)

標的行動が生起している時
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立課題の時間
四面仕切られた個室
課題ボックス(10段)
課題設定が4つ
最後の課題(紙ちぎり)
机の前に課題の順番カード
キャラクターの順番カード
教員が近くにいない
教員のことばかけなし
ワークシステムの順番カードを取り、課題を行う 紙をちぎる感触(↑)
課題の終了(↑)
休み時間(↑)
好きな活動ができる(↑)

解決策のABC分析
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立課題の時間
四面仕切られた個室
課題ボックス(4段)
課題が1つだけ
1番目の課題
机の前に課題の順番カード
課題の中身がわかる写真カード
好きな課題(紙ちぎり)
教員が近くにいない
教員のことばかけなし
ワークシステムの順番カードを取り、課題を行う 紙をちぎる感触(↑)
課題の終了(↑)
休み時間(↑)
好きな活動ができる(↑)
教員の褒めことば(?)


正反応得点
記入日時 2008/11/05/17:23:45

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