200810
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事例担当者のイニシャル
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A,B,C
事例研究のタイトル
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小学部高学年自閉症児に対する室内遊びの種類を増やすための支援
対象児のプロフィール
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A
小学部6年生
PEP-R;2:07(平成19年5月)
太田のStage;Stage2(平成20年5月)
写真カードのスケジュールを理解し、カードを確認してから次の活動に移ることができている。
困ったときや手伝ってほしい時に、クレーンハンドで要求することもあるが、「手伝ってください」カードで要求する場面が増えてきている。
お手伝いなど積極的に行うことができている。
水遊び、砂遊び、スライムが好きである。
指導者の役割と人数
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3名
長期目標
[HELP]
家庭で飛び跳ねることなく、イスに座って遊ぶことができる。
短期目標
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2〜3種類の遊びからカードで選択して、イスに座って10分間過ごすことができる
標的行動(増やしたい行動)
[HELP]
○○を使って短時間、イスに座って過ごすことができる
標的行動(減らしたい行動)
[HELP]
部屋からとびだす、水道の水で遊ぶ
標的行動を取り上げる意義
[HELP]
Aは感覚遊び、特に水遊びを好み、大人の目を盗んで水道で遊んでいることがある。主な室内遊びはスライム(学校・施設・家庭)、ウルトラマン人形(家庭)である。
家庭・施設では水道で水を出して遊だり、部屋の中を飛び跳ねていたりしている。制止がききにくく、外へ跳び出そうとしたり、逆に怒ったりする。家庭・施設では目を離すことができない状態である。
施設では4〜5月頃は一定時間、工作をして落ち着いて過ごしていたが、プール遊びが始まった頃から、落ち着きがなくなったそうだ。9月末にプール遊びが終わっても、同じような状態が続いている。座って活動することが難しく、部屋やベランダから跳び出そうとすることがよく見られる。
室内で一定時間、一人でできる活動や遊びが見つかることで、家庭や施設で落ち着いて過ごすことができると思われる。また、学校でも遊びの種類が増えることで、充実した遊びの時間になると思われる。
事例に関する情報
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水遊び、砂遊びなどの感覚遊びが多い。室内ではスライムで遊ぶことが多い。
ホールではトランポリン、ボールプールで遊ぶ。高い所から飛び降りたり、マットにスライディングしたりして遊ぶことも多い。
落ち葉を拾ってすりつぶすこともよく見られる。
自立課題はワークシステムに沿って、一人で取り組むことができる。30〜40分離席せずに取り組める。
工作的な活動を好む(はさみで紙を切る、ボンドで木片を貼り付けるなど)
お手伝いとして、牛乳パック洗い、机拭きを行っている。食器洗いは洗剤を大量に使ってしまうため、中断している。
学校で遊びを選択するとき、パターン的にカードを選んでいることが多い(遊び選択ボードに貼られているカードを上から順番に選んでいる傾向がある)。
問題の推定原因
[HELP]
(1)その場ですることが分からない
(2)遊びの時間にすることがない
(3)大人に追いかけてもらえる
(4)体力が余っている
(5)したくない活動から逃げている
(6)活動に飽きている
(7)水遊びが楽しい
想定される解決策
[HELP]
(1)できる活動を用意する
(2)興味をひく遊びやすることを増やす
(3)過剰な反応を示さないようにする
(4)運動の時間を増やす
(5)「手伝って」要求を教える
(6)活動を複数用意して選択にする
(7)その1 水遊びをできる時間とできない時間を設定する
その2 水遊びに代わる感覚遊びを見つける
選択した原因と解決策
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原因 遊びの時間にすることがない
解決策 興味をひく遊びやすることを増やす
般化を狙う場面
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家庭・施設
指導場面
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遊びの時間
指導手続き
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(1)遊べそうなもの探し
遊びの時間の前に、イスに座って活動する時間を設定する。Aが興味を持ちそうな物、自分から取り組みそうな活動を提示する。その物に対する興味や要求などを観察・記録する。Aが要求する物や活動をリストアップする。
(2)カードを使って要求
イスに座って活動する時間に、興味を持った遊びや活動を提示して、要求を誘う。その活動や物を表すカードも提示して、指さしでカードを渡してもらう。カードと交換で物を渡したり、活動を許可したりする。指さしは遅延していく。
(3)カードブックから選択して要求
興味を持った活動のカードを遊び選択ブックに貼っておく。遊びの時間に遊びたい活動を選択してもらう。
利用可能な好子
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水遊び、砂遊び、スライム、プレイルームでの遊び、大人の注目
教材教具など
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本児が興味を引きそうなもの
写真カード
カードを貼るためのホワイトボード・ファイル
記録の取り方
[HELP]
(1)遊べそうなもの探し
提示したもの,興味をもったもの,活動中の様子や時間などを記録する。
(2)カードを使って要求
カードを手渡すことができたか
○:自発的にできた
△:プロンプトありでできた
×:ガイダンスで手渡した
手渡したカードと実際に手をのばしたものが一致していたか
○:一致していた
×:違うものに手を伸ばした
遊んでいるときの様子や時間
(3)カードブックから選択して要求
遊び選択ブックから選択した遊び
手渡したカードと手をのばしたものが一致していたか
○:一致していた
×:違うものに手を伸ばした
遊んでいるときの様子
指導期間と達成基準
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指導期間
11月〜2月
結果
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(1)遊べそうなもの探し
提示したもので粘土・アイロンビーズ・ペーパークラフトは興味があり,パズルやビーズ通しなどの課題学習的なものは興味が薄かった。ペーパークラフトには興味があるものの,はさみやのりの使い方に課題があるため,作るものによっては教員がそばについていなければならなかった。
興味のもちやすかった粘土・アイロンビーズ・ペーパークラフトを遊びで選択できるように次の指導を設定した。
(2)カードを使って要求
粘土やアイロンビーズなどの実物を提示して,要求を促したとき,はじめの2日間は直接実物に手を伸ばしていた。3日目からはカードを手渡して要求することができるようになった。カードと実物も一致していて,教員が「どうぞ」と2〜3種類の実物を一度に提示しても,手渡したカードと同じものを自分で取ることができた。
(3)カードブックから選択して要求
遊びの時間,遊び選択ブックに追加したアイロンビーズや粘土などの遊びを自分で選んで遊ぶようになった。1月21日に一度,手渡したカードと違うものに手を伸ばしたが,他はカードと同じものを自分で取ることができていた。追加した遊びの中ではアイロンビーズ遊びが嬉しいようで,遊んでいるとき笑顔がよく見られた。
考察
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(1)遊べそうなもの探し
いろいろなものを提示して、興味をひくものを探したが、予想していたものと違う反応(喜ぶかと思っていたら、嫌がった)も見られた。日頃の生活からもしっかり行動観察していくべきだった感じた。
(2)カードを使って要求
選んだもので10分以上椅子に座って活動することもできていた。指導目標1の結果から選択した活動が有効であったと考えられる。
カードで活動を要求できるようになったため,指導時間を遊びの時間に設定して,日常生活で使っている遊び選択ブックから遊びを選ぶ指導に展開することにした。
(3)カードブックから選択して要求
指導前の室内遊びはスライム1種類であったが,指導を通して室内遊びが3種類に増えた。遊びの時間,アイロンビーズや粘土などで10分以上室内で椅子に座って過ごすことができるようになり,遊びの時間が充実してきたと思われる。遊びの種類を増やすためには,指導目標1のような好きなもの探しが重要であることを再確認した。
冬休みには家庭でもアイロンビーズを好んで遊んでいたようである。施設では11月下旬頃から落ち着いて過ごすことができるようになったようである。しかし,職員から話を伺うと,対応する方によって差があるようである。
また,遊びの時間に選択ブックから選ぶとき,並んでいるカードを順番に取って手渡している傾向があった。今後は,好きな物探しを続けていくことや,遊びたいものを伝える手続きの検討,家庭や施設への般化などが課題である。
興味のあるもの探し
A:先行条件
B:行動
C:結果
遊びの時間前
教室(机)
目の前に粘土や工作など
粘土や工作に手をのばす
活動ができる(↑)
楽しい(↑)
教員が関わってくれる(↑)
カードを使って活動を選択する
A:先行条件
B:行動
C:結果
遊びの時間前
教室(机)
目の前に粘土や工作など
目の前にカードがある
カードを手渡し、カードと対応したものに手をのばす
活動ができる(↑)
楽しい(↑)
教員が関わってくれる(↑)
カードを使って活動を選択する
A:先行条件
B:行動
C:結果
遊びの時間
遊び選択ブックにカードが貼ってある
カードを手渡し、カードと対応したものに手をのばす
粘土などがもらえる(↑)
楽しい(↑)
活動ができる(↑)
教員が関わってくれる(↑)
上段:カードを手渡す 中段:手渡したカードと同じものに手を伸ばす 下段:遊んでいた時間(分)
上段:カードを手渡す 下段:手渡したカードと同じものに手を伸ばす
遊びの種類の累計
記入日時
2008/11/12/16:42:40
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