200813



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事例担当者のイニシャル[HELP]A.T
事例研究のタイトル[HELP]中学部生徒が硬貨(100円・10円)の実物と金額(文字カード)と名称(音声)のマッチングができるための支援
事例の概要[HELP]100円と書かれた文字を見て100円硬貨を選んだり、100円硬貨を見て「ヒャクエン」ということができるときもあればできないときもある。
できることとできないことを明確にして、刺激等価性の考え方を用いた学習を行い、実物と金額と名称のマッチングが効率的に学習できるよう支援する。
硬貨の種類が増えると、名称や金額が混同しやすい傾向にあるので、今回は10円と100円の2種類の硬貨の学習から始める。
対象児のプロフィール[HELP]中学部3年
知的障害
新版K式発達検査結果
全領域2:6 姿勢・運動3:1 認知・適応2:6 言語・社会2:9   
音声言語あり
指導者の役割と人数[HELP]指導者1名
数学の教科の担当者
長期目標[HELP]硬貨の名称を聞いて対応する硬貨をお財布から取り出すことができる
短期目標[HELP]硬貨(100円・10円)の実物と金額(文字)と名称(音声)のマッチングができる
標的行動(増やしたい行動)[HELP]硬貨(100円・10円)の実物と金額(文字)と名称(音声)のマッチングができる
標的行動を取り上げる意義[HELP]学校での校外学習や家庭でのお買い物時に教員や家族、店員さんから言われた金額をきいて、自分のお財布から取り出す機会は今後のたくさんあると考える。
家族との買い物では、本人がお金を払う機会は少ないであろうが、福祉サービスの支援者等身内以外の者は、本人の財布にさわる前に口頭で指示することは多いように思う。指示してできなければ、支援するが、指示してできればそれに越したことはない。
また、自分でお金を払うことでお買い物がより楽しいものになるかもしれないとも考える。
事例に関する情報[HELP]学校での買い物学習では、本人の財布から教員がお金を支払うことが多かった。しかし、担任が「100円3枚」というとそれに対応する硬貨を支払ったこともあった。確実ではないが、このような言葉での指示に応じる事もできつつある。

ベースラインデータ(9月10日、24日、26日の記録より)
ア 音声を聞いて硬貨を選ぶ(40%)
イ 硬貨をみて音声で答える(93%)
ウ 音声を聞いて文字カードを選ぶ(50%)
エ 文字カードを見て音声で答える(73%)
オ 硬貨を見て文字カードを選ぶ(77%)
カ 文字カードを見て硬貨を選ぶ(100%)
般化を狙う場面[HELP]買い物時に支援者に言われた硬貨をお財布から出す
買い物時に店員からいわれた硬貨をお財布から出す
指導場面[HELP]数学の授業(個別課題学習をしている)
指導手続き[HELP]刺激等価性の考え方を学習に用いる
ベースライン:教員と対面で硬貨(実物)と名称(音声)と文字カードの対応の正答率を出す
できている関係の逆の関係もしくは正答率の高い関係から学習を始める
<学習の順番>
達成:カ 文字カードを見て硬貨を選ぶ(100%)
1番:オ 硬貨を見て文字カードを選ぶ(77%)
2番:イ 硬貨をみて音声で答える(93%)
3番:ア 音声を聞いて硬貨を選ぶ(40%)
4番:エ 文字カードを見て音声で答える(73%)
5番:ウ 音声を聞いて文字カードを選ぶ(50%)

<指導手続き>(オの関係を学習する場合)
・文字カード(10円、100円)を机に並べておき、硬貨を提示し「どっち?」とたずねる。
・正答したら「正解、よくできました」と言語賞賛する。
・間違えたり、5秒以上無反応だったりする場合は、正答の文字カードを指さす。
・1日10回の指導において正答率100%が3日間続いたら達成とする。

・その他の関係についても同様の手続きをとる。
・オの関係が成立後は文字カードや硬貨をプロンプトとして使用する。
・1つの関係が達成するごとに6つの関係の正答率を確認する。(5回×3日)
・その際、正答率が100%の関係については達成したとみなし、以後の指導は行わない。
利用可能な好子[HELP]お茶
給食のおかわり
言語賞賛
教材教具など[HELP]硬貨(10円玉、100円玉)
文字カード(10円、100円)
記録の取り方[HELP]・1日5回以上学習を行う。
・その日の正答回数をその日の学習実施回数で割り、1日ごとの正答率を記録する。
指導期間と達成基準[HELP]10月15日 指導開始
6つの関係について、それぞれ連続5回以上の正答が3日間続いたら達成とする。
結果[HELP]ベースラインでは成立していなかった5つの関係のうち、オ、エ、ウの3つの関係を指導すると、6つの関係すべて成立した。
考察[HELP]実物とカードの関係と音声とカードの関係が達成すると、実物と音声の関係も達成した。
刺激等価性の考え方を用いることで、効率的な学習ができた事例であった。

FILE 76_85_1.xls
指導記録 オエウの関係
FILE 76_85_2.xls
指導による6つの関係への効果

データとグラフ:第一系列のタイトル: 正答率
Baseline: ベースライン   Intervention1: 硬貨を見て文字カードをとる   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2008/10/08/18:37:50

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