200820



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事例担当者のイニシャル[HELP]T,K
事例研究のタイトル[HELP]小学校特別支援学級低学年児童に 独り言を減らして、朝の活動をスムーズに遂行させるための支援
対象児のプロフィール[HELP]小学校特別支援学級2年生 男子
指導者の役割と人数[HELP]指導者A:TK(担任)
指導者B:KM(担任)
以上2名
短期目標[HELP]朝の活動時に独り言の回数を5回以内して、朝の活動をスムーズに行う。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]朝の活動を行う
標的行動(減らしたい行動)[HELP]独り言を言う
標的行動を取り上げる意義[HELP]本児童は、先生の名前を呼び捨て、他人が不愉快になる言葉、友達が言った言葉を繰り返し喋りだし、気分が高揚していく場面がある。特に家庭では、この行動が多く保護者も困っている状態である。
事例に関する情報[HELP]学校では、スケジュールや教室の構造化、課題へのモチベーションなどを工夫した結果、こうした周囲が困惑する場面は減ってきた。

しかし、朝の着替えや決まった活動の流れの時、遊びコーナーで1人でビデオを見ている時は、先生の名前を呼び捨て、他人が不愉快になる言葉を喋ることが多い。

また、本児童のこうした独り言が多い時、その言葉に反応してパニックになる児童が1名いるため、対応に苦慮している。
問題の推定原因[HELP](1)活動が簡単だったり、飽きている。
(2)先生の注意が好子になっている。
(3)何分で仕上げなさいという明確な指示がない。
(4)少々、しゃべっても課題は確実に毎日仕上げているので、しゃべってもしゃべらなくても最後のごほびタイムは必ずゲットできるので、そんなに行動に影響しない。
(5)近くの友達の反応を楽しんでいる。
想定される解決策[HELP](1)活動のレベルを難しくする。
(2)先生は無視(−)、もしくは活動が遂行したときにのみ賞賛して褒めて注目を与える。
(3)キッチンタイマーを見せて、「何分でこの活動はできる?」と目標を明確にして提示する。
(4)しゃべった場合としゃべらなかった場合の好子の提示をはっきり明示する。
(5)友人の活動場所を本人から見えないようにする。
選択した原因と解決策[HELP]選択した原因
■少々、しゃべっても課題は確実に毎日仕上げているので、しゃべってもしゃべらなくても最後のごほびタイムは必ずゲットできるので、そんなに行動に影響しない。

選択した解決策
■しゃべった場合としゃべらなかった場合の好子の提示をはっきり明示する。
般化を狙う場面[HELP]遊びコーナーで1人でビデオを見る時間
家庭での宿題時間、もしくは夕方3時から5時の間。
指導場面[HELP]朝学校に登校し、先生に「おはようございます」と言った瞬間から、朝の活動が終了するまでの時間(8:10ぐらいから9:10ぐらいまで)毎朝、行っている朝の活動は次の通りである。

1 先生に「おはようございます」と言う
2 着替え
3 今日の時間割チェックと明日の時間割を連絡帳に書く
4 掛け算の勉強
5 今日の音楽(ピアニカ)
6 今日のお手伝い(ぞうきん掛けや窓拭き、遊びコーナーの掃除など)
7 遊びの指導(ブロック、お絵かき)
8 運動場2週
9 今日のチャレンジの時間
10 ?の活動
11 ごほうびタイム
指導手続き[HELP]介入1
1 朝の活動前に今日のご褒美タイムは27分であることを児童に知らせる。
2 小さなホワイトボードの右側中央に27分と書いてあるボードと左端に赤マグネット15個貼ったホワイトボードを児童に見せる。
3 「先生の名前を呼び捨て、他人が不愉快になる言葉、友達が言った言葉」を1回言った場合は、教員が無言(表情を変えずに)で赤マグネットを児童に提示した後、ホワイトボード左側中央に貼る。
4 児童に「27分−赤マグネットの数」がご褒美の時間です」と伝える。
5 15分以上のごほうび時間をゲットできた場合は、超賞賛してごほうび時間を与える。

*ベースライン中の平均回数は17回程度であった。よって、失敗体験を増やさないために最初のご褒美タイムを27分に設定した。このことで、27分−17分(ベースライン時)で10分は確実にご褒美タイムが与えられると考えた。

介入2
達成基準に達したら、25分を20分に設定する。後は介入1と一緒である。

 
利用可能な好子[HELP]本児の強力な好子
・ユーチューブ(電車)
・電車の本
・電車のビデオ
・イメージ検索(Google)
・ホワイトボードでのお絵かき
・ブロック

活動性の好子
・昼休みの鬼ごっこ
・昼休みのすもう
・クラスメイトのH君との一緒の活動
教材教具など[HELP]ホワイトボード(小)1枚
赤色マグネット15個
記録の取り方[HELP]ベースライン
朝の活動中(8:10から9:10)に次の言葉をいった時に1回とカウントした。
・先生の名前を呼び捨て
・友達が以前に喋った言葉を言う
・周囲が不愉快になる言葉
・コマーシャルのフレーズ

また、続けて上記の言葉を2回以上繰り返した場合は1回とカウントした。
例(「○○、○○」)

指導期間と達成基準[HELP]ベースライン:1週間程度
指導期間:ベースライン終了から1ヶ月
達成基準:朝の活動期間中に独り言の回数が5回以内が10日連続続いた場合
中止・改善基準: 朝の活動期間中に独り言の回数15回以上が5日連続続いた場合
結果[HELP]ベースラインの平均は17回であった。

介入1の直後に1回まで激減した。その後も 1回から3回以内で維持された。

介入2を導入後も1回程度で維持された。

考察[HELP]獲得した時間を示し、褒めることでA児は本当に嬉しそうだった。注意された回数よりも、頑張った成果を褒めることが効果的であった。

時間を27分から20分に変えても、頑張ろうとする姿勢が見られた。「僕ゼロを目指して頑張る!」と教師につたえることが多かった。

現状のABC分析(朝の活動の問題行動)
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)着替えの時間
(2)友達の声「・・・」
(3)先生が「何分で着替えなさい」のルールなし
(4)簡単な掛け算問題や活動
(5)朝の活動の最初の方の時間+ちょっとヒマ
(6)朝の活動の終わりはごほうび時間15分
「先生の名前、周囲が困る言葉」を言う (1)先生の注意「コラ」(↑)
(2)友達の声が大きくなった(↑)
(3)喋っていても着替えられた(−)(↑)
(4)喋っていたけど答えが分かった(−)(↑)
(5)大好きなごほうびタイムはまだまだ先(−)+ちょっとヒマな時間が少なくなった(↑)
(6)朝の活動の終わりはごほうび時間15分あり(−)

現状のABC分析(朝の活動をスムーズに遂行している時)
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)先生の「今から朝の着替えは5分以内でしてください」+キッチンタイマー

(2)友達の声なし

(3)ちょっと難しい活動や問題

(4)もうすぐごほうびタイム
朝の活動(指導場面に記入した1から11の活動)を行う (1)5分以内でできた+達成感(↑)

(2)友達の声なし(−)

(3)ちょっと難しい活動や問題ができた(↑)+先生の賞賛

(4)ごほうびタイムに近付いた(↑)

解決策のABC分析(朝の活動の問題行動)
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)27分−○=□分と書いたホワイトボード
(2)先生の「今日も27分のご褒美を目指して頑張ろう」
「先生の名前、周囲が困る言葉」を言う (1)□の時間が少なくった(↓)
(2)先生が赤マグネットをホワイトボードに貼った。(↓)

解決策のABC分析(朝の活動をスムーズに遂行している時)
A:先行条件 B:行動 C:結果
(1)27分−○=□分と書いたホワイトボード
(2)先生の「今日も27分のご褒美を目指して頑張ろう」
(3)ホワイトボードに赤マグネット
朝の活動(指導場面に記入した1から11の活動)を行う (1)□が27分(↑)
(2)先生の「今日も27分のご褒美だね。かしこい!!」(↑)
(3)赤マグネットの提示なし(↑)


データとグラフ:第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
データとグラフ:第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2009/01/18/10:02:59

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