200822



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事例担当者のイニシャル[HELP]MM
事例研究のタイトル[HELP]絵カードを手渡すことで,教師に欲しいお菓子を要求する。

対象児のプロフィール[HELP]・特別支援学校 小学部 2年生 男子
・自閉症
・呼名に対して「はい」と返事ができる。
・数字カードを見て,自分から「いち(1)」「ご(5)」などと読むことがある。
・いくつかのことばを獲得しているが,コミュニケーションの手段として使うには至っていない。
・要求は,クレーンハンドや指さしで伝える。
・機嫌の良い時や遊びに夢中になっている時,「おっおっ」「あー」「はー」などの声を出したり,
 笑ったりする。

指導者の役割と人数[HELP]1名(事例担当者のみ)

 ここが,PECSの原則を外れている点であり,コミュニケーション・パートナーとプロンプター の両方を,事例担当者が兼ねている。
 
長期目標[HELP]・2つの活動から,自分のしたいことを選んで絵カードで伝えることができる。
・「〜ください」など,2語文での要求を,絵カードで伝えることができる。
短期目標[HELP]・絵カードを教師に手渡すことによって,お菓子を要求する。
標的行動(増やしたい行動)[HELP]・コミュニケーション・ブックから絵カードをはがし,教師に手渡す。
標的行動を取り上げる意義[HELP]・絵カードを手渡すと,確実にお菓子がもらえる経験を通して,コミュニケーション意欲を高めるこ とができる。
・自発的なコミュニケーション・スキルを増やすことができる。
・自分の欲しいお菓子を選択して,教師に伝えることができ,選択や意思表示の手段として,絵カー ドを使うことができる。
事例に関する情報[HELP]・(家庭で)複数提示されたおやつから,その時欲しいおやつを選ぶことができない。
・話しことばを獲得途中であり,話しことばだけでは意思疎通が難しい。
・教師に要求を伝える時には,クレーンや指さしを使う。
 教室では,写真カードで,手の届かないところの物(クレヨン,はさみなど)を要求する練習をし ている。教師の指さし(プロンプト)を受けて,写真カードの手渡しができる。
想定される解決策[HELP]・絵カードや写真カードを手元に置いて,自分の要求を相手(教師)に伝える。
般化を狙う場面[HELP]・自立活動の時間における指導(コミュニケーション・パート)以外の時間で,事例担当者(MM)  に,絵カード(または写真カード)で要求を伝える。
・教室で,絵カード(または写真カード)を使って,担任教師に要求を伝える。
・教室以外の場所で,絵カード(または写真カード)を使って,担任教師に要求を伝える。
・教室,または教室以外の場所で,絵カード(または写真カード)を使って,担任以外の教師に要求 を伝える。
・家庭で,絵カードを使って,母親(父親)に要求を伝える。
指導場面[HELP]・毎週火曜日の,自立活動の時間における指導(コミュニケーション・パート)の時間(40分間)の うち,最後の5分程度。
・場所は,コミュニケーション学習室。
・MM(事例担当者)と対象児が,1対1で学習する時間である。
指導手続き[HELP]好子アセスメント
・お菓子を複数提示して,どのお菓子を手に取るかを観察する。

指導期1
・対象児の目の前に絵カードを1枚置く。
・教師は,お菓子を手のひらに載せて誘う。
・対象児がお菓子に手を伸ばしてきたら,絵カードを手に取り,手渡すよう身体的ガイダンスをする。
・対象児が絵カードを手に取ったら,即座に片手を開く。
・対象児が絵カードを手渡したら,即座にお菓子の名前を言いながら,お菓子を対象児に手渡す。
※身体的ガイダンスは,徐々にフェイドアウトする。
利用可能な好子[HELP]・お菓子(マーブルチョコ,チョコボール,コアラのマーチ,サッポロポテト)
・クレヨンとスケッチブック(絵を描く)
・くもんの絵カード
・ひらがな,カタカナボード
・ほめことば(「まる」「すごいね」など)
教材教具など[HELP]・コミュニケーション・ブック
・お菓子(実物)
・お菓子のパッケージの絵カード(または写真カード)
指導期間と達成基準[HELP]・2008年9月9日〜2009年3月

正反応:プロンプトなしで絵カードを手渡すことができた。
誤反応:プロンプト(身体的ガイダンス)を受けた。

・指導期1(PECSフェイズ1に相当)・・・10回連続の正反応で達成とする。
・指導期2(PECSフェイズ2に相当)
 1教師との距離を取る。・・・10回連続の正反応で達成とする。
 2コミュニケーション・ブックとの距離を取る。・・・10回連続の正反応で達成とする。
 3教師,コミュニケーション・ブック両方と距離を取る。・・・10回連続の正反応で達成とする。
・指導期3(PECSフェイズ3に相当)
 1真っ白なカードと,好子カードとの弁別・・・10回連続の正反応で達成とする。
 2無関係な物のカードと,好子カードとの弁別・・・10回連続の正反応で達成とする。
 3好子カード2枚の弁別・・・10回連続の正反応で達成とする。
               (途中に対応チェックを入れる)
・指導期4(PECSフェイズ4に相当)
 1文カードに好子の絵カードを貼る・・・10回連続の正反応で達成とする。
 2好子の絵カード,「ください」のカードを順に貼る・・・10回連続の正反応で達成とする。
   
参考にした先行研究や事例など[HELP]・PECSトレーニングマニュアル第2版

正しい絵カードを渡す(フェイズ1〜2)
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立活動の時間
コミュニケーション学習室で
コミュニケーション・ブックあり
ブックの上に1枚の絵カード
教師に正しい絵カードを渡す お菓子をもらう(↑)
身体的ガイダンスなし(↑)

間違った絵カードを渡す(フェイズ3〜)
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立活動の時間
コミュニケーション学習室で
コミュニケーション・ブックあり
ブックの上に2枚の絵カードあり
教師に間違った絵カードを渡す スプーン(鉛筆,輪ゴムなど)を渡される(↓)
お菓子なし(↓)

正しい絵カードを渡す(フェイズ3〜)
A:先行条件 B:行動 C:結果
自立活動の時間
コミュニケーション学習室で
コミュニケーション・ブックあり
ブックの上に2枚の絵カードあり
教師に正しい絵カードを渡す お菓子をもらう(↑)
身体的ガイダンスなし(↑)

記入日時 2008/12/01/09:59:56

現行ログ/ [1]
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