200825
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事例担当者のイニシャル
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tf
事例研究のタイトル
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中学部3年生自閉症児がタイマー音を聞いて遊びを終了するための指導
事例の概要
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休み時間,選択した遊び(DVD,本,ゲーム)を使って過ごしており,遊びの終了はタイマーを使用している。DVDやゲームについてはタイマーが鳴っても終了せずに遊び続けようとすることがあり,指さしや身体的ガイダンス等の支援が必要な場面も多い。教員が終了を促すとスムーズに遊び道具を片付け,トラジションコーナーに戻ることができている。
学校生活場面でスケジュールを確認家庭においても遊びの終了が難しくパニックになることもある。
そこで,より自立的に生活を送ることができるようになるために,自主的に遊びを終了できればと考え,本実践に取り組むことにした。
対象児のプロフィール
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中学部3年生 男児 自閉症
指導者の役割と人数
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担任2人
長期目標
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タイマー音により休憩を終了し,遊び道具を所定の場所に片付けることができる。
短期目標
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タイマー音により休憩を終了することができる。
標的行動(増やしたい行動)
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タイマーが鳴ったら遊びグッズをかごに入れてトラジッションコーナーに移動する
標的行動(減らしたい行動)
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タイマーが鳴っても遊びを続ける
標的行動を取り上げる意義
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本生徒はスケジュールの確認、教室移動、次の活動の開始と自主的に行うことができている。休憩終了時の場面では支援を要する場面が多い。家庭においても遊びの終了を促されて、パニックになることもある。自主的に遊びを終了できるようになることで、より自立的に生活を送ることができると考え、本実践に取り組むことにした。
般化を狙う場面
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家庭での余暇場面
指導場面
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休憩時間
指導手続き
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<介入1>
1.「休けい」のスケジュール確認後、スケジュールに休憩時間を「○分」と文字で書き込んで伝える。
2.PECSの要求カードを受け取り,遊びグッズ(DVD,ゲームボーイ,本)を手渡す。
3.休憩エリアに設置しているタイマーをセットする。
4.タイマーが鳴ったらトラジションカード(パズルのピース)を手渡す。
指導開始1回目
5.タイマーが鳴ったと同時にトラジションカードを手渡す。
6.身体的ガイダンスにより遊びグッズをかごに入れる。
7トラジションコーナーに戻ってパズルをはめるようにプロンプトを行う。
指導開始2回目以降
9タイマーが鳴ったと同時にトラジションカードを手渡す。
103秒待って遊びを終了しないときに、遊びグッズをかごに入れるよう身体的ガイダンスを行う。
<介入2>
1「休けい」のスケジュール確認後、スケジュールに休憩時間を「○分」と文字で書き込んで伝える。
2PECSの要求カードを受け取り,遊びグッズ(DVD,ゲームボーイ,本)を手渡す。
3休憩エリアに設置しているタイマーをセットする。
4休憩エリアのタイマーの上にトラジッションカードを貼り付ける。
指導開始1回目
5タイマーが鳴ったと同時に身体的ガイダンスでトラジションカードをとり、遊びグッズをかごに入れるよう身体的ガイダンスを行う。
指導2回目以降
5タイマー音の後、3秒待っても休憩を終了しないときにトラジションカードをとり、遊びグッズをかごにいれるよう身体的ガイダンスを行う。
教材教具など
[HELP]
タイマー、トラジションカード(城の写真のパズルピース)、遊びグッズを片付けるかご
記録の取り方
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<ベースライン>
タイマー音で3秒以内に遊び道具をかごに入れることができた回数、できなかった回数を記録する。選んだ遊びの内容についても記録する。
<介入1>
タイマーが鳴ってトランジッションカードを手渡すと「遊び道具をかごに入れることができた回数」、「身体的ガイダンスにより遊び道具をかごに入れた回数」を記録する。選んだ遊びの内容についても記録する。
<介入2>
タイマーが鳴って3秒以内に遊び道具をかごに入れることができた回数、できなかった回数を記録する。
指導期間と達成基準
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平成20年11月〜平成20年12月
<介入1>
タイマーが鳴ったときにトランジッションカードの手渡しにより、遊び道具をかごに入れることが5回連続でできたら達成とする。
<介入2>
タイマーが鳴ったときに遊び道具をかごに入れることが
結果
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本を選択した時にはベースラインの時点で自ら終了できていたのでDVD、ゲームボーイの場面のみ指導場面とし,記録した。
指導手続き1では指導開始初日から3日目(1〜4回目)は身体的ガイダンスにより遊びを終了していたが、4日目で66%,5日目以降はトラジションカードの手渡しにより100%休憩を終了することができた。5回連続で達成することができたので指導手続き1は終了し,指導場面2へと移行した。
指導手続き2では指導開始初日から4日目までは50%程度の達成率であるが、5日目から7日目は自ら休憩を終了できる場面が増え、80%程度の達成率となっている。8日目から13日目は支援が必要だったのは1回のみでほぼ100%達成することができた。指導手続き1については指導を開始してすぐに定着し、トラジションカードを受け取ると遊びを終了することができるようになった。
次のステップとして、指導手続き2ではトラジションカードを手渡しする支援をフェイドアウトしていくことをねらった。指導手続き1では「手渡しする」という教員の介入があったためにスムーズに終了できたが,指導手続き2では教員の介入がないために指導開始からしばらくは終了できない時も多かった。ゲームボーイは終了できるようになったが,DVDに夢中になっている時に遊びを終了できずにプロンプトが必要な場面があった。徐々に終了できる率が増え,トラジションカードを自ら取るという行動が定着し,休憩を終了きるようになった。
考察
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日頃から本生徒の指導においては好子をみつけることが難しく、今回の指導も頭を悩ませた。本生徒は城の写真に関心が高く、課題時の様子などからピタッとはまる感覚が好子になるのではと考え、トラジションとして城のパズルを使用した。K君の好きなものを使用し、次の行動を視覚的に示す(目の前にパズル)ことで休憩の終了がスムーズになったと考える。
また、指導開始前は遊びを選択する前に休憩時間を伝えておらず、ベースラインの結果から休憩時間が短い時、DVDを終了できない割合が多かった。そこで指導方法として休憩時間を事前に伝えるように設定した。休憩時間が短い時は本を選ぶなど、時間に応じた内容を選べるようになったことも休憩がスムーズに終了できるようになった要因として考えられる。
今後の課題としては、本生徒にとっての好子を多くみつけていく必要性を強く感じる。また、家庭では遊びが終了できずに不安定になることがあるので、今後は家庭と連携を図り,般化を目指していきたい。
記入日時
2008/10/24/17:11:43
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