対象児のプロフィール |
F(小学校2年男子)自閉症 太田のstage:1−3 CARS:45.5
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長期目標 |
すでに怖がったり座り込んだりしたことのある10程度の場面で,怖がったり座り込んだりせずに活動に参加する。
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短期目標 |
すでに怖がったり座り込んだりしたことのある3程度の場面で,怖がったり座り込んだりせずに活動に参加する。
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
指導目標 教師と一緒に,ソーシャルストーリーを読む。
標的行動 教師と一緒に,ソーシャルストーリーを読む。
標的行動を選択した理由 校外学習には興味があるが、初めての店の場合入店時に座り込むと言った行動が予想されたため。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
指導目標に関する本児の実態 日常生活の様々な場面で,不安やおびえと推定される原因から,座り込んで動かなくなったり,次の活動に参加できなくなる様子が見られる。簡単な平仮名文が読め,意味も大体理解できる(例:おちゃを のむ)。平仮名の単語表記によるスケジュールを使用している。スケジュールカードの同時提示は3枚(3活動)で,終わったら箱に入れる。自律的にスケジュールを操作することについては,まだ十分に達成されていない。日常生活場面での指示は,口頭よりも文字に書いて示した方がやや理解しやすいが,興奮しすぎて理解できないことも多い。
ベースライン これまでソーシャルストーリーに関する指導は行っていないので,ベースラインはない。 個人用のミニホワイトボードに指示を書き込んで見せると,簡単な文章「プレイルーム,いく」程度なら,読みとって従うことができることもある。
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般化場面 |
他の教師と,ソーシャルストーリーを読む。 (1)河野先生 (2)渡辺先生 (3)次年度担任 (4)母親
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指導手続 |
時間:給食後 場所:リズム室のソファに座って。 方法: \x{2460}「哲也君,これ(ストーリーを見せる)読もう」と声をかける。 \x{2461}教師と並んでソファに座る。 \x{2462}ソーシャルストーリーを別の白紙で隠し,上から1文ずつ順番に読む。できない時は、「これなんて書いとん?」と尋ねる。 \x{2463}終いまで読む。
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教材教具など |
ソーシャルストーリー「モスバーガーへ いこう」 ソーシャルストーリー「クリスマス会」
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達成基準 |
2点あるいは1点が,3日間連続した時,達成したと見なす。
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記録の取り方(般化場面と指導場面) |
指導場面での記録の取り方 指導手続き\x{2460}〜\x{2463}の全てを通して,次の基準で評価する。 評価基準 2点:プロンプトなしで読める。 1点:プロンプト(ことば「これなんて書いとん?」,指さし) 0点:身体的ガイダンスを必要とする大きな抵抗を示す。
般化場面での記録の取り方 指導場面と同様の手続きで評価する。
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指導期間 |
2003年10月6日〜2003年10月9日 2003年12月4日〜2003年12月9日
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結果 |
・第1回目のセッションでは,ソファに座る時に手を引いて座らせることが必要だった。 ・第1〜2回目までは,「これなんて書いとん」というプロンプトと,指さしが必要だった。 ・河野教官との般化場面では,第3回目のセッションのみ,「これなんて書いとん」というプロンプトが必要だった。 指導目標を達成した。
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考察 |
・はじめの指導では,3日目から教師の「これなんてかいとん?」といったプロンプトなしで,始めから終いまで全部読めたことから,ストーリーを読むことに対しての不安は無くなったと考えられる。 ・ソーシャルストーリーの指導になれていたので,河野教官との般化場面でも,スムーズに読むことができたと考えられる。
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