2004-12



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要求場面(食事・水分摂取)でカードを教師に手渡す。
概 要
本児は中学部より本校に入学し指導を行ってきたが,問題行動として,自傷行為(手かみ)・耳ふさぎ・徘徊(ウロウロ歩き周り指示が入らない)などが見られる。
そこで1学期,どんな場面で問題行動が見られるかを拾ってみると,拒否や要求場面,混乱している場面で多く見られた。(詳しくはメモ欄)

そこで,まず食事のおかわり場面での問題行動(手かみ)に着目し,この場面で「カードを教師に差し出す行動」を教え,強化していくことで問題行動をなくしていきたいと考えている。(他行動分化強化)

対象児のプロフィール
高1女子。自閉症。知的障害。

障害の特性
環境の認知がしづらい。
コミュニケーションが取りにくい。
発語がない。

指導者
高等部教諭(6名)

長期目標
要求場面(食事・水分摂取)でカードを教師に手渡す。

短期目標
食事の時,お皿が空になったら,カードを教師に手渡し「おかわり」の要求を伝える。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
食事の時,お皿が空になったら,カードを教師に手渡し「おかわり」の要求を伝える。

標的行動は上記の通り「カードを教師に手渡す」である。
理由は
 カードを持つことができる。
 カードを手渡すことができる。
 食事に関心が強い。
 毎日指導することができる。
 指導の機会が多い。
などがあげられる。 

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
食事の時お皿が空になると
  お弁当に手を伸ばす
  スプーン・フォークを差し出す
  手かみをする
  カードを指さしして取るように促すと差し出す

般化場面
学園・家庭での食事場面
おやつ・水分摂取場面(学校・学園・家庭)
遊び(雑誌めくり)の場面(学校・学園・家庭)

指導場面
食事場面でカードを本児の目につきやすいところにおいておき,お皿が空になった時,カードを教師に差し出すようプロンプトを出す。

指導手続
昼食時,カードと空のお皿をセッティング。

プロンプトを出し,本児がカードを教師に差し出せば,お皿に数口分お弁当を入れる。

食べ終わったら,再度プロンプトを出し,上記の手続きをくりかえす。

お弁当が終わったら,空になったお弁当箱を見せ,終わりを伝える。

おかわりの手続きが,1回の食事で10回程度になるようお皿に入れるお弁当の量を調節する。
指導1・・特定の教師
指導2・・特定でない教師6名
指導3・・特定の教師を含む6名によるローテーション
指導4・・場所を教室にて行う
     特定の教師を含む6名によるローテーション

教材教具など
お皿・おかわりカード

達成基準
カードを差し出した回数(プロンプトなし+指さしのみのプロンプト)/おかわりの場面の回数・・・80パーセント以上が5日続く。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
(指導場面)・・・昼食時
日付,担当者,カードを差し出したかどうか(プロンプトなしで差し出す◎・指さしのプロンプトで差し出す○・それ以外のプロンプトで差し出す△・その他×),特記事項について記録を取る。
(般化場面)・・・水分摂取時・遊びの場面
同様

グラフ下
第一系列のタイトル: おかわり(カード)プロンプトなし
Intervention1: 指導方法1 Intervention2: 指導方法2 Intervention3: 指導方法3 Intervention4: 指導方法4
第二系列のタイトル: おかわり(カード)指さしプロンプト
Intervention1: 指導方法1 Intervention2: 指導方法2 Intervention3: 指導方法3 Intervention4: 指導方法4

指導期間
指導1・・9月2日(木)〜9月16日(木) 2週間
指導2・・9月17日(金)〜10月1日(金)2週間
指導3・・10月4日(月)〜10月25日(月)3週間
指導4・・10月26日(火)〜

結果
指導1・・プロンプトなしでの要求行動がグラフからもわ かるように顕著に増えてきている。指導1では,目標を達成した。

指導2・・プロンプトなしでの要求行動は,担当する人によってのばらつきがある。食欲があるときについてみると目標は達成している。

考察
カードを使用することにより,手かみはなくなった。
プロンプトなしでの要求行動も人が変わっても出ている。
(般化できている。)

ビフォー
A:先行条件 B:行動 C:結果
おかわりがほしいとき てかみをする 教師が関わる(↑)
おかわりがもらえる。(↑)

ビフォー
A:先行条件 B:行動 C:結果
おかわりがほしいとき 直接お弁当に手を伸ばす。 教師が気づきおかわりがもらえる。(↑)

ビフォー
A:先行条件 B:行動 C:結果
おかわりがほしいとき スプーン・フォークをさしだす  

アフター
A:先行条件 B:行動 C:結果
おかわりがほしいとき
おかわりカード
指さしプロンプト
カードを教師に手渡す おかわりがもらえる(↑)・・・好子出限による強化
賞賛「そうそう」(↑)・・・好子出限による強化


記入日時 2006/02/24/11:16:37  No.201
記入者 管理者  E-Mail

指導手続
昼食時,カードと空のお皿をセッティング。

プロンプトを出し,本児がカードを教師に差し出せば,お皿に数口分お弁当を入れる。

食べ終わったら,再度プロンプトを出し,上記の手続きをくりかえす。

お弁当が終わったら,空になったお弁当箱を見せ,終わりを伝える。

指導1・・担当教師(A教師)
指導2・・研究グループ教師(B・C教師)
指導3・・教師6名によるローテーション(A・B・ C・D・E・F教師)
指導4・・場所を教室にて行う。教師6名によるローテーション(A・B・C・D・E・F教師)
指導5・・全面介助による食事指導。(食欲なし)
指導6・・指導効果確認。教師6名によるローテーション(A・B・C・D・E・F教師)

達成基準
指導1・2・3・・・「カードを差し出した回数(プロンプトなし+指さしによるプロンプト)/おかわりの要求場面の回数」が、80パーセント以上が5日間続く。
指導4・・・・・・・「カードを差し出した回数(プロンプトなし)/おかわりの要求場面の回数」が、80パーセント以上が5日間。
指導5・・・・・・・指導効果の確認。「カードを差し出した回数(プロンプトなし)/おかわりの要求場面の回数」が、80パーセント以上が3日間続く。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
(指導場面)・・・昼食時
日付,担当者,カードを差し出したかどうか(プロンプトなしで差し出す◎・指さしのプロンプトで差し出す○・それ以外のプロンプトで差し出す△・その他×),特記事項について記録を取る。
(般化場面)・・・水分摂取時・遊びの場面
同様

グラフ下
第一系列のタイトル: カードでの要求行動,
Intervention1: 指導方法1 Intervention2: 指導方法2 Intervention3: 指導方法3 Intervention4: 指導方法4 Intervention5: 指導方法5 Intervention6: 指導6

指導期間
指導1・・9月2日(木)〜9月16日(木) 2週間
指導2・・9月17日(金)〜10月1日(金)2週間
指導3・・10月4日(月)〜10月25日(月)3週間
指導4・・10月26日(火)〜11月18日(木)4週間
指導5・・11月19日(金)〜12月21日(火)4週間
指導6・・1月12日(火)〜1月日14日(金)4日


記入日時 2006/02/24/11:18:08  No.202
記入者 管理者  E-Mail

要求場面(食事・水分摂取)でカードを教師に手渡す。
概 要
指導効果の確認

記録の取り方(般化場面と指導場面)
グラフ下
第一系列のタイトル: カードでの要求行動
Intervention5: 指導方法5
第二系列のタイトル: カードでの要求行動(プロンプトなし)
Intervention5: 指導方法5


記入日時 2006/02/24/11:19:11  No.203
記入者 管理者  E-Mail

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