200609



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場面に応じて「ありがとう。」や「ありがとうございました。」のあいさつをする指導
概 要
人は、互いに助け合って生きている。手伝ってもらったり、お世話になったりする場面もおのずと出てくる。そんな時に、「ありがとう(ございます)。」の挨拶をすることは、人間関係を円滑にするためにも、重要なスキルとなる。この事例では、ソーシャルスキルトレーニングを用いた学習をとおして、自発的に「ありがとう。」の挨拶をする指導を実施する。

対象児のプロフィール
中2

知的障害

諸検査結果
WISC−\x{2162} FIQ46
(H16.9.13)

障害の特性
・身辺の自立はできている。
・作業や学習場面では、時々、気分に左右され結果に差がでることがある。
・話す、聞くについては、ほぼできる。「読む」では読み間違い、とばし読みがある。「書く」では、拗音、促音等に書き間違いが多い。
・繰り上がり、繰り下がりのある筆算はできる。空位については十分に理解していない。

指導者
担任、学部の教員

長期目標
自分の気持ちや状況を表現することができる。

短期目標
先生に手伝ってもらったり物を手渡された時など、感謝の意を表現することが必要な時、相手に聞こえる声で「ありがとうございました。」と言うことができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
<指導目標>担任の先生に手伝ってもらったり物を手渡された時など、感謝の意を表現することが必要な時、相手に聞こえる声で自分から「ありがとうございました。」と言うことができる。

<選んだ理由>日常生活の中で、「ありがとう。」や「ありがとうございます。」と言う場面は多く、般化しやすいと思われる。また、「ありがとう。」や「ありがとうございます。」のあいさつをすることは、人間関係を円滑にするためにも必要なスキルと考えた。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
先生に、物を手渡された時に、「ありがとうございました。」と言えることと言えないことがある。言えても、はっきりしない言い方であったり、相手を見ずに言ったりすることがある。

般化場面
\x{2460}学校生活の中で、担任以外の先生に対して「ありがとう」と言うことが必要な場面
\x{2461}生活の場所(施設)で、支援員さんに対して「ありがとう」と言うことが必要な場面

指導場面
学校生活:少なくとも1日3回以上の場面を設定する。
<想定される場面例>
・学習中、担任の先生に必要な道具を借りた時、「ありがとうございました。」と言える。
・休み時間に、担任の先生に何かをしてもらった時、「ありがとうございました。」と言える。
・帰りの活動の時、トークンカードをもらったら、担任の先生に「ありがとうございました。」と言える。
・担任の先生に、助けを求め手伝ってもらったときに、「ありがとうございました。」と言える。

指導手続
・ソーシャルスキルの集団学習の中で、「ありがとうございます。」と言うスキルを取り上げる。モデリングの実演を見た後、ロールプレイを行う。
・自己観察用紙に標的行動を記入し掲示。場所は、カードが目に入りやすいよう1日に最低10回も通る所。
・学校生活で、自分から「ありがとうございました。」と言えたら、賞賛し、教員(担任以外も含む)が青シールを渡す。本人が自己観察用紙にシールを貼る。
・「ありがとうございました。」と言えない時は目配せや言葉で行動を促す。赤シールを貼る。

教材教具など
・自己観察用紙
・赤と青のシール

達成基準
・プロンプトなしで相手(担任の先生)に聞こえる声で「ありがとうございました。」と言えたかどうか。
・3回連続でプロンプトなしで「ありがとうございました。」と言えたら達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
(指導場面)
プロンプトなしで言えたら青シールを、プロンプトありで言えたもしくは言えなかったら赤シールを自己観察用紙に貼る。

(般化場面)
プロンプトなしで言えたら青シールを、プロンプトありで言えたもしくは言えなかったら赤シールを自己観察用紙に貼る。

指導期間
<ベースライン>
2006年9月25日〜2006年9月28日

<指導期間>
2006年10月4日〜

参考にした先行研究や事例など
2005年事例研究
場面に応じて「ありがとう」の挨拶をする指導

指導前
A:先行条件 B:行動 C:結果
\x{2460}教員に必要な物を貸してもらった時
\x{2461}教員に助けを求め手伝ったもらった時
「はあ〜。」(適当な返事)をする \x{2460}必要な物あり(↑)
\x{2461}先生から手伝ってもらい助かる(↑)
\x{2460}\x{2461}先生の承認(↑)

指導前
A:先行条件 B:行動 C:結果
必要な物を貸してもらった時
声かけや目配せによるプロンプトあり
「ありがとうございました。」と言う 褒め言葉(−)
物を貸してもらえる 物あり(−)

指導後
A:先行条件 B:行動 C:結果
教員に必要な物を貸してもらった時 「ありがとうございました。」と言う 青シールがもらえる(↑)
赤シールをもらう(↓)
褒め言葉あり(笑顔や返答)(↑)
物あり(−)
褒め言葉なし(↓)

FILE 173_284_1.doc
自己観察用紙
記入日時 2006/10/02/19:40:26  No.284
記入者 200609  E-Mail

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