概 要 |
人は、互いに助け合って生きている。手伝ってもらったり、お世話になったりする場面もおのずと出てくる。そんな時に、「ありがとう(ございます)。」の挨拶をすることは、人間関係を円滑にするためにも、重要なスキルとなる。この事例では、ソーシャルスキルトレーニングを用いた学習をとおして、自発的に「ありがとう。」の挨拶をする指導を実施する。
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諸検査結果 |
WISC−\x{2162} FIQ46 (H16.9.13)
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障害の特性 |
・身辺の自立はできている。 ・作業や学習場面では、時々、気分に左右され結果に差がでることがある。 ・話す、聞くについては、ほぼできる。「読む」では読み間違い、とばし読みがある。「書く」では、拗音、促音等に書き間違いが多い。 ・繰り上がり、繰り下がりのある筆算はできる。空位については十分に理解していない。
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長期目標 |
自分の気持ちや状況を表現することができる。
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短期目標 |
先生に手伝ってもらったり物を手渡された時など、感謝の意を表現することが必要な時、相手に聞こえる声で「ありがとうございました。」と言うことができる。
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
<指導目標>担任の先生に手伝ってもらったり物を手渡された時など、感謝の意を表現することが必要な時、相手に聞こえる声で自分から「ありがとうございました。」と言うことができる。
<選んだ理由>日常生活の中で、「ありがとう。」や「ありがとうございます。」と言う場面は多く、般化しやすいと思われる。また、「ありがとう。」や「ありがとうございます。」のあいさつをすることは、人間関係を円滑にするためにも必要なスキルと考えた。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
先生に、物を手渡された時に、「ありがとうございました。」と言えることと言えないことがある。言えても、はっきりしない言い方であったり、相手を見ずに言ったりすることがある。
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般化場面 |
\x{2460}学校生活の中で、担任以外の先生に対して「ありがとう」と言うことが必要な場面 \x{2461}生活の場所(施設)で、支援員さんに対して「ありがとう」と言うことが必要な場面
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指導場面 |
学校生活:少なくとも1日3回以上の場面を設定する。 <想定される場面例> ・学習中、担任の先生に必要な道具を借りた時、「ありがとうございました。」と言える。 ・休み時間に、担任の先生に何かをしてもらった時、「ありがとうございました。」と言える。 ・帰りの活動の時、トークンカードをもらったら、担任の先生に「ありがとうございました。」と言える。 ・担任の先生に、助けを求め手伝ってもらったときに、「ありがとうございました。」と言える。
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指導手続 |
・ソーシャルスキルの集団学習の中で、「ありがとうございます。」と言うスキルを取り上げる。モデリングの実演を見た後、ロールプレイを行う。 ・自己観察用紙に標的行動を記入し掲示。場所は、カードが目に入りやすいよう1日に最低10回も通る所。 ・学校生活で、自分から「ありがとうございました。」と言えたら、賞賛し、教員(担任以外も含む)が青シールを渡す。本人が自己観察用紙にシールを貼る。 ・「ありがとうございました。」と言えない時は目配せや言葉で行動を促す。赤シールを貼る。
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達成基準 |
・プロンプトなしで相手(担任の先生)に聞こえる声で「ありがとうございました。」と言えたかどうか。 ・3回連続でプロンプトなしで「ありがとうございました。」と言えたら達成とする。
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記録の取り方(般化場面と指導場面) |
(指導場面) プロンプトなしで言えたら青シールを、プロンプトありで言えたもしくは言えなかったら赤シールを自己観察用紙に貼る。
(般化場面) プロンプトなしで言えたら青シールを、プロンプトありで言えたもしくは言えなかったら赤シールを自己観察用紙に貼る。
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指導期間 |
<ベースライン> 2006年9月25日〜2006年9月28日
<指導期間> 2006年10月4日〜
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参考にした先行研究や事例など |
2005年事例研究 場面に応じて「ありがとう」の挨拶をする指導
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指導前
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
\x{2460}教員に必要な物を貸してもらった時 \x{2461}教員に助けを求め手伝ったもらった時 |
「はあ〜。」(適当な返事)をする |
\x{2460}必要な物あり(↑) \x{2461}先生から手伝ってもらい助かる(↑) \x{2460}\x{2461}先生の承認(↑) |
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指導前
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
必要な物を貸してもらった時 声かけや目配せによるプロンプトあり |
「ありがとうございました。」と言う |
褒め言葉(−) 物を貸してもらえる 物あり(−) |
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指導後
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
教員に必要な物を貸してもらった時 |
「ありがとうございました。」と言う |
青シールがもらえる(↑) 赤シールをもらう(↓) 褒め言葉あり(笑顔や返答)(↑) 物あり(−) 褒め言葉なし(↓) |
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記入日時 2006/10/02/19:40:26
No.284
記入者 200609
E-Mail
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