200610



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授業開始のあいさつに間に合うように席に着くための支援
概 要
スケジュールを用いることで、次にどこでどのような授業が行われるかを理解し、自発的に活動できるようにする。授業に間に合うことができたときには、シールをもらえるようにし、シールがたまったら「がんばりカード」をあげるようにする。
「がんばりカード」がもらえたときは放課後に好きな自転車に乗ることができるようにしている。

対象児のプロフィール
Kさん
高1女子
ダウン症
2006年4月、地元の中学校から高等部に入学してきた。

諸検査結果
実施できていない(2006年9月末現在)

障害の特性
Kさんは地元の中学校から今年の4月に高等部に入学してきた。
入学当初は自分の思いと異なる場面や意にそぐわない声かけがされたときに、倒れて固まってしまうことが多く見られた。保護者や中学校の担任に話を聞くと、教員にかまってほしいときにも見られると聞いた。

指導者
担任、各授業の担当教員

長期目標
スケジュールを見て、一人で次の授業が行われる教室に行くことができる。

短期目標
授業開始のあいさつに間に合うように席に着く。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
授業開始のあいさつに間に合うように席に着く。


現時点では、一人で授業の始まりの時刻に間に合うように時間を考えて自分の準備をすることは困難であるため、教師の方で時間を見て、スケジュールの確認や遊びの終了を知らせている。遊びの終了は、自発的にできることは少なく教師の支援が必要である。今回の標的行動の次の段階として、今後は教師の支援がなくても自ら遊びを終了し次の学習へ切り替える自己コントロール力を身につけてほしいと考えている。また、次の授業までの活動を自分で計画的に遂行することは困難であるが、チェックシートの活用を学習すれば、準備、移動、授業の教室で待つことが自立して行えるようになると考えられる。
標的行動の指導により、将来においても、行事、映画や劇などのイベント、地域の社会的な集まりへの参加、交通機関の利用等の機会を増やしつつ楽しむことができるよう、スケジュールを見て一人で自発的に行動できるスキルを身につけてほしい。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
入学後すぐにスケジュールを取り入れ、スケジュールを確認して一人で移動するようにしたが、途中でトイレに行く、教室の入り口でのかくれんぼや寄り道、上靴を履きかえる等があり、授業の始まりに間に合わないことが多くあった。
また、注意をしたり行動を急がせたりすると倒れて固まってしまうこともあり、授業の始まりに間に合わないこともあった。
Kさんは、現時点で休み時間と授業時間を一人で区別して行動することが難しく、休み時間に自転車に乗ることを楽しみにしているが、一人で遊びを終了し次の学習へ移動するのは難しいため、教師の支援が必要である。
7月からはトークンを取り入れ、少しずつではあるが授業に行くという意識が育ってきている。

般化場面
・体育館や運動場で運動会や文化祭の練習をする場面
・就業体験先で利用者の方と一緒に活動する場面
・校外学習で公共機関を利用する場面

指導場面
朝の日生、1校時〜6校時、帰りの日生のあいさつの場面。

1日で計8回

指導手続
(指導1)
・トークンを活用する。チェックシートを用い、授業の始まりのあいさつに間に合うことができたときにはシールをシートに貼ることができる。
・シールが1日7枚以上たまったときには、「がんばりカード」を渡し、もらえたときには放課後に自転車に乗ることができる。

教材教具など
チェックシート
シール
がんばりカード

達成基準
シールを7枚以上ためることが5日連続できれば達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
朝の日生、1校時〜6校時、帰りの日生のあいさつの場面。

活動や授業終了後、各授業の担当教員が評価を行い、できていればチェックシートにシールを貼れるよう、本人にシールを渡す。
放課後に担任が1日でもらえたシールの数をチェックする。

指導期間
10月17日〜

スケジュールを確認し教室移動する
A:先行条件 B:行動 C:結果
スケジュールを確認する。 a1《正反応》次の授業の教室に移動する。

a2《誤反応》教室の入り口でのかくれんぼや寄り道をして授業に遅れる。
a1《正反応》「あいさつに間に合ったね」と賞賛する。シールを手渡す。(↑)

a2《誤反応》授業の教員に注意される<本人にとってはかまってくれていると思い好子になっていることもあると考える>
シールなし(↓)
<もらえない理由を説明するが、本人の意にそぐわない場合倒れて固まることがある。これが次の授業に遅れる原因につながることもあり悪循環になる可能性がある>

がんばりカードをもらう
A:先行条件 B:行動 C:結果
b1《正反応》シールが7枚以上たまる。

b2《誤反応》シールが6枚以下
b1《正反応》がんばりカードをもらう。

b2《誤反応》がんばりカードをもらうことができない。「今日はカードはありません」と言われる。
b1《正反応》自転車に乗ることができる。(↑)

b2《誤反応》放課後につまらない思いをする。(↓)(自転車に乗ることができないから)

記入日時 2006/10/02/16:06:43  No.283
記入者 200610  E-Mail

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