概 要 |
好きな物を選択できるということは、生活場面で必要なことであり、自分の要求を伝える手段として身につけておきたいスキルの1つである。この事例では、写真カードを利用し、それを教師に手渡して選択した物をもらうことができるという指導をする。
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障害の特性 |
嫌なことや、分からないことがあると「あー」と言ったり、手を叩いたりして、気持ちを伝えることができる。
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長期目標 |
提示されたカードの中から好きなカードを選び、教師に渡すことができる。
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短期目標 |
2枚のお菓子カードの中から好きなカードを1枚選び、教師に渡すことができる。
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指導目標(標的行動とこれを選んだ理由) |
提示された2枚のカードの中から、自分が欲しい「お菓子」のカードを選択し、教師に渡すことができる。 【Step1】提示するカードはお菓子の写真カード1枚にする条件。 【Step2】提示するカードは、1枚はお菓子、もう1枚は歯磨きのカードにする条件。 【Step3】提示するカードは、2枚ともお菓子のカードにする条件。 (標的行動とこれを選んだ理由) これまで対面学習後の「お菓子」は、教師が設定した物を本児が用意したお皿に乗せて渡していたが、好きでないお菓子の時は食べ残したり、遊んだりすることがあった。選択したカードを教師に渡すことで、カードと引き替えに欲しい物が貰えるという過程を経験することで、選択システムの理解を図ることができると考える。
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指導目標に関する対象児の実態(ベースライン) |
写真カード2枚を提示すると、両手で2枚とも外し、教師に渡す。
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指導場面 |
対面学習後の「おやつ」の時間(月曜日〜金曜日)
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指導手続 |
【ベースライン】 写真カード2枚を提示すると、両手で2枚とも外し、教師に渡す。 【Step1】提示するカードは好きなお菓子のカード1枚を提示する条件。 カードと交換で品物が貰えるという場面を作る。提示した写真と同じお菓子を見せて、お菓子を取ろうとしたら、写真カードを取るように促す。カードを取って教師に渡したら即、お菓子を渡す。 【Step2】提示するカードは1枚はお菓子、もう1枚は歯磨きカードにする条件。 お菓子のカードと歯磨きカードを用いて、お菓子カードを取る場面を設定する。 【Step3】提示するカードは、2枚ともお菓子カードにする条件。 1.お菓子は好きなものと、あまり好きでないお菓子を組み合わせる。 2.好きなお菓子の写真を2枚提示する。
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教材教具など |
お菓子カード(数枚)、歯磨き絵カード、選択ボード、お菓子、歯ブラシ、コップ
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達成基準 |
【Step1】:1提示されたカードを取る。2カードを教師に渡す。 1.2が2回続けてプロンプトなしでできたら達成とする。 【Step2】:1提示された選択ボードからお菓子カードを選ぶ。2カードを教師に渡す。 1.2が3回続けてプロンプトなしでできたら達成とする。 【Step3】:1提示された選択ボードから好きなお菓子カードを選ぶ。2カードを教師に渡す。 1.2が3回続けてプロンプトなしでできたら達成とする。
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記録の取り方(般化場面と指導場面) |
1.◎(3点)プロンプトなし ○(2点)声かけ △(1点)指さし ×(0点)身体的プロンプト 2.◎(3点)プロンプトなし ○(2点)声かけ △(1点)手のひらを出す ×(0点)身体的プロンプト
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結果 |
指導初日は提示されたカードの意味がわからず、
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ベースライン
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
お菓子カードを2枚提示される |
2枚とも外す |
お菓子を貰えない(↓) 後に指導を受けて、お菓子が貰える(↑) |
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【step1】
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
実物のお菓子とカードを1枚提示される |
カードを取って教師に渡す |
お菓子がすぐに貰える(↑)
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【step2】
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
お菓子カードと、歯磨きカードを貼った選択ボードを提示される |
お菓子のカードを取って教師に渡す |
お菓子を貰うことができる(↑) |
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【step3】
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A:先行条件 |
B:行動 |
C:結果 |
2種類のお菓子カードを貼った選択ボードを提示される (1.好きなお菓子、あまり好きでないお菓子 2.好きなお菓子カード2枚) |
1.好きなチョコレートのカードを教師に渡す 2.好きなお菓子カードを教師に渡す
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1.好きなチョコレートのお菓子が貰える(↑) 2.好きなお菓子が貰える(↑) |
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第一系列のタイトル: 欲しいものを選択してカードで要求を伝えることができる指導 |
Baseline: ベースライン
step1: step1
step2: step2
step3: step3
step4: step4
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第二系列のタイトル: |
Baseline: ベースライン
Intervention1: 指導手続き1
Intervention2: 指導手続き2
Intervention3: 指導手続き3
Intervention4: 指導手続き4
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記入日時 2006/10/30/15:13:50
No.297
記入者 G
E-Mail
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