200632



[TOP]  [新規データ登録]  [検索]  [修正・削除・データ処理


小学部高学年の自閉症児に教室を出る時に行く場所のカードを教師に手渡して伝える指導
概 要
教室を出る時に、行く場所のカードを教師に手渡し伝えることは、日常生活における実用的な意思伝達の能力を促進する上で重要なスキルである。この事例では、文字カードを利用し、文字カードを教師に手渡して行く場所を伝える指導を実施する。

対象児のプロフィール
L児。
小5男児。自閉症。

諸検査結果
PEP−R:3歳11ヶ月(平成15年実施)
S-M社会生活能力検査:5歳1ヶ月(平成16年実施)

指導者
TM

長期目標
教室を出る時に、行く場所のカードを教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。

短期目標
朝の会終了時、課題学習終了時に、行く場所のカードを教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。

指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)
▼指導目標(標的行動とこれを選んだ理由)▼
朝の会終了時、課題学習終了時に、行く場所のカードを教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。
【Step1】教師が教室出入り口に立つ条件
【Step2】教師が教室出入り口から2m離れた位置に立つ条件
【Step3】教師が教室内に立つ条件(教室出入り口から4m〜5m離れた位置)
▼標的行動とこれを選んだ理由▼
これまで要求のコミュニケーション機能については、様々な場面で行うことができている。教室を出る時に、行く場所のカードを教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることは、意思伝達の能力を促進する上で重要なスキルであると思われる。

指導目標に関する対象児の実態(ベースライン)
【Step1】教師が教室出入り口に立つ条件にて行った。場所の文字カードを取らずに教室を出る様子が見られた。

般化場面
1)学校:音楽に行く時、体育に行く時。
2)家庭:家から外に行く時。

指導場面
朝の会終了時、課題学習終了時に、教室から出て行く場面。

指導手続
教室出入り口右横の壁にボードを設置する。ボードには、「サーキットに行ってきます」「東ホールに行ってきます」と提示した文字カードを挟んでおく。
【Step1】教師が教室出入り口に立つ条件
朝の会終了時、課題学習終了時に、教師は教室出入り口に立つ。
【Step2】教師が教室出入り口から2m離れた位置に立つ条件
朝の会終了時、課題学習終了時に本児が教室から出て行く時に教師は教室出入り口から2m離れた位置に立つ。(本児から教師が見える位置)
【Step3】教師が教室内に立つ条件(教室出入り口から4m〜5m離れた位置)
朝の会終了時、課題学習終了時に本児が教室から出て行く時に教師は教室出入り口から4m〜5m離れた位置に立つ。(本児から教師が見えない位置)


教材教具など
文字カード、ボード

達成基準
朝の会終了時、課題学習終了時に、行く場所のカードを教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることが5日連続でできた場合を達成とする。

記録の取り方(般化場面と指導場面)
プロンプトなくできた・・1点
プロンプト(声かけ、指さし)が必要であった・・0点
※各行動(般化場面、指導場面共通)
1.教室出入り口右横の壁に設置してあるボードに行く。
2.正しい場所カードを取る。
3.教師に手渡し「○○に行ってきます。」と伝える。
※1場面すべてプロンプトなくできた場合は、3点満点とする。

指導期間
2006年11月20日〜12月

教師が教室出入り口に立つ条件
A:先行条件 B:行動 C:結果
朝の会終了後、課題学習終了後に教室から出て行く時 《正反応》
a)壁に設置されたボードから、正しい場所カードを取り、教室出入り口に立つ教師にカードを手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。
《誤反応》
b)場所カードを取らずに教室から出て行こうとする。
c)場所カードを取るが、教師にカードを手渡さずに教室から出て行こうとする。
d)場所カードを取り教師に手渡すが、「○○に行ってきます。」と伝えずに教室から出て行こうとする。
《正反応》
a)「行ってらっしゃい。」と言い、場所カードを受け取る。
《誤反応》
b)ボードを指さしする。ボードを指さししても正反応が見られない場合は、「カード。」と声かけをする。
c)手をさし出す。手をさし出しても正反応が見られない場合は、「カード。」と声かけをする。
d)教室出入り口をブロックする。教室出入り口をブロックしても正反応が見られない場合は、「ひ・・。」などとヒントとなる声かけをする。

教師が教室出入り口から2m離れた場所に立つ条件
A:先行条件 B:行動 C:結果
朝の会終了後、課題学習終了後に教室から出て行く時 《正反応》
a)壁に設置されたボードから、正しい場所カードを取り、教室出入り口に立つ教師にカードを手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。
《誤反応》
b)場所カードを取らずに教室から出て行こうとする。
c)場所カードを取るが、教師にカードを手渡さずに教室から出て行こうとする。
d)場所カードを取り教師に手渡すが、「○○に行ってきます。」と伝えずに教室から出て行こうとする。
《正反応》
a)「行ってらっしゃい。」と言い、場所カードを受け取る。
《誤反応》
b)「カード。」と声かけをする。「カード。」と声かけをしても正反応が見られない場合は、教室に戻るよう促し、ボードを指さしする。
c)「カード。」と声かけをする。。「カード。」と声かけをしても正反応が見られない場合は、教室に戻るよう促し、手をさし出す。
d)進行方向をブロックする。進行方向をブロックしても正反応が見られない場合は、「ひ・・。」などとヒントとなる声かけをする。

教師が教室出入り口から4m〜5m離れた位置に立つ条件
A:先行条件 B:行動 C:結果
朝の会終了後、課題学習終了後に教室から出て行く時 《正反応》
a)壁に設置されたボードから、正しい場所カードを取り、教室出入り口に立つ教師にカードを手渡し「○○に行ってきます。」と伝えることができる。
《誤反応》
b)場所カードを取らずに教室から出て行こうとする。
c)場所カードを取るが、教師にカードを手渡さずに教室から出て行こうとする。
d)場所カードを取り教師に手渡すが、「○○に行ってきます。」と伝えずに教室から出て行こうとする。
《正反応》
a)「行ってらっしゃい。」と言い、場所カードを受け取る。
《誤反応》
b)「カード。」と声かけをし、教室に戻るよう促す。教室に戻るとボードを指さしする。
c)「カード。」と声かけをし、教室に戻るよう促す。教室に戻ると手をさし出す。
d)進行方向をブロックする。進行方向をブロックしても正反応が見られない場合は、「ひ・・。」などとヒントとなる声かけをする。


第一系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
第二系列のタイトル: 
Baseline: ベースライン   Intervention1: 指導手続き1   Intervention2: 指導手続き2   Intervention3: 指導手続き3   Intervention4: 指導手続き4  
記入日時 2006/12/06/04:34:00  No.327
記入者 TM  E-Mail

現行ログ/ [1]
++コラボネット++

++マニュアル++
TOP
shiromuku(h)DATA version 4.00